第017話 チーム・マリーと未知との遭遇
■クリスタニア大陸 ビーストフォレスト マリー・シャロン
我々は、クリスタル学園(3年)第2チーム チーム・マリーは、現在はH+ランクでありながらGランクの依頼を受けている。3年からの進級もそうだが、4年でGランクを卒業するのに、3年の中盤にはGランクになっているに越した事がない。さらに、森熊は単体行動であり、チームで戦う我らの方が有利に戦いが出来るからだ。作戦計画では、慎重に罠を仕掛けて、身動きが出来ない状況で総攻撃をすべく準備をしていたが、チームの隊員が、枝を踏み音がしたのに気付いたのだろう。罠にかけるつもりが逆に奇襲を受ける結果となった。
通常武器では効果が薄く、魔法で対応したが、ダメージは有るものの、決定打に欠ける展開であった。仕方がない撤退する。副長のミラ・アディと作戦参謀サラ・ノートンに撤退する時に決めているサインを送ると頷いて撤退を開始した。しかし、ここで思わぬアクシデントが襲う。隊員が足を滑らせ怪我を負った。それを庇いながら副長が撤退行動を取っている。時間を稼がなければ…
私は、魔法(火属性)のファイヤーフレイムを使っているが、足止程度にしかならない。敵の攻撃が私の肩をかすめる…そして服が少し破れて、鮮血を流した。そして敵を見た…次の攻撃態勢を取っている。私はこの攻撃を躱せないだろう。それでも時間を稼げた…そして仲間を助けたのだ…悔いがない。ごめん…母さん…ごめん…父さん…ごめん…リーファそして私は抵抗せずに目を閉じた。そして私は死を覚悟した。
上空からものすごい勢いで赤い閃光が森熊に向かって動いてくる。森熊もそれが分かったのか、少し移動したが、その閃光も相手と同じような軌道を描いて、吸い込まれるように打撃した。そして、あれだけ攻撃しても決定打にならない相手を一撃のもとに倒したのか…森熊は希望石と魔結晶になっている。いったい誰だろう?
上空から一人の冒険者が下りてくる。私を抱えて再び飛翔した。そして、仲間の元に帰ってきた。
■クリスタニア大陸 ビーストフォレスト アルフォード・ウィンザー
マリーと呼ばれる生徒を救出し、彼女を抱えて飛翔魔法を詠唱する。ゆっくりと彼女のチームの傍に降り立った。そして、彼女のチームにも怪我を負っているらしく忙しなく働いている人が、指示を出し終えると私の傍に来た。きっとお礼を言われるのだろうと思った瞬間、私の顔にビンタがバッチーンという音と伴に炸裂した。僕は何があったのかと呆けていると彼女がこう言ってきた。
「あの閃光でマリーを巻き込んだらどうするの?」
彼女はひどく興奮しているようだ。他の隊員からミラと言われ…そして抑えられている。
『ごめん…』
僕はとりあえず謝った。そして理由を説明する。
『あの時は、ホーミングと言って、敵に着弾するように制御されているから…それに一撃で倒さないとマリーさんという人が危険な状況であった。」
そう説明したが、自分たちと同じ年齢のものがそこまで攻撃を制御できる筈がないと思っているらしく。
「嘘を言うのね!助けたのは結果論じゃない…」
そして、冷たい視線で睨まれた。その話に割って入ったのはチーム長のマリーさんだ。
「いいえ…嘘は言っていないわ!森熊が交わしたら、それに合わせて軌道が変わったのよ。私はそれが見えたわ…助けて貰っておきながら数々の無礼をお許し下さい。」
そして、肩の傷を抑えてしゃがみ込んだ。
『いいえ、気にしていません。治療をしましょう。』
そう言って僕は、マリーさんの傍に行ってヒーリングの魔法を詠唱した。しかし、出血は収まっても傷跡が残っている。
「ありがとう…」
『でも傷が…ヒーリングでは回復しないのでしょうか?』
「そうね…その上のレストレーションなら傷も無くなるのだけど…それは町に帰ってから…」
『レストレーションならレベルは関係無いのですか?』
「そうね…出来ればレベル2は欲しいわね。」
『分かりました。今、直しますから待って下さい。』
そうすると、マリアさんもチーム・マリーの面々も驚いた顔をした。
『レストレーション2(ツー)と唱える』
すると彼女の胸元近くまでの傷が無くなっている。僕はチーム・マリーの面々を見た。随分と疲弊している。それもそうだろう死にかけたのだから…彼女のチーム全員にヒーリングと足を骨折したであろう彼女にはレストレーション3(スリー)を使った。見る見る内に傷が回復していく。彼女は僕にお礼をいっている。そうして、僕はカウンターを見るとMPが45になっていた。森熊は討伐したし、帰るとしよう。それでも彼女たちが心配だった。彼女たちは討伐に失敗している。このまま森熊の討伐を続けるのか不安になった。
■クリスタニア大陸 ビーストフォレスト ミラ・アディ
何から何まで信じられない光景が展開されている。先程は嘘だと思っていた攻撃の話もレストレーション2(ツー)・3(スリー)を立て続けに実施できる魔法力と森熊を一撃で倒せる攻撃力…只者ではない冒険者がいるものね。私は彼にビンタをお見舞いしている。謝らなければ…
「ごめんなさい。」
そう言って、彼に謝罪した。許して貰えるか心配だったが、彼は優しく頷いてくれた。そしてチーム長が話に割って入ってくる。
「私たちは、クリスタル学園の生徒です。宜しければお名前を教えて下さい。」
『僕は、3日前にクリスタル学園に入学した、アルフォード・ウィンザーです』
「えええぇぇ!1年生なの・・・」
それには、マリーさんもチームの面々も驚き絶句している。ああ…また、やってしまった。僕はどうやら間が抜けているらしい。




