第038話 それぞれの思惑!
■クリスタニア大陸 竜宝山 アルフォード・ウインザー
騒動は一段落したが、それはアイデルフィアの騒動であって、僕的には何の状況の変化もない…むしろ、予想外の展開と言わざる負えない。僕は、竜と戦いながらここで3カ月を過ごす予定だった…その予定は完全に狂った。
しかし、良く考えたら聖母竜がいる。その鱗を使った分身体と戦って鍛えれば良いと考えた。そして、聖母竜の協力を得て、修行を開始して2カ月が経過した。
今では、二つの鱗で2体のファントムと戦闘をしても耐えられるようになっている。攻撃も順調だ…闘気の気配も完全に把握している。これならある程度は戦えるだろう。
そして、僕は次のステージに進むべく、座禅をしながらある事を考えていた。そう、超越者になる事だ…クリスタルが完全に回復した事で、僕はクリスタルファングを使いたいと思っている。そして、僕の特技欄には、イールグ・スピリットの戦士たちが使ったクリスタルファングの名前があった。ラーニングで取得したのだろう。そして、僕はあの映像で見せた拳を天に掲げるようにして、クリスタルファングを創造した…あれ…何も変化…どうやら超越者にはまだなっていないようだ…僕は再び、壁に当たった…この壁が僕には高い壁だった。
そして、特技の中に、戦場の師子王と呼ばれた魔人が使っていたであろう技「暗黒激烈掌」も覚えている。これを使うと僕は悪人になるのではと思った。
そういえば、セバスチャンさんは言っていた。Cランクから始まる試練を越えてなる存在。僕は、ある程度の力を徐々に得ている訳ではない。一気に取得しているだけに過ぎない。そういう事が資格を得る事の障害になっているのだろうか。いろいろ考えていると、胸が熱くなった。この頃、頻繁になっている。僕は一体どうなってしまうのだろう。
そして、更に1カ月が過ぎた。僕は結局、超越者になれなかった。きっと、今の僕には何かが欠けているのだろう。リンツ参事官が言った期日は、目前に迫っている。聖母竜にお礼を言った。その時に白い鱗を3枚くれた。これには、私の魔力が溜まっている。困ったときに分身体になって、援護は出来るとの事だ。それはありがたいと言って、僕は、クリスタニアの町に帰った。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 アイオロス・グレイア主任教官
俺は、あれから教官の仕事を引き継いで、4人の主任と戦士団を組んだ。それから3カ月が経過している。我々も総ての者が努力したおかげで、EランクからランクもDになっている。戦闘力も8500になった。これで少しは戦える筈だ…少しでも多くの者を助けなければならない。そして、我々は、4人である技を考えた。合体魔砲弾…タイミングに時間がかかるという欠点はあるが、少しでも魔人にダメージを与えられればと考えた。俺たちは、魔物でその威力を試し、その威力を確認した…でも、これが彼に過酷な戦いを強いる事をこの時の俺たちは知る由もなかった。
■クリスタニア大陸 クリスタニア 行政府 リンツ・ジョーゼフ参事官
王都からの戦力派遣で朗報が届いた。BランクとCランク3人の戦士団が派遣される事が決まった。超越者が2人いるとの確認が取れた。この戦力なら、対魔人戦は彼らに任せる事が出来るだろう。魔物の襲撃については、騎士団でオルガ・アーサー騎士団長を中心とした部隊20名で迎撃する。オルガ・アーサー団長はCランクで超越者だ。対魔物なら問題はない。あまり多くの騎士を派遣すると町の痕跡を残す結果になりかねないため、少数精鋭の部隊を編成した。あとは、その戦士団と騎士団との配置などの打ち合わせが必要になる。それと、アルフォード君の戦力が整っているのか確認だ…彼の戦力を使うかもしれないという状況は取りあえず、杞憂で終わりそうだ…
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 教官室 アルフォード・ウィンザー
僕は、長距離移動でこの学園に帰ってきた。その事を教官室のアイオロス教官に話した。教官も出来る限りを尽くしたと言っていた。戦いになれば、少しは役立つ所を見せられるかもしれないという事だった。目を見ても迷いがない。僕は、アイオロス教官にこれまでの経過を簡単に説明した。超越者には残念ながらなれない事も含めて…それには、多少であるが、不安な顔をした。しかし、こちらも出来うる限りを尽くした結果だ。アイオロス教官に指導されていた時より戦闘能力は随分上がっている。魔人とは戦えないまでも予備役にはなれると思っている。多少のダメージなら与えられるだろう。後は、魔人にどの位のダメージを与えられるのかを確認して、それによっては戦力になりえる可能性もあると考えている。後は、本当に通常武器は効かないのかだ…ローランズのアルタイドさんは、攻撃でダメージを負わせたとの事だ…魔人の肉体の秘密が分かれば、有効な方法が分かるのかもしれない。
■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 医務室 アルフォード・ウィンザー
教官室を出て、僕は医務室に向かった。そこで、クリスタルの状況を確認した。前は、ときどき胸が熱くなる事があったが、近頃では頻繁になっている事を報告した。それには問題ないという事を言われた。先生に理由を尋ねると、超越者への試練が始まっているとの事だ…先生に超越者になるにはどうしたら良いかと尋ねると、書物には正しい力を宿すものにしか超越者の道は開かれないとの事だ。超越者はクリスタルと一つになる事が求められると書かれているそうだ…現状ではさっぱり分からない。
僕は、先生に魔人への攻撃について聞いた。本当に通常武器は効果がないのかという事だ…先生によれば、これまでの書物を読む限りでは通常の武器攻撃は効かないとの事だ。それにはいろいろな仮説があるらしい。肉体の強度が武器の強度より強いのではという説だ。通常武器である剣で攻撃したところ、剣の方が持たないとの事例が何件かギルドに報告があるようだ。現状では、闘気・魔法・クリスタルファングでの攻撃が有効とされる。特殊事例として、剣に闘気を集める攻撃や、魔法剣などは有効という事らしい。そういう点では、僕は魔力回路付きの剣を持っている。特に、ゼクス・ウィンザーの必殺技は絶大な威力だ…魔法で、剣の刃部分を強化して敵に叩きつける事ができる。聖母竜のファントムもあれで仕留めたが、モーションが大きい。相手の大技に合わせて放つから相討ち覚悟の技だ…ゼクスも仲間の牽制があった事で、ライオスを撃破できたのだから…単独ではあの技は難しい。相手にどの位のダメージを与えられるかによるだろう。




