第105話 記憶の間(その17:クリスタルの融合)
■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(8歳)
「アルフォードよ。お前も順調に成長している。我々はお前が自分自身の力に目覚める時期に来ていると思うが、胸が熱くなる事はないか。」
『胸が熱くなる事があります。最近は頻繁になります。』
「そうか。それはクリスタルの試練が近づいている証拠だ。その時に自分自身の素直な気持ちをクリスタルにぶつければ良い。正しい者ならその試練を通るだろう。」
『分かりました。』
それから3カ月が過ぎたころ、魔人との戦いの中で僕は超越者になった…
そして、その夜に僕はエリックさんと共に聖域に行く事になった。
「アルフォード。良く聞いてほしい。」
『何、お祖父さん。』
「儂とエリシオはずっと考えていた。ゼクス・ウィンザーの意志を誰に継がせるかを…お前は強くなりたいか。そして、ゼクスの意志を継ぐ決意があるか。」
『僕のお祖父さんの意志。平和な世界にするという意志ですね。』
「そうだ。」
『継ぎます!』
「分かった。お前にゼクスの意志を託そう。そして、強くなれば魔人との戦いも格段に良くなる筈だ。」
『はい。これで、僕も皆と共に戦えるようになれる。そうなれば、家族を奪った組織とも戦える。』
「ああ。だが、一言だけ注意しておく。強さを得れば放漫になる。そうならない様に注意する事だ。」
『はい。分かりました。』
そうして、グラディさんは部屋を出て行った。そして、黒く輝くクリスタルを持って来た。これが、ゼクス・ウィンザーのクリスタルだと言った。それでは融合するぞ…
■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(15歳)
アルフォードは意識が無いようだ。グラディさんは肩に術を施している。そうすると肩に三日月の痣が現れた。そして、そこにエリシオさんがホーリーを唱えると、三日月は青白く光り輝いている。そして、その痣にクリスタルが吸い込まれるのが見えた。そして、三日月のかけている部分に丸が描かれた。これが融合か。以外にあっさりとしている。それとも、研究者の成果によって安全に出来るようになったのか。何れにしても、この時に僕の中にゼクス・ウィンザーの意志は継承された。僕の中でゼクス・ウィンザーが生きる事になったのだろう。そういえば…最初の頃のクリスタルの声は女の人だった。あの声の主は、あの灰色の魔女と関係があるのだろうか。
■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(8歳)
「アルフォードよ。もう、終わったぞ。」
『うぅう。もう…終わったのですか。』
「それでは確認しよう。アルフォードよ。ホーリーを肩の痣に使うのだ。そうすれば、腕に紋章が現れる。取り敢えずはそこまでやってみようか。」
『はい。』
こうして、僕は肩の痣にホーリーを使った。三日月が輝きだすと僕の腕にイーグル・スピリットの紋章が現れた。
『え…』
「どうしたのじゃ…アルフォードよ。」
『イーグル・スピリットの紋章の脇に灰色の魔女の紋章が有ります。これは…』
「何…そんな馬鹿な事があるか。継承は初めての筈だ。」
『でも…』
「どれ…見せてみなさい。何だ。この紋章は…」
グラディさんも分からない紋章が現れた。でも、それについては、グラディさんが調べるという事だった。僕は分からない事があるので、グラディさんに質問をしてみる。
『クリスタルの継承をするとどのような影響が出るのでしょうか。もう、強くなったのでしょうか。』
「うーん。まだだと言いたいところだが、半分半分だな。順を追って説明する。良く覚えておけ。それと、戦い方はエリシオに指導して貰ってくれ。」
「分かりました。」
「それでは説明する。 まずは、融合した事による特典だが、レベルが30代なら10位は上がるだろう。そして、クリスタルの融合した時に特殊能力を引き継げるようになっている筈だ。後で見てみるが良い。」
『分かりました。それにしても凄い特典ですね。何回も融合したら戦わなくても強くなれる。』
「残念だが、融合出来るのは2回までだよ。それ以上は元のクリスタルが耐えられないと思う。我々の研究では2回までは安全に行われた。それ以上は、クリスタルが壊れるなどの影響が出ている。その点も研究しているからこの先では3回の融合は可能かもしれない。まあ、元のクリスタルの強度が無ければ難しい。まあ、そういうことだ。」
『残念です。』
「ハハハ…それで、それが特典だが強さを増す方法として、自分のクリスタルと融合したクリスタルを同調させれば、飛躍的に強くなれる。その同調のさせ方はエリシオに学ぶが良い。まあ、自分が戦えない場合は、代理で戦って貰うという事も可能だ。」
『どういう事ですか。』
「自分の意識を休ませれば、ホーリーを与えた者の意志が甦る。そうすれば、お前の代わりにゼクスが戦う事になる。」
『そうですか。分かりました。』
「それと、ゼクスは特殊能力でラーニングという物を持っている。それを上手く活用するだけでも戦いは随分と楽になる筈だ。技を覚える必要がない。技をそのまま転写してしまうのだから。」
『技を転写ですか。それは、クリスタルファングも可能なのでしょうか。』
「問題ない。ただし、外見が変わらない事は覚えられない。それに敵の暗黒闘気の技も覚えられる。まあ、自分自身の必殺技は、自分で欠点は分からないものだ。技に困ったら相手の必殺技を転写する事も便利だし、それを使って相手の必殺技を相殺する事も出来る筈だ。」
『なるほど…それは便利そうです。』
「儂から教えられるのはこの程度だ。後はエリシオに聞くがいい。」
「ありがとうございます。」




