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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第3章 クリスタニア学園―修行編―
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第035話 挑発!

■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 冒険者選考①~⑤講義室 リーファ・シャロン


 お姉様は騙されているのです。きっとそうですわ。私は彼が嫌いだ。人を見下している。そして、何より、女性を差別する事が許せなかった。それでも、私は理事長、アイオロス教官、マリーお姉様を尊敬している。その人たちに彼は慕われている。どうも納得が出来なかった。

 講義室に帰ってくると、10分もしないうちにナディアとローザも帰ってきた。


「行動計画書は如何でした。」


 それに、ローザが答えた。


「ダメでした。マリー先輩だけではない。サラ先輩もミラ先輩も首を横にしていた。それからアルフォードもね。」


「そう。理由はご存じなの。」


 それにナディアが答える。


「アルフォードが居たからな。理由は聞けなかったよ。」


「そうですわね。」


 そう話していると、この教室にアルフォード・ウィンザーが帰ってきた。多分、私たちは彼を睨んでいただろう。彼は、不味い所に帰って来たと言わんばかりの表情をした。


「あなたは、この町を逃げ出したのではなくて…」


『なぜ、そう思うのです。私には逃げる理由がありませんよ。』


「そうですか。そういう噂があったもので、確認させて貰いました。」


『噂?そうですか。それは誤解です。私は討伐に出ていたのです。明日にも討伐に出かけます。』


「討伐。大した勇者気取りね。私もあなたが尻尾を巻いて逃げ出したかと思ったわ。」


 その時の彼の眼は、私を憐れんだような目をした。いえ、私だけではない。この教室にいた3人を憐れんだような目だった。それに私は我慢が出来なかったのだろう。彼を更に追いつめた。


「なんですの、その眼は…」


『先程から黙って聞いていましたが、どうして私に絡むのです。イライラするのは勝手だが、自分の未熟差を私に向けられても困ります。それでは、失礼します。』


「勝負ですわ。」


『勝負ですか。貴方では勝負にならない事は前回理解した筈です。同じ過ちを繰り返すようでは、冒険者として如何なものか。戦いは、相手の力量を見定め、こちらの戦力を理解し、作戦を立ててこそ、勝利につながるのです。あなた達の計画は、自分たちを過大に評価している。それは危険です。だから、先輩方も、私も首を振ったのです。なぜ、それを理解しないのか。』


 それに、ローザは反論した。


「確かに、私はあなたの能力は存じておりません。ですが、貴方も我々の事を知らないでしょう。」


『そうでもありませんよ。あなた達の戦力はたかが知れています。』


 それにナディアも反論してくる。


「ほう。それでは、我らが3人を同時に相手をして戦えるとでも言うのか。」


『残念ですが、相手にもなりませんよ。』


「そこまで言うのであれば勝負しなさい。」


『何処で戦うのですか。あなた達も隊員の目の前でやられるのは忍びないでしょう。』


「吠え面を掻かせて差し上げますわ。」


 そう言って、体育館裏の林の中で対決する事になった。


■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 体育館裏 アルフォード・ウィンザー


 僕は、どうして嫌われたのか。いや、その点は察する事は多少…いやかなり自覚している。しかし、自分たちの未熟差をこちらにあてられても困る。更に、少しぐらいの挑発で乗っかってくるようでは先々が心配だ。少しくらいはお灸を据えた方が良いだろう。


 僕は、審判に3年生のマリーさんとミラさん・サラさんの三人にお願いした。彼女たちも少しくらい痛い目に合わないと、私たちと同じで理解はできない事を悟っているらしく。僕の行動に賛同してくれた。そうして、彼女たちとの再戦が始まった。


 最初に攻撃をしてきたのは、リーファだ。火属性の技を全力で僕にぶつけてくる。僕は、その魔法を同じ魔法で相殺した。そうすると相殺した時に現れる爆風が双方に衝撃として帰って来た。彼女はそれで後方に2m位飛ばされた。ダメージは多少受けたようだ。こちらは涼しい風にしか感じない。次にナディアとローザが水と雷属性の魔法で攻撃している。僕はこれも、同じ威力の魔法で相殺した。同じようにダメージを与えて後ろに飛ばした。


『自分たちの力を理解しましたか。』


なんの…と言って、今度は3人で攻撃を仕掛けてくる。リーファは長刀で攻撃を、ローザはランスで攻撃を、ナディアは片手剣で攻撃をしてきた。彼女たちの武器は本物だ。これは決して模擬戦ではない。つまりは、僕を殺そうとしている。僕は手加減をしているが、黙って倒される訳にはいかない。そろそろお勉強の時間だ。僕は、相手をかなりの力で威圧した。そう殺気を込めて威嚇する。それには、彼女たちも僕に迂闊に近づけなくなった。そして、その威圧に耐え馴れなくなったのか足が震えていた。


『マリーさん、まだ続けますか。』


「勝負あり。」


 再び彼女たちは屈辱に塗れた。


『それでは、敗者の方には、僕のいう事を聞いて貰います。貴方たちは、自分のチーム全員がレベル5になるまで、野犬の討伐以外は受理してはいけません。よろしいですね。』


「…」


『よろしいですねと聞いているのです。返事がありませんね。』


 三人は、渋々であるが返事をした。

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