第068話 王都ロックハルトへ
■クリスタニア大陸 クリスタニア 行政府 アルフォード・ウィンザー
僕は、リンツ参事官に会って、王都ロックハルトに行く事を告げた。参事官もそれに胸を撫で下ろしたのだろう、笑顔になっていた。
『それで、僕は何時頃にロックハルトに行けば良いのでしょう。それと、同行者がいます。学園の先輩で、マリー・シャロンさんも一緒に行くことになりますが、問題ありませんか?』
「特に問題はない。王都へは、長距離移動を使います。何時頃に行くかについては、王都に確認しますので、その連絡を待ってからになります。」
『分かりました。それでは、お待ちしております。』
「分かりました。」
それから、1週間後に返事が返ってきた。ロックハルトには、3月22日に行く事になった。学園も春休みになるという事だ。僕は、魔人騒動の影響で、夏休みも、冬休みも修行に明け暮れていた。だから、休みがある事を知らなかった。
■クリスタニア大陸 クリスタニア 武器屋 アルフォード・ウィンザー
王都に行くことになって、僕は魔法剣以外の武器を新調すべく、武器屋に来ている。店主さんに僕の武器をオーダーで作って貰う事にした。店主にイメージを伝える。そうすると分かったと言われた。料金は手間賃込みで500Gと言われた。僕の新しい武器は、エリックさんが使っている柄だけの剣だ。闘気を込めると刃を形成する。何といっても、技を知っているという点で使いやすいし、町の中で刃物を持って歩くというのも何だか無粋だと思った。
この柄だけの武器の制作に1週間かかった。今日は、それを受け取って帰る。明後日にはロックハルトに向けて出発する。まあ、移動は魔法なのだが…
■クリスタニア大陸 クリスタニア 行政府 リンツ・ジョーゼフ参事官
それでは、旅経ちますぞ。僕とマリーさんは、参事官の腕を取って王都ロックハルトに転移した。
■クリスタニア大陸 王都ロックハルト 行政府 アルフォード・ウィンザー
旅と言っても、ほんの一瞬でついた。情緒ってものが無い。本当に王都に来たのだろうか?
「着きました。国王陛下との面談には手続きが必要です。しばらくは王都に逗留して貰う事になります。その間は、行政府の要人が寝泊まりする施設をお使い下さい。」
分かりましたと言おうとした時に、マリーさんが、私の実家に泊まって貰うから心配しないでと言われた。
『えぇ…ご迷惑ではないでしょうか?』
「遠慮はしないのアルフォード君。」
『分かりました。』
「町は私が案内してあげるわ。」
やれやれ…マリーさんには敵わないや…いきなり何だもの。そういえば、僕はリーファを気絶させている。その事を思うと何だか急に落ち着かない自分がいた。
■クリスタニア大陸 王都ロックハルト シャロン家 アルフォード・ウィンザー
「此処が、家よ。」
僕は、屋敷の門の前にいる。凄い家が建っている。もしかして、マリーさんは金持ちのご令嬢なの。頭脳明晰で容姿端麗、その上に金持ちなのか。前に僕の事を羨ましいと言っていたような気がするが、マリーさんの方が羨ましいよ。
庭を通って、家の前に来た。この屋敷には執事やお手伝いの女性がいる。玄関を入ると綺麗な大人の女性がいた。マリーさんのお母さんなのだろうと見当がつく。
「初めまして、何時もマリーがお世話になっております。私は、マリーの母親で、マリア・シャロンと言います。」
『初めまして、この度はお世話になります。私はアルフォード・ウィンザーと言います。こちらこそよろしくお願いします。』
「さあ、上がって下さい。」
『ありがとうございます。』
「お母様、お父様は…」
「お父様は仕事よ。」
「そう、分かった。」
こうして、僕はマリーさんの実家で御厄介になる事になった。そして、僕は客間に通され、部屋の中で寛いでいると部屋がノックされた。
『どうぞ…』
「アルフォード君。町を案内するわ。外に出れる。」
『分かりました。』
■クリスタニア大陸 王都ロックハルト 商業ブロック アルフォード・ウィンザー
流石に王都という事もあって人が多い。更に、町に活気がある。これは、良い政をしているのだろうと思った。でも、どの町にも貧富の差は存在する。この商業ブロックだけで判断は出来ないか。商業ブロックを歩いていると、何やら道場みたいな看板がある。
『マリーさん、あの看板は何ですか。』
「あれは、道場よ。冒険者が鍛えるためのものよ。闘気を練るのには習練が必要でしょ。そして、各道場で教える流派が異なるの。防御に強い流派や攻撃に特化した流派もあるわ。」
『そうですか。興味がある。覗こうかなぁ。』
「やめた方が良いわ。今のアルフォード君には、多分だけど必要が無いレベルのものしか教えていないわ。」
『そうですか。』
そうすると町の中が騒がしくなっている。誰かが絡まれているようだ…
「助けましょうよ…」
『マリーさん、その必要は無いと思います。』
「どうして…」
『あの人、相当強いと思います。助けるまでもありませんよ。』
そして、現場を傍観していると、年季の入ったおじさんは、気功を使った技を見せた。軽く相手に入れた掌底で、相手を軽く吹き飛ばしている。僕は、その人に向けて殺気を出した。そうすると彼は急に周りを警戒し出した。
『やはり、達人ですね…』
「どうして、分かったの…」
『簡単ですよ。まず、絡まれているのに、あの人は落ち着いていました。そして、呼吸に乱れが無い。体の使い方も非常にバランスが良いです。』
「私とは、感じる所や見る所が違うみたいね。」
『マリーさんも闘気や気配が使えるようになれば分かるようになりますよ。』
「まだまだ先ね。」
『焦る必要はありません。目標を持ってコツコツやるしかありませんから…』
それにしても、興味が湧く人だ。こうして、僕は、マリーさんに町を一通り案内をして貰って、マリーさんの実家に帰った。




