第072話 ロックハルト攻防戦(その2:援護)
■クリスタニア大陸 王都ロックハルト近郊上空 アルフォード・ウィンザー
僕は、上空から戦況を見ている。どうやら、少しだけ劣勢のようだ。魔物の数は問題なさそうだけど、あの大きい魔物である上位種と最強種に好き勝手にされては、駆け出しの冒険者や騎士では堪ったものではない。
僕は最初に上位種を見た。甲殻芋虫が3体いる。まずは、あれから倒すかと僕は腰に下げている刃が無い柄だけの剣を取り出した。あの敵については倒し方を知っている。あれなら問題無いだろう。柄を持って、闘気を解放した。柄の部分から闘気の刃が出てくる。
「よし、行くか。」
甲殻芋虫に近づいて、剣と剣を合わせる。エリックさんと同じ要領で、甲殻芋虫を焼き切っていく。まずは1体と…これで上位種はあと6体だ。仕留めて、希望石と魔結晶を回収した。次の上位種を確認する。少し遠いな。僕は飛翔して敵に向かっていくと、騎士たちの陣があった。そして、念波で話をしてくる。仕方がない、一度、陣に寄るか。
■クリスタニア大陸 王都ロックハルト近郊 ビクター・アクセル将軍
凄いな。得体の知れない若者が戦場に降り立つとアッという間に上位種である甲殻芋虫を屠った。そして、次の獲物に向かっていく。私は咄嗟に彼に念波で話しかけた。そうすると、彼は、次の敵に向かっていた進路を少し変えて、我々の陣に向かってくる。そして、私は彼に話しかけた。
「君は、ロックハルトの者ではあるまい。冒険者か…」
『私は、クリスタニアの町から来ているものです。』
「ほう。そなたが、クリスタニアを守った英雄殿ですか。」
『英雄?英雄何てとんでもありませんよ。私はアルフォード・ウィンザーと言います。王都が襲われそうだと伺いましたので、宰相の了解を得て戦いに来ました。』
「そうか。それで、上位種を倒してくれたという事ですか。」
『はい。戦況を見て、危ない所は何処ですか。指揮下には入りませんが、援護はします。』
「分かった。劣勢なのは、第6と第2第3の混成部隊の場所が劣勢だ。ここからであれば、2時の方角になる。」
『変わりました。第6及び第2第3の騎士団には連絡が取れますか。』
「取れるが…」
『それでは、大きいのをお見舞いします。技を放ったら、その技より300mは退いて下さい。』
「承知した。急いで連絡させる。砲撃までの時間はどの位後になりますか?」
『では、10分後に魔物に放ちますので…』
「承知した。」
■クリスタニア大陸 王都ロックハルト近郊上空 アルフォード・ウィンザー
僕は、天に拳を掲げた。僕を青白い光が包むと、そこに大きい菱形のクリスタルが現れた。それを放つ方向に向ける。エリシオさんの必殺技は凄く便利な技だ。波動砲としての利用もそうだが、放つところを増やせば、粒子を拡散させて放つ事が出来る。上空で、バトルカウンターを見た。クリスタルファングが出せる時間は1時間10分と表示されている。更に、クリスタルファングを展開すると、バトルカウンターが出せる時間を減らしてくれた。
もう、10分は経っただろう。僕は、ホーリーをクリスタルの中に圧縮して入れると、光圧縮粒子が放たれた。
「いくぞ、パーティクルプリズム…」
巨大な波動が、魔物に向かって飛んでいった。そして、その技を受けた場所の魔物はあっという間に蒸発するように消えた。その一帯には2千ちかい中級の魔物がいたはずだ。これで、少しは有利に戦いが出来るだろう。そして、僕はビクター将軍と話をすべく、陣に戻った。
■クリスタニア大陸 王都ロックハルト近郊 ビクター・アクセル将軍
ほう。凄すぎるなあの技は…魔物が2千近くも消滅している。これで、戦況は変わるだろう。そして、再び、彼が陣に戻ってきた。
「ありがとう。これで、第6及び第2第3の混成部隊が戦っている場所は楽になると思います。」
『そうだと良いですが…私は次の獲物を倒しに行きます。他にすべき事があれば、参考までにお聞かせ下さい。』
「そうですね、次の獲物も上位種ですか。」
『そうですね。あと、2体の甲殻芋虫を倒す予定でいます。倒し方が分かる敵の方が確実ですから…』
「なる程、それでは、その部隊に当たっている者に連絡をします。その2体を倒したら、再びこの陣に戻って頂く訳には行きませんか。」
『分かりました。戻ってきます。』
■クリスタニア大陸 王都ロックハルト近郊上空 アルフォード・ウィンザー
上空から上位種である甲殻芋虫の位置を確認する。あそこの方が劣勢だな…再び、闘気剣で芋虫を焼き切る。後、1体…僕は飛翔魔法でもう1体の場所まで飛んでいき、同じように甲殻芋虫を仕留めた。これで良しと…再び上空で戦況の確認を行った。だいぶ、戦況は改善されたようだ。
そして、僕は三度、ビクター将軍の傍に行った。将軍からは、これで盛り返せるとの答えが返ってきた。それでは、僕は一旦王都に戻りますと伝えると分かったと返事が帰って来た。




