第106話 記憶の間(その18:シンクロへの道)
■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(8歳)
「よう。アルフォード。親父から聞いたぜ。ゼクスさんの意志を継いだとな。」
『はい。クリスタルを継承しました。大体の事はグラディさんから聞きましたが、融合したクリスタルの意志を最大限に発揮するのは、修行が必要だそうです。それについては、エリシオさんに聞けと言われました。』
「そうか。まあ、あまり無理をするな。取り敢えずは自分の力とクリスタルの力を少しでも良いから合わせる事だ。最初から最大限引き出そうとは考えない方がいい。失敗すると大変な事になる。」
『分かりました。参考にします。エリックさん、ありがとうございます。』
「何、気にするな。お前が強くなれば、次の作戦行動に入れる。それにはお前が予備役では不味いんだ。正規に戦えるようにならなくてはいけない。」
『次の作戦?』
「ああ。敵の基地が分かった。そこを攻めるのさ。でも、焦る必要はない。こちらも戦力が有るわけでもない。出来れば、各個撃破する事で、相手の戦力を減らす事も必要だ。まあ、あと1年から2年は攻めないと思う。」
『それでは、早く強くなって皆さんの足を引っ張らないように頑張ります。』
「気合を入れるのは良いか。空回りはするなよ。あ…そういえば、親父は何処に行ったか知っているか。」
『ええ。聖域に行って、グラディさんと大事な話があると言っていました。』
「へぇ。珍しいなうちの親父とグラディさんが大事な話ね。何か知っているか。」
『さぁ。詳しくは分かりませんが、何でも特殊武器を依頼するそうです。後の大事な話については分かりませんね。』
「そうか。まあ、大事な話なら俺らにも話すだろうから気にしても仕方がないな。」
『そうですね。』
「そうだ。クリスタルの融合した時のステータスは確認したか?」
『えぇ。特殊能力でラーニングが増えました。それとレベルが43になっていましたね。』
「そうか。やっぱり一流の冒険者の能力を受け継ぐと恩恵はでかいな。」
『はい。』
「今、帰ったぞ。」
『お帰りなさい。』「お帰り。親父何を話していたんだ。」
「ああ。世間話さ。それより、アルフォードよ。このバトルカウンターを腕と顔に装着しろ。それとこのブレスレットだ。」
『バトルカウンターとブレスレットは何に使うのでしょう。』
「うむ。バトルカウンターは敵の数値を確認するためのものだ。そして、腕に付けるのは自分の能力を確認するためだ。ブレスレットは、同調している状態を確認するためにグラディと話して作って貰った。同調し続ける事は意外に難しい。それを慣らすためのプレスレットだ。」
『分かりました。』
「それと、念の為にこの鉄の輪を手と足に付けてくれ…」
『これは…』
「これは、特訓の秘密兵器だ。それが無いと流石に危険だからの。まあ、初心者マークと思えばいい。万が一のためにエリックよ。ガレオンにも特訓の助手になって貰いたいから呼んで来て貰えるか。」
「ああ。分かったよ。」
『それで、この修行は何処で行うのですか。』
「まあ、町の中は危険だ。森で行うとするか。」
エリックさんがガレオンさんを連れてきた。そして、4人で森の中で特訓が始まるのだが、町の中では危険と言っていたけど、いきなり実戦なのかな。
「よし、此処ならば問題はあるまい。それでは、アルフォード説明する。まず、お前の中にゼクス・ウィンザーという意志が入った事は承知していよう。」
『はい。』
「光を肩にあて、腕の紋章に再び光を与えればゼクスの意志が働く。今のお前なら、自分の意志を休めるだけでも飛躍的に強くなれる筈だ。まあ、お前の代わりにゼクスが戦う様なものだからな。だが、それはあくまでも他人任せな戦いだ。超越者には、更に上のステージがある。まあ、魔人の暴走と同じようなものだ。何かの力を利用して、自分の力を上げるという点ではな。では始めよう。」
『最初に僕は何をすれば良いのでしょうか。』
「まず、初めにする事は、お前自身の最大の戦闘能力を発揮する事だ。儂がお前の戦闘能力を測定するから見ていろ。」
「はい。」
そうするとエリシオさんは、顔に付けたバトルカウンターで僕の能力を測定した。32,500とエリシオさんは僕に告げた。
「それでは、32,500の能力を全快にしろ。」
『はい。』
僕は、自分の体に闘気を貯めるとエリシオさんがカウントをしてくる。
「25,000…27,500…29,000…30,000…31,000…32,500 よし、この状況を維持するのだ。分かったか。」
『はい。』
「それでは、肩にホーリーを使え。そして、ゼクスのクリスタルにもホーリーを使うのだ。」
『はい。出来ました。』
「よし、これが第一段階じゃ。ゼクスの意志は感じられるか。」
『いいえ。』
「何かの力を感じないか…」
『分かりません。』
「可笑しいな…ぬう…不味い…戦闘能力が上がっている。40,000…50,000…これはまずい。アルフォードよ。力を抜け…」
『……』
「しまった。エリックにガレオンよ。アルフォードを抑えてくれ。ガレオンは腕と足にホーリーをかけてくれ。」
「分かった。」「こっちも了解です。」
ホーリーを放つと、手と足の鉄の輪が光を放ってアルフォードの動きを見えない力が抑え込んだ。




