第043話 プレゼント
今日は4話更新します。
12時 15時 17時 20時です。その次は新年になってからになると思います。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 体育館 アルフォード・ウィンザー
僕は、ウィリアムさんを体育館の臨時救護所に運んだ。それと同時に騎士団長が現場に到着した。彼も魔人戦に突入する。アイゼルさんも絶望的な状況から仲間を得た事で精神的に復活したようだ。目に力が宿った。
『フレイヤ理事長、このままでは危険な状況になります。戦況は最悪と言っていい。このままでは、後20分位しか持ちません。』
「そんなに厳しい状況なのですか。」
『残念ではありますが、白狼戦士団には足らないものが有りました。魔人との戦闘能力に差はなかったのです。それなのにその差を覆せなかった。直接的な攻撃しかなかったのです。必殺技があれば良かった。それが無くても徐々にダメージを蓄積させる術があれば問題ありませんでした。」
その言葉を聞いたウィリアムさんが僕を睨んだ。でも僕の言っている事も理解出来たのだろう下を向いた。
「そうかもしれない。超越者になったばかりだった。」
『そうかもしれません。ですが、この戦いが良い経験になると思います。死ねば総てを失います。この経験を次の戦いに生かしましょう。僕は、皆さんに撤退を進言します。」
アイオロス教官もフレイヤ理事長もそれには首を横に振った。
「それには反対よ。現実として1,000名以上を転移させる事など不可能。それに結界の外に出れば、魔物と魔人に各個撃破されてしまうわ。」
『確かにそうかもしれない。でもこのままでは、全滅します。』
「そうね。逃げられる者はそうすべきかもしれないわ。でも、私は学園の生徒を置いては逃げられない。ここで皆と最後まで抵抗するわ。」
「フレイヤ理事長…」
そう話すとアイオロス主任教官も僕の肩をポンと叩いた。
「俺もそうするよ。」
『教官…』
僕は、この人たちにお世話になった。この人たちを置いて、撤退する事など出来ない。勝てないかもしれない。でも自分のやるべき事をやろう。
『アイオロス教官、戦う前に策はありますか。』
「ああ…俺たちも君だけを戦わせようとした訳では無い。主任4人で考えた技がある。それなら魔人にもダメージを与えられるはずだ。しかし、その発動には時間がかかる。その間の足止めが必要だ。」
『分かりました。その足止めは僕が引き受けます。』
「そうか。頼んだぞ…君だけが頼りだ。」
『はい』
作戦は決まった。主任教官4人の編み出した技に活路を見出すべく各人がやれる事をする事になった。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 闘技場 魔人 ガルト(狂える鳥獣王:◆◆)
あいつは何者なのか。相手をいたぶっていると、止めを刺す前に転移で連れて行く小賢しい者…俺の楽しみを何処にやった。あの戦士団も4人いたが、今は最後の1人になった。絶望した顔をしたとなるとお楽しみの時間は終焉を迎える事になる。残念!残念!本当に残念だ。ククク…。血だ。もっともっと血が欲しい。それなのにあの小賢しい者め。それに、まぁ、真打は最後に登場するものだ。あいつは、この前にいる戦士より強いはずだ。早く出てこいよ。そうじゃなければ此方から行くぞ。
お前らはもう飽きた。この技で終わりにしよう…暗黒の極炎を発動して、アイゼルに放った。アイゼルは躱せないと判断した…絶望が彼を支配した。それを防ごうと騎士団長のオルガさんが彼の傍によって、彼を捕まえて、技の炸裂すると同時位に近距離移動を使って難を逃れた。
あそこに人間の反応が沢山ある。奴もあそこにいるだろう。
建物の壁を壊すとそこには、未熟な冒険者が沢山いる。丁度いいから殺すか。おや、あの嬢ちゃんたちは、この俺に痕跡をプレゼントしてくれた嬢ちゃんたちだ。
「そこのお嬢ちゃん。お前たちだよ。そうだ。お前だ。」
魔人が、指差した先にいたのは、リーファ、ローザ、ナディアの3チームがいる場所をさしている。そして、魔人が話しかけてくる。
「痕跡をありがとう。」
その言葉に3人が固まった。そしてチームの隊員もその言葉に痕跡を残したのが自分たちだと理解したのだろう。理事長も他の生徒も町が襲われた原因を理解した。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 体育館 リーファ・シャロン
魔人の言葉に、一瞬我を失った。あの時だ。ゴブリンの討伐時に魔人に見られていた。私たちの取った軽率な行動で、この町が襲われた。私たちは自分が強くなることに夢中だった。それが、いかに危険であったかをお姉さまもサラ先輩・ミラ先輩も案じていた。そして、アルフォードも…彼に負けたくないという自我に、多くの者を危険に晒した事を後悔した。
魔人が何かを話している。プレゼント。そして、魔人から黒い闘気が放たれている。黒い鳳凰が私に向かってくる。私はこれで死ぬのだろう。目を瞑って死を覚悟した。しかし、その場を手で押されて飛ばされた、お姉様が私の身代りになるように突き飛ばした。また、皆に迷惑を掛ける結果となった。そして、爆風が私たちを襲った…




