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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第6章 新たなる戦いの序曲
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第063話 戦闘詳報

■クリスタニア大陸 クリスタニア 行政府 アルフォード・ウィンザー


 支部長からの報告書を書く事になったが、僕はその事をここで話す事にした。そして、報告書は後日にその事を纏めるつもりだ。

 魔人には、通常、最終形態、暴走状態の3種類があると思われる。これ以上の事もあるかもしれないが、前回の戦いではこの3つの状態が確認された。そして、魔人には灰色のコアとなるクリスタルが存在する。これに耐性のある魔法を受ける事で、暴走状態を作り出す事が確認された。通常状態を1とした場合、最終形態で1.5倍になった。更に暴走状態では約2倍になっていたと説明した。そうすると白狼ホワイトウルフ戦士団から質問があった。


「アルフォード君、劣勢だった君が戦いの中で有利に運ぶ切っ掛けを教えてほしい。その時は超越者ではなかった。それなのに通常攻撃がかなりのダメージを与えていた。それには、我々も驚いたよ。今までの戦い方とすれば、魔法か闘気でダメージを蓄積させつつ、クリスタルファングで大ダメージを与える事が対魔人戦での定石だった。君の戦いは、その概念を変えるものだったからね。」


『私は、ローランズという町で知り合った人から聞いた事を試したのです。私が使った剣術ですが、閃戒空流という技です。ゼクス・ウィンザーもこの流派の技を使っていました。その使い手である方がローランズにいたのですが、その人は通常攻撃でダメージを与えたというのです。私は、その時に超越者ではなかった。ダメージを与えられる方法を幾つか使える必要があったのです。そして、魔人に対して、通常攻撃をした時に僕は見たのです。魔人と僕の剣との間にあったのは、闇の闘気を圧縮して身を守っていた姿でした。つまりは、我々も光又は闇を纏えば魔人並みの防御力を発揮すると考えました。』


「なるほど…それから君は、光属性の闘気を纏って戦ったという訳か。」


『はい。更に、通常攻撃時にも、光属性と闇属性は有効と考えます。私は、光属性も闇属性も使えましたので、光属性を使いました。更に、魔人も僕に向かって言いました。超越者だけでは足りないと…』


「そんな事が…」


『更に、光属性の魔法を使う事でクリスタルファングを強化する事が出来ます。私が使ったのは、ライトニングブレイクという技ですが、剣に雷属性を帯電した状況で、クリスタルファングと融合し、更にホーリーで刃の部分を強化して出す技です。ゼクス・ウィンザーの必殺技の一つだという事ですが、彼は魔人に大ダメージを与える方法として、光属性を使ったと思います。』


「光と闇属性か…この属性を使える人は冒険者の中では希少な存在だ。100人に1人という属性…」


『それだけとは限りません。記憶のはざまでは、必殺技で一撃で倒すという事が一流の仕事であると僕は師匠から教わりました。』


「師匠…?」


 理事長は、不思議な顔をしている。


『僕の師匠はイーグル・スピリット戦士団のメインガードのエリシオ・ガドーさんでした。』


「そうだったの…」


『はい。私が分かるのは此処までですね。』


 そうすると、ここに居た人は参考になったと言った。


■クリスタニア大陸 クリスタニア 行政府 白狼ホワイトウルフ戦士団 ウィリアム・バーゼル戦士団長


「アルフォード君、今回の事はいろいろ勉強になったよ。仲間を失つた事は大きいけど、何かあったら相談してくれ…これからも我々は努力して、君の後を追いかけるつもりだ。」


 そう言って、ウィリアムさんたちは僕に握手を求めてきた。3人と握手する。そうするとウィリアムさんから頼まれた。


「僕たちの足らないものは、前回である程度分かった。そして、君の剣術を教わりたいのだが教えてくれるかい。」


『すいません。僕には教えるだけの技量がありません。僕はラーニングで覚えているだけなのです。具体的な方法は難しいと思います。闘気のコントロールが出来れば問題ないと思うのですが…そうだ…ローランズにこの剣技を使える人がいます。その人に修行して貰えば…』


「なるほど…ローランズか…修行の一環として行ってみるかな。なんて人を尋ねればいいのかな。」


『ローランズで、清流の森を案内人しているアルタイド・ベルトさんを訪ねて下さい。きっと良い経験になると思います。』


「分かった。僕らは、これから町を旅立つよ。本当にありがとう。」


『こちらも、大変お世話になりました。』


■クリスタニア大陸 クリスタニア 行政府 アルフォード・ウィンザー


『支部長…』


「なんじゃ…改まって。」


『自分の事ですが、冒険者ギルドに調査をしてほしい案件がありまして…受けて貰えるでしょうか。』


「ああ…お前さんは命の恩人でもある。袖のした無で受けてやるわい。して、どんな話かの…」


『はい。僕のユーレリア大陸の軌跡です。僕はどうしても過去を知りたい。それに気になる事があるのです。』


「気になる事…何じゃ…」


『改めて、冒険者ギルドに伺います。その時に…』


「分かった…」


 こうして、僕は冒険者ギルドに自分の調査を依頼する事になった。

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