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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第3章 クリスタニア学園―修行編―
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第024話 超越した者たちの戦い!(その2)

■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 冒険者選考①~⑤講義室 アルフォード・ウィンザー


 魔人に目を向けると、先程あったタメージは無い。それどころか、人間の体の部分が獣化している。そして、黒い闘気を纏っている。これが本当の姿なのだろう。つまりは、様子見が終わった。だからと言って、戦士団が不利になっている訳ではない。戦士団は知っていたのだろう。だから、全員で戦う事をしなかったのだ。クリスタルファングを出せる時間は、この映像から見ると1時間と少ししかない。それを考慮して、戦わなければならないのだろう…


 そして、目で追うのが大変な状況ではあるが、最初に限界が来たのがアルスという冒険者だった。トライデントのクリスタルファングで猛攻撃を仕掛けている。既に戦いを初めて1時間が経過しようとした時、彼の顔色が変わった。それを受けての猛攻撃だった。つまりはファングを出せる時間が刻一刻と迫っているのだろう。だから出せる間に勝負を掛けたのだ。でも、トライデントは魔人に躱され、トライデントを逆に魔人に取られてしまった。そして、魔人の手が黒い光を帯びて、アルスに向かっている。彼を助けるために、アレックスがガンナーを構えるが、本人に当たる可能性があるのか躊躇した。しかし、アルスも攻撃が躱せないと見ると、体に風の魔法を纏い更に自分の闘気を出して、致命傷は回避した。そこで彼は戦闘不能になった。それを見た、フェリックス・ウィンザーは彼に近づいて詠唱を始める。レストレーション3を使った。そして、彼は復活するが、既に超越者になれる状況ではないのだろう。フェリックスを見て、彼はこの戦場から魔法を使って離脱した。彼の出来る限りを尽くして…


 魔人の方もクリスタルファングの攻撃を受けて、ダメージは蓄積されている。そして、サブアタッカーが退き、メインアタッカーであるゼクス・ウィンザーが武器を天に掲げた。あの武器をは、僕はその時に初めて気が付いた。あれは、僕が持っている剣と同じものであると…。剣の柄の部分に大きいクリスタルが嵌め込まれている。彼は電撃の魔法を剣に直撃させ、帯電した状況を作り出す。そして再び剣と拳を天に掲げた。あれは、クリスタルファング…


「彼は、冒険者の中で、具現化している武器とクリスタルファングを融合できる戦士なのだ。あれが彼のファングで、ウィングブレードという。」


 アレックスも、彼に攻撃をさせるべく、魔人の気を引く。更に魔人に攻撃しないで、地面を攻撃して、視角を作り出すような方法も取った。どうして、ここまで意志の疎通が出来るのか。それでも、先程のアルスの引き際にフェリックスを見た目は…。多分、メインアタッカーであるゼクスが念波によって指示だをしているか。参謀長が行っているのだろう。どちらにしても一流の戦士団になれば、戦場では殆どの事は言葉に出して行わない。念波による意思疎通を図るのだろう。


 再び、戦士団に意識を戻した。ゼクス・ウィンザーの剣が流れるように舞う。そして、剣を繰り出すたびに衝撃波が魔人を襲った。そして、その衝撃はクロスしたような傷を残す。魔人はこの剣撃で6本あった手も3本になっていた。そろそろ、勝負処なのだろうかアレックスがトリッキーな動きで敵を牽制した。ゼクスは、アレックスの牽制を利用し、高く飛翔する。魔人は彼を見失ったのか、他の人間を気にしているため気が付かなかったのか。ファングの中にあるクリスタルが高速回転し始める黄色い粒子が放出されながらブレードの周りに集まりだす。強い光が放たれると同時に、下にいた戦士団は魔人から距離を置き、離れたと同時に、魔人に向かって剣を叩きつけた。魔人は体の半分まで切られた状況になりながらもゼクスを倒すべく、拳を繰り出すが、剣撃の威力が勝ったのだろう、魔人はそこで自爆して、戦士団を道ずれにしようとしたが守りの要であるエリシオが、クリスタルウォールを展開して、爆風から守った。彼らにも多少に威力が伝わったのか上半身の服がビリビリに破けている。


「あれが、ゼクス・ウィンザーの必殺技の一つで、ライトニングブレイクという技だ。」


 そう、教官は締めくくった。


 その後の映像を見ていると魔人が倒された後に大きい灰色のクリスタルとそして大きい魔結晶が残された。あれは一体なんなのだろうか。戦士団はそれらを回収し終わるとその場から消えて行った。


 あの戦士団は、僕と関係がある戦士団だ。そして、その武器を僕は継承しているのか…。それにウィンザーの二人には、上半身の首の付け根に僕と同じ痣があった。それと同時に、この戦いでの戦法を身に着けたいと願った時、僕のクリスタルは光りだした。これは、ラーニングだ…


■クリスタニア クリスタニア学園 屋上 アルフォード・ウィンザー


 僕は、先程の講義について考え事をしていた。あれが魔人か。あれは客観的に見ても普通の強さではなかった。見ている人は、イーグル・スピリット戦士団の強さに魅入られ圧倒したあの姿に希望を見出しただろう。そして、彼らの様になりたいと思ったに違いない。たしかに、彼らは強かった。そして、圧倒的だったのだろう。それでも僕は魔人という存在が気になった。あれだけ強いのに戦士団を組まないと倒せない相手だ。これから僕自身が強くなったとして、ゼクス・ウィンザーのような強さは得られないだろう。それどころか、あの戦士団の誰かと同等な力など期待が持てない。もう一人のフェリックス・ウィンザーは予備役だった。ファングを使っていない事から超越者という状況ではない可能性が高い。彼も時々であるが、自分の力の無力差を嘆いているように見えた。それでも補助役として戦いに参入しているところを見ると魔人は強敵である事は分かる。


 つまり、彼らはこの戦いで死を覚悟していた。それか、ある程度の戦果を持って撤退したか。それでも自分たちが無傷でいられる事は無いと思っていたに違いない。更に、あと半年から1年間の間に魔人がこの町に来る。さき程の最強魔人と言われる強さを持ってないかもしれない。だが、もしそうであれば、僕一人では戦いにもならない。更に超越者としての力を取り戻していない状況なら僕に勝ち目はないだろう。僕は、考えれば考えるほど気持ちが落ちる一方だった。

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