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今日も3話更新予定です!
『にしても、何で乱闘に巻き込まれんだ?』
『知らないわよ。お城の外のベンチでソウジュと話してたら、ナンパされたのよ』
首を傾げるザットの腕を自分の肩から押しのけながら、峰春がこたえる。
『無視してたら強引にここまで連れて来られてさ。でも、ユメとウツツが出てきてあいつらひっかいてくれて、その隙に逃げたの』
今度は創樹の肩からザットの腕を押しのける峰春。
『そしたら今度は別のグループみたいのに遭遇して、そいつらがまた私たちつかまえて、追いついた初めのやつらとケンカ始めたの。ね?』
峰春に振られ、創樹が頷く。
『ありがとうございました』
それから創樹は丁寧にシグとザットに言った。
『気にするな』
『そうそう。暴れられて楽しかったし』
シグは軽く言い、ザットがニッと笑った。
『それはそうと創樹、あとであの城の詳しい解説聞かせてくれ。パンフレットもらってきたから。コイツのせいでしっかり理解できなかった』
シグがザットを示し、創樹はクスッと小さく笑って頷く。
『また俺のせいかよ!』
『あら、事実じゃないの?』
むくれるザットに峰春が笑う。
『お前、俺を馬鹿にしすぎ!』
ザットが峰春に言った。
『そんなことより、宿泊場所へ跳ぶぞ』
『“そんなことより”で済ますし。ひっでー』
淡々と言ったシグに思わずザットが抗議する。
『ねぇ、シグザウエル。私、公共交通機関というものを使ってみたいわ』
『あ! それいい! 面白そう! 電車とか乗ってみたい』
峰春の言葉に、むくれていたザットも反応し、身を乗り出して声を上げる。
『…お前ら、駅の件で興味持ったのか? 仕方がない…。じゃあ、最寄駅に跳ぶぞ』
シグがため息をついた。それから創樹を見て、声を落とす。
『苦労かけるな、創樹。どうせこいつら切符の買い方ひとつで大騒動だ』
思わず創樹はクスッと笑っていた。
駅のそばに跳んで、そこから歩いて駅に向かう。
普通の旅行者を装うが、何をやっていても、単なる移動でさえやたらとこの集団は目立つ。
東洋人と欧米人のミックス。その上一人ずつでも注目を浴びるであろう容姿と雰囲気の人間が、四人も集まっている。
しかも、英語で話して居たかと思えば、途中、女性陣には中国語が混じる。それでもって、他の人に何かを尋ねる時は日本語で創樹が。
ザットと峰春はことあるごとに舌戦を繰り広げ、シグにとめられる。
これでは注目されるのも仕方ない。
電車をおりると地図を見て、ここでも跳ばずに旅館まで行くことにする。途中、どこで曲がればいいのか考え込んだり、ザットと峰春の地図の奪い合いがあったりもしたが、何とか無事に旅館に着いた。
『跳ばずに行くと、結構頭使うんだな…』
『みんな苦労してるのねぇ…』
『…頭はともかく、今日俺たちがたどったコースで観光するとなると、旅費がかなりかかるだろうな』
『時間もかかりますよね』
考えてみれば、普通の旅行者に比べ、“跳ぶ”ことで交通費も時間もかなり節約できている。力を使わないことで、四人はそのことに気づいた。
『ザット、折角ここまで来たが、荷物だけとりに行くぞ。ログハウスに』
『何か…すっげー嫌だな、それ』
『置いたままにはしておけないだろ。すぐ戻る』
苦笑してシグが消えた。ザットも続く。
本当に数秒で、二人は戻ってくる。シグとザットにとって二、三〇キロ程度の距離の往復は、二百メートル歩いた程度の運動にしかならない。
これが峰春だと、三キロのジョギングくらいの運動量だ。それだけ力の差がある。
荷物を抱えると、四人揃ってフロントへ。さすがに多国籍集団はここでも注目を集める上、一瞬日本語の話せる者がいるのだろうかと、フロントの着物の女性を戸惑わせたに違いない。
「いらっしゃいませ。ご宿泊ですか?」
ベテランらしく、すぐに戸惑いの表情を消してその女性は一応日本語で言った。五〇代半ばほどだろうか。
「はい。予約していた神代です」
創樹が応えるとホッとしたように女性の表情が和む。
「長門様よりのご紹介ですね。こちらにご記入をお願いいたします」
すぐに長門の紹介だとわかったらしく、にこやかに女性は告げる。
この旅館は、長門に紹介してもらった上、予約まで入れてもらっていた。明らかに外国人名が並ぶよりは、ということで、創樹の名前で。
鍵を受け取り、夕食や朝食、入浴時間の確認が済むと、
「お部屋へご案内いたします」
と、すかさず控えていた仲居さんが一礼した。
能力のない、普通の人たちとの喧嘩対応なんかを書きたくて、乱闘イベント(?)書きました、笑
ストーリーの合間に、こういうのを、ちょいちょい挟む予定です。




