第048話 共鳴…そして…
■クリスタニア クリスタニア学園 体育館 アルフォード・ウィンザー
『うぅ…』
「大丈夫…大丈夫…」
誰かが僕を揺すっている…誰だろうか…温かい…僕は意識の混濁する中にいた…僕はどうしたのだろう…僕は負けたのか…ごめん…僕の日記には決意があった…今日の僕は迷っていた…撤退すれば良いと…それが出来ないと分かって…僕は仕方なく戦った…僕は敵わなかった…ごめん…温かい声が聞こえる…
「貴方は、何のために戦うの…」
『皆を助けたかった…ただそれだけ…』
「思いなさい…」
『何を…』
「あなたが守りたいものを…あたなの守りたい者に危機が迫っています…思いなさい…」
『助けたい…ああ…』
「クリスタルに思いの総てをぶつけなさい…」
『クリスタルよ…僕に力を…守る力を…」
僕は、クリスタルと一体感になったように感じた…クリスタルと同化する事…思いを一つにする事…これが超越者への試練なのか…
そして、僕は我に戻った…グ…グレース先生…
「大丈夫…」
『回復してくれたのですね…』
「ええ…でも…あれを見て、黒い鳳凰が向かっているわ…」
僕は、グレース先生を見て、そっと微笑んだ…黒い鳳凰に向かって飛んだ…そして、拳を天に掲げると僕を青白い闘気が包む…皆を守る障壁となれ…クリスタルウォール…
■クリスタニア クリスタニア学園 体育館 グレース・リングバルト
私を見る彼は、微笑んでいる様に見えた…そして、黒い鳳凰に向かって飛んでいく。このままでは危険よ…彼が死んでしまう。急いで彼に手を伸ばしたけど…その手はスルリと抜けて行った。
「アルフォード君…」
私は、彼に手を出しながら叫んでいた。そして、彼と黒い鳳凰が空中で衝突する寸前で、青白い光が彼を包んだ…あれは超越者の光…なれたのね…アルフォード君…
カッ…眩しい光が辺りを照らす…目が見えるようになって、見たものは超越者になったアルフォード君だった…そして、これが最後の攻撃とばかりに彼が持っている剣に雷を直撃させる…そして再び彼が剣を掲げた。
■クリスタニア クリスタニア学園 体育館 ナディア・リシャール
あれは…この前の戦士団…イーグル・スピリットのメインアタッカーが出した…クリスタルファング。たしか、ウィングブレード…。そして、さっきの黒い鳳凰を防いだ技は…メインガードが使っていたクリスタルウォール…
なぜ、彼がそれを使えるのか…私は理解出来なかった。それでも、勝機が見えた。頑張れ…頑張って…私は祈る事しか出来なかった。
■クリスタニア クリスタニア学園 体育館 アルフォード・ウィンザー
もう、終わりにしなければ…僕はゼクス・ウィンザーのファングであるウィングブレードを創造した。そして、ライトニングブレイクの下準備を始める。ホーリーで刃を強化し、相手に叩き付けるだけ…この大技にはあと少しの時間が必要だ…僕はポケットから白い鱗を1枚取出した。そして、その鱗を掲げると白い竜が召喚された。聖母竜のファントム…
『あの魔人と少しの間だけ戦ってほしい。』
「分かった…」
僕は、聖母竜が魔人と戦っている間に、聖なる光を使った。剣のクリスタルが高速回転し、光の粒子が噴出した。それがウィングブレードの刃を強化していく。
魔人と分身体を見た。技の準備が終わると当時に魔人に分身体は敗れた。今だ…ライトニングブレイク…僕は魔人に向かって最後の飛翔をした。
魔人は、分身体を撃破したことで、安堵していた…その直後の攻撃に魔人は一瞬戸惑った…これで終わりだ…ライトニングブレイク…魔人の体の半分まで裂けている。虫の息だ…
「お前らも道ずれにしてやる…」
僕はそのまま、魔人と短距離移動で校庭に移動した。そこで、魔人は自爆した。僕は咄嗟にクリスタルウォールを出すが、完全に発動する前に、その衝撃を受けた…30m飛ばされたところで僕は意識を手放した…
■クリスタニア クリスタニア学園 体育館 マリー・シャロン
勝った…アルフォード君が魔人を倒した。凄い…凄いよ…でも、次の瞬間…体育館は氷ついた。魔人が道ずれにしようと自爆を試みたからだ…あの時のライオスという魔人も自爆して道ずれにしようとした。その衝撃は凄まじかった。そして、次の瞬間、魔人が輝きだす…爆発が起きると思った時に、魔人はアルフォード君と消えた。そして、校庭で大爆発が起きる。そんな…彼は身を挺して私たちを爆破から守った…私は、我慢出来ずに、校庭に走り出す。私が見た光景は…爆発による穴がその衝撃を物語るように空いている。そして、彼が倒れていた。私は彼の傍に行った。彼は意識を失っている。見た目もボロボロだった…その中で、黒い服は新品同様だったことに違和感を覚えた…
「触らないで…」
声が聞こえて後ろを振り向くとそこにグレース先生がいた。彼の傍に行ってレストレーション2を懸命に繰り返している…
「先生…大丈夫なのですか…」
「…」
「先生…」
「頑張るのよ…頑張って…」
先生の声が校庭に大きく響き渡った…




