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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第2章 クリスタニア学園―入学編―
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第011話 不安な初登校

■クリスタニア大陸 クリスタニア 教会 アルフォード・ウィンザー


『神父さん、クリスタニア学園の理事長の計らいで、明日から学園生として生活します。寮に入る予定です。これまで大変お世話になりました。』


「気にすることはない。良かったの…」


『はい。何かあれば言って下さい。僕の出来る事ならしますから…』


「そうかい。気持ちだけ受け取っておくよ。」


 そう言って、神父さんと最後の挨拶を交わした。


 部屋に戻ると明日からの生活する学園の事を思ったとき、制服が無い事に気づいた。そして、制服無ではいけないと思い。服屋に行き、制服と簡単な普段着を購入した。金額は150Gだった。100,000Gというお金はどうやら大金らしい。寮での1月の生活で600Gだ。機会があればギルドに預けた方が良いだろう。自分の荷物を整理して今日は眠りについた。


 目覚めて、朝食を取った。制服に着替えて、自分の荷物を持って登校する。何処に行けば良いのか分からなかったので、教官室に行く事にした。


■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 教官室 アルフォード・ウィンザー


 教官室に入り、朝の挨拶をする。何人かの教官は僕と目を合わせようとしなかった。昨日の今日だから…そう思うと、チーム長たちもそうだろうな…と登校初日から憂鬱になる。アイオロス教官の傍まで行き、これからの僕はどうしたら良いかと尋ねると、一度寮に行って荷物を置いてくるように言われた。アイオロス教官に寮まで案内を受けて、自分の部屋に案内して貰う。一人部屋で十分に広い。快適な日常を過ごせるだろう。荷物を置いて、再び学園に戻ると理事長室に呼ばれた。


■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 理事長室 アルフォード・ウィンザー


 理事長室に入るとフレイヤ理事長から制服姿が似合うわねと言われた。更に僕用の教科書が一式揃っている。それを使ってと言われた。そして、これからの事を言われる。


「これから、クラスに転入生として紹介します。クラスはアイオロス教官が受け持っている第1から第5チームの講義に入ってもらうわ。何か質問は…」


『確認したい事があります。僕はどこかのチームに所属するのでしょうか?』


「そうね…どうしようかしら…最初はどこかのチームに所属させようとしたけど、昨日の件があるから無理にチームに所属しなくて良いわ。既に他のチームでは2カ月間の行動をしているので、再編させるのも可哀相だから…そうね、全チームのアドバイザー的な存在にするつもりよ。最初は、孤独になる可能性があるけど、そのうちあなたの必要性を理解したチームが勧誘にくるわよ。」


『分かりました。私自身も分からない事が多いので、いろいろ調べたいし、自分自身を鍛えたい。レベルに頼らずに頑張るつもりです。』


「そう。頑張るのよ…」


『はい。それとギルドの依頼ですが、僕も皆さんと一緒で、討伐系は受けない方が良いでしょうか?』


「あなたのレベルなら問題ないでしょう。討伐依頼も問題ありません。それに、この町にも冒険者がいるけど、困難な問題に直面した時にはあなたの力が必要な時があるかもしれません。多少の戦闘は経験した方が良いでしょう。その代わりと言ってはなんだけど、危険と判断した場合は撤退するように…」


「分かりました。」


 そうして、僕はアイオロス教官に連れられて、第1チームから第5チームの講義室に向かった。


■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 冒険者選考①~⑤講義室 第1チーム長 リーファ・シャロン


 理事長からは言われたけど、昨日の敗戦から自信が持てないでいる。あれが、実践なら私は殺されたであろう。そして、私が死んだという事は、第1チームの全滅を意味する。昨日、教官に全チーム長が呼び出された。つまり、ライバルたちが一堂に会した。私は対戦相手の強さよりも他のチーム長や教官にアピールする気持ちが強かったのだと思う。他のチーム長もそうだけど冷静に戦力分析をしなければならなかった。理事長の言った言葉…矜持プライドは生きるために必ず必要ではない。生きる事が第一であり、敵わない敵なら勇気ある撤退をすべきだと…同じ轍は二度と踏まない。己を知り、相手を知らなければ…そう考えていると、アイオロス教官と当面の強敵手であるアルフォード・ウィンザーが教室に入ってきた。今はまだ敵わない。それでもと思う私がいる。


■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 冒険者選考①~⑤講義室 アイオロス・グレイア主任教官


 今日は、皆に新たに特待生として迎える生徒を紹介する。アルフォード・ウィンザー君だ。彼は5歳から冒険者登録をしているが、現在は前の記憶がない。そういう訳だから皆も仲良くしてほしい。分からない事があれば、皆に聞くように…それでは自己紹介をするように…


『今日からこの学園でお世話になります。アルフォード・ウィンザーです。よろしくお願いします。』


「席は一番後ろになる。分からない事は皆に相談するように…」


『分かりました。』


「その他で、何か質問がある人はいるか?挙手して、名前をなのれ…」


「リーファです。彼は、どこかのチームに所属するのですか?」


「理事長が判断したのだが、彼は特待生として迎える。1年生だが、ギルドでも採取依頼のほか、討伐依頼を受けられるようになっている。チームについてだが、特定のチームに入ることは今のところ無い。単独行動許可と全15チームのアドバイザーとしての役を担って貰う。更に、どこかのチームと行動してもらう可能性があるので心するように…」


『分かりました。』


「それでは、早速だが、講義に入る。」


■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 冒険者選考①~⑤講義室 アルフォード・ウィンザー


 午前中の講義を終えると、皆がそれぞれに昼食を取り、この教室から退出していく。午後からは各チームでの行動になるからだ。各チームには個別の会議室が与えられている。これからは10名での作戦会議なのだろう。そうなると僕はポツーンと一人で講義室にいる事になる。仕方がないので、グレース先生に相談したい事があるので、学園の医務室に向かう事にした。グレース先生は冒険者ギルドとクリスタニア学園を一日おきに通っている。


■クリスタニア大陸 クリスタニア クリスタニア学園 医務室 アルフォード・ウィンザー


 部屋に入ると、グレース先生に挨拶をした。最初に、クリスタルの状況を確認して貰い。MPが140まで回復している。少しだけど自然治癒しているようだ。


「学園の生活はどう?」


『今日が初めての登校で良く分かりません。』


「そう、少しづつ馴れればいいわ。それで相談でもあるの?」


『はい。魔法の事です。僕は魔法を覚えていません。魔法を取得したいのです。出来れば魔法書を借りたいのですが…』


「良いわよ。どの魔法を覚えるの…」


『とりあえずは、水と天と時が良いです。』


「分かったわ。今、用意するけど…水は何となく分かるけど…時と天?珍しいわね。」


『そうですか?昨日の先生が言った事を覚えようとしているだけですよ。飛翔魔法、転移魔法、補助強化魔法を…』


「そうは言っても、攻撃魔法を覚えたいものよ。」


『私は、回復、飛翔、転移を覚えて、それから補助系とか…こんなに覚えられますかね?』


「あなたなら大丈夫よ…」


『なぜ、そう思うのですか?』


「なんでも教えてあげる事が良い事ではないから…秘密よ…でも直に分かると思うわ。」


 なんだか、意味深な発言だが、全てを聞いてしまう事は良くないだろう。僕は魔法書を借りて、自分の寮の部屋に戻った。明日から魔法の特訓だと気合を入れた。

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