第064話 調査依頼
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 アルフォード・ウィンザー
よし、出来た。僕は、先日話した魔人に関する報告書を書き終わった。後は、冒険者ギルドに提出するだけだ。早速、冒険者ギルドに提出にし行く事にした。ギルドには、他に依頼する事もある。僕のユーレリア大陸の軌跡だ。そして、グレース先生に確認したい事がある。
■クリスタニア大陸 クリスタニア 冒険者ギルド 支部長室 アルフォード・ウィンザー
僕は、冒険者ギルドのアラルコン支部長に面会を求めた。そして、支部長のいる部屋に案内された。案内者がドアをノックする。コンコン…
「どうぞ。」
「失礼します。アルフォード・ウィンザー様をお連れ致しました。」
「ご苦労。」
『お約束しておりました。魔人に関する戦闘詳報を持参しました。』
「それは助かる。このデータを各支部に渡そうと思う。良いか…」
『問題ありません。』
「それと、討伐した魔人には報酬が出ている。受け取られよ。1体につき、10,000,000Gだ。2体倒しているので、20,000,000Gになる。」
『ですが、白狼戦士団も戦っています。』
「それは問題ない。この魔人の核クリスタルと交換という条件だ。1個は既に我々が管理している。もう1個は君が管理しているな。」
『はい。』
「あれを我々に貰いたい。勿論、それに見合う報酬と希望石を渡す。」
『あれを何に利用するのです。』
「研究じゃよ。」
『研究…?』
「ああ…魔人の謎の解明。対魔人に必要な事なのじゃ…」
『支部長は、何かを知っているのですね…』
「ある程度はの…我々も知る存在に近いじゃろう。」
『…?』
僕の師匠であるエリシオ・ガドーさんと同じ事を言っている。僕は最初に気付かなかった。でも、支部長と話してある程度の目星はついた。
『もしかして…』
「そうじゃ。魔人の強さは、冒険者と同じだと思っておる。」
『やはり、そうですか。』
僕は、冒険者登録の時に言われた言葉を思い出した。もう人とは言えない…その時は、強く生きるために冒険者になる事は間違えてはいないと思った。僕は、そう言われて冒険者の登録をした事を…
「まだ、我々も魔人を研究しているところだ。全てを理解した訳ではない。」
『人間が関係しているのですね。』
「人間…?どういう事じゃ。」
『私も、具体的に分かりません。ただ、何となくそう思ったのです。』
僕は、咄嗟に弁明した。もしかしたら…
「そうか。して、用件というのは…」
『僕の過去を調べてほしいのです。些細な事でも構いません。何か情報があれば…』
「そうか。たしか、ユーレリア大陸だったな。」
『はい。でも、転移先がユーレリア大陸だっただけかもしれません。』
「…?どういう事じゃ。」
『私は、町に住んでいた訳ではありません。山間の一軒家に住んでいました。何者かに襲われて…そして、兄と私は転移で送られたのです。そこがユーレリアの戦場付近の町でエリオットという町でした。』
「そうか。分かった。ギルドには研究者と調査員がいる。この件は内々に調べるとしよう。」
『ありがとうございます。』
■クリスタニア大陸 クリスタニア 行政府 リンツ・ジョーゼフ参事官
私は、この件について、クリスタニアの首都であるロックハルトに事の顛末を報告している。派遣された戦士団の力量や町の攻防で得た情報などを報告した。更に、記憶を無くした冒険者の活躍を綴った。白狼戦士団は、ローランズを経由して、ロックハルトに帰る旨も併せて報告した。この大陸にはこれまで3体の魔人がいたが、これで1体になっている。当分は安泰だろうと思いたい。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 医務室 アルフォード・ウィンザー
「もう、体調も完全復調ね…」
『はい。グレース先生ありがとうございました。』
「何を言ってるのよ。お礼を言わなければならないのは私たちの方よ。」
『今日は、グレース先生に相談があります。』
「何かあるの。」
『先生はご存知ですか。特殊能力というのは持って生まれたものだと思ったのですが、後から開花する事があるのでしょうか?』
「…特殊能力の殆どは、持って生まれたものよ。後から覚えるのは闘気解放くらいよ。あなたの持っているラーニングは持って生まれたものよ。多分だけど…」
『そうですか。僕は5歳の時に冒険者登録をした時に、インテリジェンスカードを見たのですが、ラーニングは持っていませんでした。』
「そうなの。私にも分からないわ。でも、イーグル・スピリットには、何か秘伝の技があっても不思議ではない。彼らは、いろんな技を編み出したのは間違いない事実よ。この世界では有名な話なのよ。」
『そうですか。先生でも分かりませんか。』
「えぇ。もし、後から特殊能力が得られれば、冒険者も楽よね。どんな方法か分かるものなら知りたいわ。」
特殊能力は、後から覚える事が出来るものがあるという事は、最初から持っていない場合もあるか。多くの謎が有り過ぎる。冒険者ギルドにも調査を依頼している。あまり、考え過ぎるのも良くないか。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 アルフォード・ウィンザー
あれから僕は毎日のように町の復興を手伝っている。瓦礫を闘気などで除去したり、大きいものは魔法剣で切って運びやすい形にカットしたりしていた。ここで、多くの人たちが不安な気持ちであった事が分かった。そして、町の人たちと僕は知り合った。それから、食事などの差入れもあったし、この町のレストランなどで食事する機会も増えた。僕は、その度に料理をラーニングで覚える事になった。それから1カ月が経ち、町はようやく元の形まで復興した。後は、犠牲者の家族の心が癒されるか。そして、連続して町が襲われた事がこの町にどんな影響があるのだろう…




