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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第2章 クリスタニア学園―入学編―
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第020話 不安と嫉妬!

■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 体育館裏 アルフォード・ウィンザー


 あの討伐から1週間が経っている。あれから僕はアイオロス教官の指導の下、魔法のコントロールや闘気のコントロールを練習している。そして、気を練って、攻撃に転化する方法もだ…と言っても、この方法は手本を見せてくれるので、ラーニングで覚えられたのだが…


『はっ』


 教官の呼吸法をマスターし、気を手の先に溜め、そのまま地面に叩き付けた。ドーンと音が聞こえて地面が凹んだ。これは凄い。


「今のは内気を使った技だ。最初に、随分と物覚えが良いと思ったけど…そういえばラーニングがあったのを忘れていたよ。魔法も随分覚えたろ…」


『はい。念波などの補助系や攻撃も覚えました。後は、それを使って、魔法のレベルを上げるようにしなければと考えています。』


「魔法のレベルを上げる事も必要だが、魔法を工夫して出すだけでも威力は結構変わったりするぞ…」


『魔法を工夫するのですか?どうやるのです…』


「魔法を発動するときに、発動した時の形を思い浮かべろ…そうすれば、その形になる。だが、気を付けろよ…モーションが大きかったりすると躱されるし、形が複雑だと発動に時間が掛かるぞ。」


 そうすると先生は見本を見せてくれた。見本を見せてくれたのはファイヤーボールの形を変えて、短剣みたいな形にして投げている。着弾した後に爆発するような感じではなく、物を貫いてから内部で爆発しているように見えた。たしかに、工夫するだけで効果が違うように感じだ…


「それでは、闘気を抑えろ…極限までだ…」


『はい。』


 闘気を抑えた状況で、アイオロス教官はバトルカウンターで僕の戦闘能力を計測している。戦闘力は400か…まずまずだ…出来れば10位にコントロールして、その状況を維持するんだとアイオロス教官は話している。どうして、そんな事が必要なのか…


『これは何のために行うのですか。』


「闘気が大きければ、相手を威圧するし、自分で自分が此処にいると申告しているのと同じだ…作戦を遂行するために、気配を消さなければならない。バトルカウンターで悟られないためには10単位以下にまで闘気を抑える事が必要だ。」


 なるほど…思い当たる節がある。チーム・マリーの2班が森熊を倒すのに苦労した。森熊は常に僕の方を気にしているようだった。つまり、野生の感が働いたという事か。1頭目は気絶していたから気づかなかった。しかし、2班の時は、攻撃を受けた後、森熊は逃げる行動を即座に取っている。それは、戦力差を補う事が出来ないと感が教えたからだろう。


 僕は敵の気配が察知できない。バトルカウンターに頼っているため、感が働かない。物や人に頼っているからなのか。そして、アイオロス教官に気配を察知して貰ったが、こればかりは表面上の変化や魔力などを察知する事も出来ないのか、僕の特殊能力であるラーニングが働かなかった。どうやらこればかりは自分で何とかしなければならないだろう。


■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 体育館裏 アイオロス・グレイア主任教官


 彼の成長は著しい。いや、成長している訳では無いか…もともと、備えている能力なのだから…普通ではない力を持っている。彼は素直だ…そして、善悪の判断が出来るし、このまま行ってほしいと願った。

 なぜ、俺はそんな感情を抱くのか不思議だ。いや、少し思い当たる節がある。学園の生徒との壁…彼らは上達が早いと思っているのかもしれない。この前まで魔法を使えなかった。そして、今では魔法も闘気もコントロールが出来る位になっている。才能…多くの人間が欲しがるものを持っている。しかも身近に…彼がBランクと公表していれば問題ない。だが、そうしていない事が、多くの生徒に不安や嫉妬を抱かせる結果となってる。嫉妬か…なぜがやな予感がした。


「よし、今日は此処までとする。」


『ありがとうございました。』


■クリスタニア大陸 クリスタニア 行政府 フレイヤ・ミッターマイヤー理事長


 今日、冒険者ギルドのライアン・アラルコン支部長とクリスタニア行政府のリンツ・ジョーゼフ参事官に生徒の育成状況等について報告をしている。今年の4年生は順調に卒業に向けて努力している旨を報告した。2年~3年も順調であります。1年はこれからですが、今のところ脱落している者はおりません。その報告に満足したのか冒険者ギルドのライアン支部長は満足げな顔をしている。戦力がなければ町は守れないのだ。そして、魔物や魔人が討伐されない限り、平和な日常は訪れる事は無い。そんな中、行政府のリンツ参事官の方は訝しげな顔をしている。何かあったのだろうか?


 そうするとリンツ参事官から一通の手紙が手渡された。それには、手短にこう書いている。フレイヤ理事長は、学園を私物化している。定員があるにも関わらず、特待生で金持ちの子供を入学させた。調査すべし…


「これは出鱈目です。私は学園を私物化などしておりません。」


「我々もあなたの手腕は買っている。しかし、こういう手紙が来た以上は調べない訳にはいかない。この特待生はどのような者なのか?」


 ここでBランクの冒険者という事は言えない…困った…

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