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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第4章 クリスタニア学園-魔人ガルト激闘編―
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第049話 戦い終わって…

■クリスタニア クリスタニア学園  冒険者選考①~⑤講義室 アイオロス・グレイア主任教官


 昨日の戦いから一夜明けた。講義室のアルフォード君の席に彼は座っていない。昨日の戦いで、彼は瀕死の重傷を負っている。今は、生死の境を行き来している状況だとグレース先生から聞いた。俺のあの技が彼をあそこまで追い詰めたと思うと…魔人に勝利した事などどうでも良い事のように思えるのは生き残った者のエゴだろうか…この戦いは、市街地での戦闘を予期してはいなかった。戦いの最中に魔人が痕跡を残した者を話したところを見ると第1・2・5の合同チームが痕跡を残したとの事だ…私は彼女たちに話を聞かなければならないだろう。この後の戦いの参考になる事は冒険者ギルドに報告する事になっている。


「これからの行動について話しておく…市街地に被害が出ている事から復興を手伝う事になる。いいな…」


生徒からは「はい」と返事があった。


「皆に話しておかなければならない事がある…彼…アルフォード君だが…昨日の戦闘を見て貰えれば分かるが、凄腕の冒険者だ…ランクはB+…理事長は、彼の能力がこの学校に良い刺激になればと思って入学させた。しかし、彼は記憶を無くしていたし、それ以前に習得した技や魔法は覚えていなかった。そして、クリスタルは砕けていた状況だった…彼には、学歴は無い…5歳から何らかの事情により、ユーレリア大陸の戦場で登録されている。彼は、ここで力を取り戻したい。静かに暮らしたいとの希望によって、B+ランクである事を秘匿したいと言った。それが、君たちに不安と苛立ち…そして、嫉妬を与える事になるとは知らずに…これからの事は、お前たちで決めろ…彼を受け入れるのか…同じように無視するのか…俺からは以上だ。」


そうすると、リーファから質問があった。


「彼は…どのような状態なのでしょう…」


「危険な状況だそうだ…」


「…」


「昨日、彼はかなりの無理をしている。我々が彼を助けた事など一つもない。逆に足を引っ張った…其々が思い当たる事があるはずだ。同じ過ちを繰り返さない事が彼に報いる事になるだろう。それは、生徒だけではない。我々、教官もそうだ。彼の状況を聞きたければ、グレース先生とフレイヤ理事長に聞くことだ。今は、泊りがけで彼を看病している。」


「…」


■クリスタニア クリスタニア学園 行政府 リンツ・ジョーゼフ参事官


 町民の被害は11名。けが人7名、重症者2名、死者2名…魔人が町を襲撃した状況では、良いと言わざる負えない。声を出しては言えないが…。そして、オルガ団長率いる騎士団も被害が出ている。死者は3名だ。そして白狼ホワイトウルフ戦士団も1名の死者を出した。スリング…近距離で敵の大技である魔刻天鳳を受けた…結局はそれが致命打になっている。そして、アルフォード君の容態が気になる。スリングより打撃を受け…更に魔人の自爆に巻き込まれた…白狼ホワイトウルフ戦士団も頑張ってくれた…でも、それ以上にアルフォード君の頑張りがこの町の危機を救うことになった。頑張ってくれ…アルフォード君…


「ウィリアム殿…クリスタニアのためにご尽力してくれた事、感謝に耐えません。スリング殿は誠に残念でありました。この町で町葬をしたいと思います。」


「ええ…スリングの事をお願いします。」


他の戦士団のメンバーは沈黙していた…


「…」


「アルフォード君はどうですか。彼がいなければ全滅していた。」


「フレイヤ理事長の話では、予断を許さない状況のようです。」


「そうですか。我々も一言彼にお礼を言いたいと思って…それにしても凄いですね。彼は…一体何者なのです。」


「記憶の無い冒険者で、B+ランク…我々が把握しているのはそこまでです。戦う前は超越者では無かった。」


「そうですか…我々より、上の存在なのですね。それに彼が使っていた技は…」


「技…?どんな技を使っていたのです。」


「色々使っていましたよ…光を纏ったり、そして、我々の世代では憧れた戦士団の技を使っていました。イーグル・スピリット戦士団の技です。」


「そ…それは誠ですか…至宝と呼ばれた戦士団…その血脈が…」


「それ以外も魔人の技を使っていました。相手の技と技をぶつけて相殺するという高度な技術も持っていましたね。そのおかげで、生徒も我々も技の威力を受けないで済んだと言っても過言ではないでしょう。神経も相当使った筈です。」


「そうですか。彼は、この戦いの前に力になれない事を嘆いていました。それから4カ月で修業して、ここまでの力を付けていましたか。」


「4カ月で…元々の下地があったにせよ。羨ましい存在ですね。」


「そうですね。」


「参事官…我々は、この怪我が治ったら旅立ちます。我々にとって、この町は苦い経験の町になりました。そして、掛替えの無い仲間を失った地でもある。復興は、この町の人たちでお願いしたい。」


「分かりました。私の力が及ぶ限りは、貴方の仲間を弔っていきます。」


「お願いします。」

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