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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第6章 新たなる戦いの序曲
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第065話 反省会の思惑

■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 冒険者選考①~⑤講義室 アルフォード・ウィンザー 


 魔人戦の後は、僕にアドバイスを求めてくる人がかなり増えた。僕が出来る限りの知識は教えてあげている。僕としては、力を急いでつける事は、基本的に反対した。そして、戦闘に必要な魔法、闘気の練習は勧めた。あって損の無い能力だからだ。基本的に、自分の命に係わる事なので、何時でも逃げられるように転移を覚えたりする事を勧める。確かに、強力な攻撃は必要だと思う。でも、相手に勝てなければ、逃げてもいいはずだ。町の防衛戦ではそのような事は言えないが、通常の戦闘では大いに役立つ。そして、戦いにおいて必要な能力はスピードだと思う。前回の戦いで、戦闘能力はあまり気にしない方が良いと言うのが僕の印象だ。


 魔人VS白狼戦士団との戦闘を見る限り、圧倒的に戦闘能力が離れていなければ対処が出来るからだ。でも、スピードが追いつかない場合は危険だと思う。人間と魔人で身体能力は魔人の方が優れている。我々が何発か当てないといけないのに対して、相手の攻撃は1発で相当なダメージをこちらの体に刻む。そういう事を考えると、スピードが無いと、相手の攻撃を真面に喰らってしまう。何より、逃げるのにもやはりスピードが必要だからだ。


 そして、アドバイスは、1学年のみではない。この前の戦闘を見た先輩方も僕に意見を求めてくる。基本的な討伐について聞かれた。僕はチーム・マリーさんの指導した経験を生かしてアドバイスをしている。そして、なぜ私に聞くかというとチーム・マリーの成長が著しいからだ。僕は、彼女たちに実際は何もしていないが、森熊の時のアドバイスをしてから彼女たちも試行錯誤を重ねているのだろう随分と上達している。僕は最初の討伐で2チームに戦闘能力を基準として編隊した。今となればこの方法はあまり良いとは言えない。出来るだけ、多くの属性を使えるようにし、敵の耐性を把握する事や耐性があれば違う魔法が出来るように組み合わせを考えなければならない。そして、連携を深めていく事が大事だと思う。


 そして、チーム・マリーが優れている所は、同じ過ちを繰り返さないように色々と検討されている事だ。指揮をしているマリーさんは、下の意見も良く聞いているのだろうと予測がつく。これは簡単なようで簡単な事ではない。自分の意見を譲るのは、その本人の度量が有るか無いかだ。その辺は分かっていても簡単に人に譲れないのが人間というものだろう。更に、それが原因で失敗した時に、人の性格は顕著に現れる。自分自身のミスを認める事は難しいのだ…


■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 3年 第2チーム会議室 マリー・シャロン


 私たちはもうすぐ4年に進級する。今年はあっという間に過ぎていった。でも、学生としてはいろいろな経験をした年でもある。私のチームは脱落者も無く、皆が4年生になる事が出来た。今日は、早いけれど皆で反省会を行う予定だ。勿論、指導員であるアルフォード君も呼んでいる。そして、食べ物を各自で用意する事になっている。その全てが手作りでなければいけないルールになっていた。


 第2チーム会議室にたくさんの料理が運ばれてくる。ちなみに私はカレーを作った。サラ・ミラの両人は以外に料理が得意なようで、シチューとローストチキンを持ってきた。ウソ…これ手作りなの…私は料理が得意ではない。だから無難にカレーを作った。


 このチームには男がいない。理由は、2年生になると討伐が出来るようになる。そうなると、1年生では成績順だったチームは解体され、再編成されるのだ。そこで、男女比のバランスを取るチームと偏った編成になるチームが現れる。それでも、チーム長の職は重要な位置づけだ。これを自ら進んで辞退する事は余りない。卒業してからの待遇が違うからだ。でも、人間には色々な考え方を持つ者もいる。我々は、学園だけの関係で終わる者と長く活動するのは不利なのだ。卒業後の事を考えて、冒険者として活動する者を選んだり、家を栄えさせるために有能な冒険者を抑える事は必要なのだ。特に女系のみの家は…


 この世界は、何も冒険者と騎士団のみで構成されている訳ではない。政治の世界がある。つまりは特権階級だ。王族があり、武官・文官がある。武官は、戦うものを専門とする者だ。この町では騎士団長が武官の頂点であるが、王都では、騎士団長の上に将軍がいる。文官は、生活を安定させるために法律などを定めたり、それに違反した者を罰したりする。この町では参事官が1番偉い。王都にいくと宰相がいる。その下に各部門の専門官がいて、その補佐に参事官がいる。


 ちなみに、我がシャロン家は、女系しかいないため、有能な男子を養子に貰うか、私かリーファが次の当主にならなければならない。そこで、馬鹿にされないように力をつけなければならない。いざという時に民を守る事が出来ない者に、誰もついてこないからだ。


 そう、私たちは後1年で卒業する。冒険者になる訳では無い。家を継ぐために強くなければならないし、信頼ある者を守る力が必要なのだ。卒業して、直に家を継ぐ訳では無いから当面は冒険者になって、活動するのだが…今回の反省会で私たちは、アルフォード君に目を付けた。あれだけ、強くて、優しい彼ならば問題ない。いえ、問題は全て片付いてしまうと言っても過言ではない。そういう意味でも彼との交友関係が結べればいう事はないのだ。そういう意味ではこのチーム全員がライバルでもある。

 ちなみにシャロン家は、王都で宰相をしている。だから私たちは冒険者課程を選だ。騎士課程は文官では無く武官の取り巻きが多いからだ。

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