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クビになった冴えないおじさんがダンジョン配信を始めたら、なぜか登録者100万人超えてしまった件〜俺、実は最強だったらしい〜  作者: あっかんべー
第1章:異世界と配信とおじさん

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閑話1:おじさんがいなくなった会社

 「田中くんね、会社の方針性が変わってさ、経理はアウトソーシングにしようと思うんだよね。来月から……来なくていいから」


 俺はなぜあの時、あんな嘘をついてしまったのか今では後悔しかない…。


 この間まで、順調なはずだったのに…。


 スマホ画面片手に後悔の念が止まらない。



 少し巻き戻して話をさせていただきたい。


 俺の名前は久比四郎。二十五歳。妻帯者。中小の二代目社長を約束されて現部長をやって……いた。


 "いた"というのは、つい三日前の話から俺の人生が崩れていった。


 月曜の朝、朝礼のあとで経理部の冴えないあいつを自室に呼んだ。


  「田中くんね、会社の方針性が変わってさ、経理はアウトソーシングにしようと思うんだよね。来月から……来なくていいから」


 これも会社の躍進のため、使えない奴はドンドン切っていって俺の代で会社をデカくしていくつもりだった。


 読んだ奴の名前は、田中武志。四十二歳。結婚報告も聞いてないので多分独身だろう。ただコイツは、十五年うちの会社にいたのに何の成果もなく、何を考えているか分からない奴だった。だから、クビにしたんだ。


 しまいには、何か抗議してくるわけでも、怒っている感じもなかった。ただただ、無表情で言葉を交わすだけのロボットみたいでとても不気味に感じた。


 思ったのは、こんな四十代には俺はならなようにしたい、だった。


 その後、田中はそのまま俺の部屋から出ていき荷物をまとめ帰っていった。



 俺の会社は渋谷にある、今流行りのダンジョン配信の事務所をやっている。


 元々動画配信の事務所だったが、最近ダンジョン配信の方に方向性を変えた。


 やっぱり、今時の仕事には若者で意見を交わし合った方がいいと思い、元々浮いていた田中をクビにした。


 あいつがいなくなったところで、俺の会社では、特に不都合があるわけでもなく通常通りに営業し通常通りに仕事が終わった。


 帰り道に家の近くの店で酒を買って自宅に帰った。


 家に帰ると年下の美人な嫁と可愛い娘が出迎えてくれる。


 「貴方お帰りなさい~」


 「パパおかえり~!」


 「ああ、ただいま~」


 それから、妻の晩御飯を食べ風呂に入り日課のダンジョン配信の研究を始める。


 「最近似たような奴ばっかだな~…コイツは詰まんないな」


 ダンジョン配信の人気が出てきたのは、つい最近のことだがやはり皆考えることは一緒のようでものすごい数の配信者が既に存在している。


 大体の奴は、似たり寄ったりでつまらないが、たまに面白い奴がいるからこの業界はやめられないんだよな…。


今日の配信数は…1000人くらいか。俺は、スマホ画面を下にスクロールしていき指が止まる。


 「おじさんのダンジョン散歩」 登録者6人でサムネ画像が自撮りか、これ?


まあ、いい無視して下にスクロー… ポチッ


 【登録完了】7人目の登録者になりました。


 …しまった、プライベートのアカウントで登録してしまった…。


 まあ、いい。零細配信者に登録数を稼がせてやろう。


 俺は、そのまま無視して下の方にスクロールしていく。


 「おっ、ヒナちゃん配信してんじゃん!」


 白川ヒナ。十七歳で五十万人も登録者がいるダンジョン配信者だ。しかも、ランキング三位!今、俺が最も押している配信者だ。


 「みんな~こんにちわ~!ヒナです!」


 配信を見はじめ、俺もコメントを打ち始める。


 「ヒナちゃん!こんにちわ~(^▽^)/」


 「…こほん!今日は、渋谷深層エリアにチャレンジしてみようと思います!」


 えっ!いくら強いと言っても危なくないか?止めた方がいいんじゃないか?


 「ヒナちゃん!危なくない。とても心配だよ?」


 「アハハ!大丈夫!うち結構強いから!見ててね~!」


 コメントを読んでいるようだけど、彼女は奥の方にドンドン進んでいってしまう。


 彼女は確かに強いが、ここはアシッドスライムやゴブリンナイトが集団で襲ってくる。


 係員は何をやっているんだ!女の子一人で入るんだぞ?止めろよ!



 「ふう、うちも結構やるでしょ?ここでも全然通用するし!」


 確かに彼女は先程言った上位種を倒せている。


 だけど、ここが危険な理由は、上位種がいるから、だけじゃない。


 「あっ!ヒナちゃん!危ない!」


 「えっ?きゃぁぁぁぁぁ!」


 アシッドスライムを一匹倒したところに天井から、四匹のアシッドスライムが襲ってくる。更には、通路の奥からゴブリンナイトが三匹が悲鳴を聞いてヒナちゃんの場所にやってくる。


 このままだと、本当に危ないと思ったとき…カツカツカツと固い足音が聞こえてくる。


 「……あ、ちょっとすみません。通りますね」


 そいつは、見る見るうちにモンスターどもを倒していった。


 ってか、こいつは何でスーツ姿なんだ?しかも、モンスターと戦うのに革靴を履いている。


 後ろ姿しか見えず、顔は言えないが、ヒナちゃんを助けてくれただけでも感謝をしなくてはならないな。


 「怪我してますか?」


 戦闘は終わったようだった。


 ヒナちゃんの姿が見えたのでとりあえず、コメントをしておく。


 「ヒナちゃん生きてた!!!!!」


 ふう、さすがに最推しが死ぬところなんて見たくないなぁ。


 「……だ、誰、ですか?」


 「田中です。経理の」


 ん…?


 「あ、経理は違うか。元経理の。今日から無職です」


 んん?


 「……つよい」


 こ、こいつ……た、田中じゃねえか!よく見たら、あのスーツいつも着ている奴だし!


 なんで奴がヒナちゃんとっ!?


 しかも、さっき間違えて登録しちまったアカウントもこいつのかよ!


 ヒナちゃんそんな奴から早く離れてくれっっっ!


 ヒナちゃんの顔が真剣になり、何かを言おうとしている。


 「……コラボしましょう」


 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ……!」


 声を大きく出してしまい……


 「貴方どうしたのっ!?」


 妻が心配してきてくれたが、今はそれどころじゃない。


 なぜなら、推し活をしているのは妻に秘密していたから……。


 「い、いや、ちょっと転んだだけだよっ!大丈夫大丈夫!」


 何とか繕い妻を安心させる。


 「ならいいのだけど…気を付けてね…?」


 「あ、ああ…ありがとう。気を付けるよ…。」


 妻は部屋から出ていき、俺はスマホを見る。


【ヒナ推し最前線】


 それが俺のアカウントの名前だった。


 そして、ここからが俺の人生の汚点であり、脳破壊の始まりだった。





 

ざまぁ成分が足りない方にプレゼントです!

ここから、本筋ではありませんが、閑話でざまぁを作っていきます。


ちなみに私は脳破壊・NTRは嫌いです。

なぜなら、胸が苦しくなるからです。


でわでわ~

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