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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第8章 意志を継ぎし者
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第102話 謁見(その2:クリスタルタワー)

■クリスタニア大陸 王都ロックハルト 謁見の間 セイリオス・ロックハルト5世


「アルフォード殿に頼みたい事がある。」


『何でしょうか。』


「君は、この世界の大陸について知っているか。」


『詳しくは分かっておりません。』


「そうか。この世界には、ギルドメイン大陸、ユーレリア大陸、エストニア大陸、グランキャニオン大陸、パールバッハ大陸、アクシス大陸、そして、私が治めているクリスタニア大陸の7大陸で構成されている。そして、我々はエストニア大陸とパールバッハ大陸との親交がある。そこで、頼みがあるのだが、エストニア大陸には、我々も何度か兵を派遣した事があるほど親交があるのだ。しかし、魔人の数がなかなか減少しないのだ。そこで、このエストニア大陸に行って、魔人の討伐を協力して頂けないだろうか。」


『……』


「無理な事を話している事は分かっている。我々のエストニア大陸とパールバッハ大陸との交易で栄えているのでな。何かと協力しているのだ。そこを理解して引き受けてくれないか。」


『…私は、出来ればユーレリア大陸に行きたいと考えています。それに、私がエストニア大陸に行っても、状況が改善するとも思えません。僕は、過去の出来事からある者に連敗していおります。その者との決着を付けなければならないのです。取り敢えずは、過去の記憶との干渉を優先したいと思っています。申し訳ありませんが、辞退させて頂ければと思います。』


「そうか…無理強いは出来まい。アルフォード殿にも都合がある。冒険者は国との柵を求める者もいれば、求めないで自由に暮らしていく者もいる。そのための冒険者なのだからな。縛る事は出来まい。ただ、君の頭の隅に入れてくれれば今は良い。どうしてもという事であれば打診しよう。」


『分かりました。頭の隅に入れておきます。こちらも聞きたい事があります。何と言えば良いのか分かりませんが、大陸で発見されている4本のクリスタルの場所を教えて頂けませんか。』


「4本のクリスタルとは、クリスタルタワーの事を言っているか。紫色のクリスタルはギルドメイン大陸にある。そして、水色のクリスタルはアクシス大陸。そして、緑色のクリスタルはエストニア大陸。そして赤色のクリスタルはグランキャニオン大陸にある。残念だがクリスタニア大陸、ユーレリア大陸、パールバッハ大陸にクリスタルタワーは存在していない。」


『エストニア大陸には有るのですね。先程辞退しましたが、僕をエストニア大陸に連れて行ってもらえる人がいれば紹介して貰いたいのです。』


「なぜ、そんな事を聞くのかな。」


『この灰色のクリスタルを安置するか、破壊するにはクリスタルタワーの聖域に行かねばなりません。そうしなければ、魔人が復活するのです。』


「あの報告書にそう書いてあったな。実に興味深いものだった。」


『戦闘の事しか書きませんでしたが、もう一つ陛下との話で思い出した事があります。』


「何でも良い。話してくれ。」


『はい。僕は過去に聖域という場所に行った事があります。その中で先程ですが、クリスタニア大陸、ユーレリア大陸、パールバッハ大陸にはクリスタルは無いと言いましたが、ユーレリア大陸には2つのクリスタルが存在すると思います。』


「ほう。興味深い話だな。その根拠を教えてほしい。」


『はい。一つは僕が行ったクリスタルタワーが白色のクリスタルだったのです。そして、その中に入ると光の属性を得られるとの事でした。更に、ユーレリア大陸は、魔人が最初に発見された場所と聞いています。今から200年前の地殻変動の原因もユーレリア大陸にあると研究者は言っていました。』


「そうか。光のクリスタルタワーは、ユーレリア大陸にあるのか。」


『はい。ユーレリア大陸を収めている人はいないでしょうか。』


「国を治めている者はいない。いや…いなくなったと言うべきだな。この国は滅んだのだ。先程、君が言った通り、魔人が最初に現れた地でもある。そして、強戦士が誕生する反面で、最強魔人という存在の殆どがユーレリア大陸にいたのだ。だから国を統治する事が難しくなって滅んだのだ。」


『クリスタルタワーについては、10本あるというのが研究者の意見です。恐らくは全部の大陸にクリスタルタワーは存在すると考えられます。』


「何…10本?そして、各大陸にクリスタルは存在すると…」


『クリスタルが10本あるという根拠は、僕の聖域にいた研究者は、魔法と同じ属性の数だけ、クリスタルが存在するという事を言っていました。そして、各大陸に分布するようにあると仮定したのは私の個人的な考えです。4本のクリスタルタワーの場所にユーレリア大陸にもあったので、そう考えました。それに…』


「それに…何かあるのかい。」


『はい。クリスタニア大陸の竜宝山とパスティア山の敵の砦の方角に大きな力を感じたというか。根拠はありませんが、そこにクリスタルがあるのではと思ったもので…。それは気のせいかもしれませんが…』


「そうか。宰相よ。アルフォード殿の話は実に興味深い。そちはどう思う。」


「はっ。確かに調査した方が良いと思います。それに、ユーレリア大陸の光のクリスタルタワーの調査を派遣した方が良いかと…光属性があれば、魔人との戦いが楽になるとアルフォード君も言っていたので、そうした方が良いと考えます。」


「うむ。そうだな。各国と連携して調査する事は良いかもしれない。早速だが、調査隊を編成せよ。」


「はっ。」


「ユーレリア大陸にはもう一つのクリスタルタワーがあるとの事だが、そっちの根拠はどうしてそう思うのか。」


 そして、僕と国王陛下との謁見は長時間におよぶ事となった。

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