第061話 迷い
予定を変更しました。今日から更新します。ストックはあと10話程度なので、その後が心配です。
誤字等があれば、連絡を頂ければ幸いです。この頃、評価して頂ける人がいてうれしいです。評価の方もよろしくお願いします。
お気に入りの登録が9人になりました。アクセスは1万を突破しました。ありがとうございます。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 冒険者選考①~⑤講義室 アルフォード・ウィンザー
あの魔人を討伐して、1週間が経った。僕の体の調子も良くなったので、今日から講義に参加している。教室に入るなり、多くの生徒から挨拶を言われた。
『おはようございます。』
僕は、普段通りに自分の席に座った。アイオロス教官が入ってくる。体は大丈夫かと言われた。
『ようやく本調子になったので、今日からお世話になります。』
「そうか。理事長にも報告してほしい。用事があると言っていたぞ…」
『分かりました。』
学生は、今は町の復興を手伝っているようで、授業の講義は行われていない。朝の点呼が終わると各チームに別れて行動する事になっていた。皆がそれぞれのチームに合流するために、移動している。部屋は空になるかと思ったが、第1・2・5のチームが部屋に残った。正直な話、このチームとは特に良好な関係を気付けていない。僕は居ずらいので、退出しようと部屋を出ようとした時に、リーファ、ローザ、ナディアから声を掛けられた。
話の内容は、基本的に謝罪だった。痕跡を残した事による影響を謝罪している。
『…』
僕は返事をしなかった。この人たちの過ちは痕跡を残した事もそうだが、私との約束を破った事にある。その事を謝っていない。それに、彼女たちは、自分より弱い存在の事を理解していない。常に自分中心に行動をしている。それは極めて危険な事だ。僕は、彼女たちを見た。彼女たちは目を逸らした。
『反省としては、半分です。後は貴方たちで考えて下さい。』
僕はあえて突き放したような言い方をした。全員が罰の悪い顔をしている。こうして、僕はこの部屋から退出した。ここで簡単に済ます事は今後の活動に支障があると思ったからだ。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 理事長室 アルフォード・ウィンザー
理事長室に入ると、フレイヤさんは僕に語りかけてくる。
「調子はどう…」
『理事長とグレース先生の看病のおかげで、随分と回復しました。もう、問題ありません。用事が有るというので、伺いましたが、何かありましたか。』
「用事があるのは、私ではないの冒険者ギルドの支部長と行政府の参事官があなたに会って聞きたい事があるみたい。それとお礼だと思うわ。明日にでも、私と一緒に行政府に行って貰いたいのよ。」
『分かりました。』
僕は、理事長室を出て、屋上に向かった。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 屋上 アルフォード・ウィンザー
僕は、クリスタルの記憶の中の出来事について考えていた。多くの謎。そして、出会いと別れがあった。あの後、僕はどうなったのだろうか。特殊能力は何時頃から使えるようになったのか。師匠の言葉で気になる事を言っていたことを思い出した。魔人との似た存在がいるということだが…魔人の存在…彼らは何処から来たのか。それとも本当に自然に生まれたのだろうか…
それと人間と伴にいた魔人は、人間に命令を受けていた。そして、その者と母親は面識があった。僕は、これからどうすれば良いのだろうか。このまま学生を続けるのか。旅立った方が良いのか…
自分の記憶を探すならやはりユーレリア大陸で調査をした方が良いと思う。
『ハァ…』
「ため息は、幸せを逃がすわよ…」
『?…マリーさん…』
「どうしたの、こんなの所で…」
『少し、考え事をしていました。』
「考え事…?そうだ…これから皆で集まるからアルフォード君もいらっしゃい。」
『え…如何しようかな…』
「来なさいよ。これは先輩のめ・い・れ・い!」
『分かりました。』
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 3年 第2チーム会議室 マリー・シャロン
3年生の第2チームはマリーさんをはじめ、ミラさん、サラさんも僕の事を歓迎してくれた。僕は、この人たちを守って良かったと素直に思える。
「この前の戦いだけど、私たちは、あなたに感謝しているわ。ここで、こうしていられる事は全て、アルフォード君のお蔭よ。チームを代表してお礼をいいます。ありがとう。」
『どう致しまして。もう気にしないにしましょう。当面の危機は去ったのです。』
「分かりました。それにしても、戦いの中で、超越者になれたのね。」
『はい。戦う前は超越者になれなかったのですが、クリスタルの声が聞こえて、あの黒い鳳凰に飛び込んだ時に吹き飛んで、意識が混濁したのでしょうね。そうしたら、クリスタルの声が聞こえたのです。必死になっていたのでしょうね。僕は無意識の中でクリスタルに願ったのです。』
「あの時は…どう考えて行動をしたの…」
『分かりません。気が付いたら飛び込んでいたのです。でも、その理由は少し分かりました。』
「少し分かった?」
『あの魔人の自爆に巻き込まれて、僕は記憶を少しだけ垣間見えたのです。その時に…少し…』
「そう。それで記憶は戻ったの…」
『いいえ…4歳から8歳までの記憶は見えました。』
「それで、その理由は…」
『…まだ、自分の中で整理がついていません。すいません。』
「ううん。言いたくない事はみんな大なり小なり有るものよ。でも、記憶を垣間見えた事は良かったじゃない。」
『…』
僕の沈黙で、それが良い状況で無い事を理解したのだろう。この話はこれで切り上がった。
「妹とローザちゃん、ナディアちゃんの事は許せないの…」
『僕は、もともと彼女たちを攻めている積りは有りません。許す、許さないという問題ではありませんから…』
「そう…」
『ええ…後は、彼女たちの行動に掛かっていると思います。彼女たちが謝罪するのは僕にではない筈です。』
「分かるわ…あなたの言っている意味は…でも、彼女たちとすれば、事態を収拾してくれたあなたに謝罪して許して貰いたいのよ…」
「…彼女たちは、僕の助言など必要としていません。私との約束を反故にするのは彼女たちの勝手です。しかし、彼女たちの過ちは謝罪で済む話ではない。彼女たちが責任を持って対応する事が必要だと思います。これは、彼女たちのこれからの問題でもある。後は、彼女たちがどう理解するかだと思います。」
「そうね…分かったわ。」
それからマリーさんとは、他愛のない事を話して解散した。




