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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第5章 クリスタルの記憶―幼少編―
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第058話 記憶の間(その8:目指すもの)

■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(8歳)


 あれから3年の月日が流れた。僕はエリシオさん、エリックさんと修行の日々を送っている。僕はレベル26になった。冒険者ギルドの依頼も熟している。今はE+までなった。エリシオさんの話では僕はスジが良いらしい。本当だろうか。


 エリシオさんから今日から戦士団として活動するという話があった。メインアタッカーはエリック・ガドー(Aランク)、メインガードはエリシオ・ガドー(Sランク)、サブアタッカーは、ガレオン・ジャスパー(A―ランク)、僕が予備役(E+ランク)となっている。僕には戦闘スタイルを学んでほしいとの事だ。戦力として期待している訳では無い。魔人との戦闘には慣れが必要という事だった。


 サブアタッカーのガレオンさんは、エリックさんと良く一緒に行動している冒険者で、イーグル・スピリット戦士団にいた作戦参謀のアレックス・ジャスパーさんの息子だそうだ。如何にも狙撃手スナイパーという感じの人だ。孤高でいて、寂しがり屋に思えるのは気のせいだろうか。


 そして、僕は魔人について、エリシオさんに話を聞いた。


『魔人とは何者なのでしょう。』


「魔人は、戦闘に特化した生物である。誕生については不明であるが、今から190年前の地殻変動による事が起因して起こった突然変異という説がある。謎が多いのは事実だよ。でも、我々は違う考えを持っている。少なくとも自然現象で誕生した者ではないと確信しておる。いや、疑惑が確信に変わる段階と言った方が正解か…」


『どうして、そう思うのですか。』


「どうしてか。儂も総てを知っているわけでは無い。だが、同じ者がおるだろう。」


『同じもの。』


 同じものとはなんなのだろうか?


「今は知らなくてもいい。要らない知識が入れは邪念になる。我々もその答えに迫っている所だ。今は、魔人の倒し方を覚えるのだ。」


『魔人の倒し方ですか。』


「そうだ。それは経験していかなくては分からない事だ。そして、魔人の倒し方にはいろいろあるが、簡単に倒す事が肝心なのだ。」


『簡単にですか?』


 あれを簡単に倒す?どうすれば良いのだろうか?強くなるという事なのか?


「何、見ておれば分かる。我々の戦いをな。」


 それから1週間がたった。今日はいい天気だ。我々、イーグル・スピリット・Ⅱ(セカンド)の結成日には丁度よかろう。結成記念に魔人を狩りにいくとするぞ。


 僕は、修行の中で一通りの事が出来る様になっていた。念波、飛翔魔法、攻撃魔法は火、水、雷、光、闇だ。補助魔法もある程度は出来る。そして、修行の中で、相手の気配を感じる事や気配を消し去る事を覚えた。最後の二つは2年くらいかかって覚えた。今日のエリシオさんの狩りには、見届人として参加するのは言うまでもない。僕では戦う以前の問題なのだから…


 森までは飛翔魔法で飛んでいき、それから探索する。辺りを警戒する事、2時間ようやく魔人を発見した。そうするとエリシオさんが僕に念波で話かけてくる。


「いたぞ。まずは通常の戦いをするから隠れて見ておれ。」


『はい。』


 魔人は、人間の体に牛の顔がある。良く見ると腕には2つのクリスタルがあった。


「2つ持ちか。低位種だの。」


 それに、エリックさんとガレオンさんが頷く。そろそろ行くぞい。


 その言葉を受けて、3人が魔法を順番に放っていく。エリックさんは水を属性を放つ、躱す素振りも見せない。そして、火属性は大きく躱した。雷属性も大きく躱す。


「水は耐性ありだか。次は火と雷でいくぞ。」


そうすると、ガレオンさんが拳を天に掲げた。そうするとガンナーを創造した。そして、魔人に向けてガンナーから火属性が敵に向かっていく。僕はこの魔人が倒される1時間の間、陰から見ているだけだった。


「ふぅ。ようやく終わったか。ちと疲れたわい。」


 エリシオさんがそう言った。


「これが通常の戦いだ。属性を見定め、ダメージを蓄積させる。そして最後に必殺技で止めを刺す。この戦い方は通常時の戦い方だ。相手の行動を見たか。」


「はい。ダメージをある程度受けると、敵の姿が変わりました。」


「そうだ。あれが魔人の最終段階。この他にも、属性を考えないとクリスタルを暴走させてとんでも無い事になる。それは愚か者の仕事だ。一流になれば、瞬殺するか、普通に倒すかだ。暴走を引き起こすのは三流よ。お前は三流になるなよ。」


『はい』


 そうして、再び魔人を探した。そして、今度の魔人は瞬殺された。瞬殺したのは、エリシオさんだった。僕は先程の通常戦闘の時にエリシオさんはクリスタルウォールという技で、敵の攻撃を無効化していた。守りの要としての仕事に徹していたので、今回の攻撃には圧倒された。菱型のクリスタルを形成した後に、ホーリーをクリスタルの中に圧縮して入れると、光圧縮こうあっしゅく粒子ビームが放たれた。そして、魔人の体を半分以上溶かした。これが儂の必殺技だ。名をパーティクルプリズムとエリシオさんは言った。


 一流は相手に気付かれないように倒すものだよとエリシオさんは言った。僕は尊敬の眼差しでこの戦士団を見ていた。僕も多くの事を学ばなければならない。そして、この人たちこそが、僕が欲しかったものを持っている。この人たちを目指そう。それからの僕は、エリシオさんの事を師匠と呼ぶようになった。僕は希望に胸が膨らんだ。こんな気持ちになったのは生まれて初めてだった。


■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(15歳)


 僕はエリシオさんの言葉が胸に刺さった。忠告をされたいたのに、三流の仕事をした僕は本当に情けない。でも、このイーグル・スピリット・Ⅱ(セカンド)の戦いは参考になる。僕の胸が光った。ラーニングだ…


「坊や…。あたなの守りたい者に、危険が迫っている。魔人がこの町に向かってきている。これ以上の話は今度にしましょう。」


『分かりました。では、行きますか。』

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