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神宿り  作者:
第2章
21/103

4

 神父が、人間離れした脚力で、助走もつけずに目の前の台を飛び越えた。シスターが何も映していない虚ろな瞳で、神父の隣に立つ。


 徐々に大きくなるざわめきの中、一人の女がステージに駆け上がった。

 ビシッと神父に人差し指を突きつけ、何やら声高に言った。

 シスターがその女性に襲い掛かる。


ユンっ!!」

 女が叫び、消えた。

 どよめきが走る。

 いつの間にかシスターの目の前にいたはずの女が、台の上に移動している。

 その足元には、先ほどまで確かに存在しなかったはずの小動物。


 その時、一人の男性客があんぐりと口をあけ、頭上の空間を凝視した。

 隣にいた女性もつられて見上げ、声もなく天井を指差した。

 どよめいていた人々が、今度は静まり返る。


 ホールの高い天井近くに、大きな二頭の動物と、二匹の猫を肩に乗せた人間が浮かんでいる。

 ………いや…、空中に立っている。


 ステージの上から女が何かを叫んだ。よく聞くと、どうやら中国語のようだ。

 シスターは周囲のことなど何も気づかない様子で、再び女に飛び掛る。

 シスターに小さな動物が飛びついた。


「砕牙」

 創樹の視線を受けた虎が、宙を蹴った。

 客席上空から、シスターに加勢しようとしていた神父の眼前に着地する。


「遼介っ!?」

 ステージ脇の教員席側で、声が上がった。

 静かなホール内、その声は誰の耳にも届いた。


 ステージの上では、シスターの手の届く寸前、女が消えては次の瞬間別の場所に立っている。

 神父が虎に襲いかかり、虎はその体を押さえ込む。


 ふらふらと、そんなステージに近づく者がいた。

「遼介、しっかりしろっ!! どうしたんだよ!?」

 (いざな)われるようにステージへあがろうとする遼介を、哲哉が必死で止めていた。

 石原も飛び出し、手伝っている。


 パニックを起こした客の一人が、扉へと走る。

 それに気付いたステージ上の女が、少々慌てていた。


「翔波、」

 落ち着いた声で空中の創樹が言った。

 傍らの一角獣(ユニコーン)の体が、淡い光を放つ。

 外へ飛び出そうとしていた客が扉に手をかけても、ピクリとも動かない。


 その様子に、ホール内に動揺が広がる。

 何をしたのかと見上げた人々は、狼狽に拍車をかける。

 いないのだ。宙にいたはずの少女と、一角獣が。


「おい、遼介っ!?」

 まだステージに近づこうとしている遼介。

「あ…っ…」

 哲哉と一緒になって遼介を止めていた石原が、幾分あっけにとられた声を漏らした。


「!?」

 哲哉は振り返り、息を呑む。

 創樹が真後ろに立っていたからだ。その隣で、一角獣が消えた。

この、創樹がホールで、もふもふ達と空中に立ってるシーン。

高校生の頃、厨二病だった私が全校集会の時に夢想してたシーンだったりする(。-∀-)


この夢想を形にするために、この小説を書き始めた高校生の頃の私、馬鹿すぎる、笑

(キリスト教系の学校で、高校なのに体育館とは別に校舎にホールとかあったw)

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