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今日から3話ずつ予約投稿しようかなぁと。
あくまでも予定ですよ、予定!
「ママ、猫だ」
「ほんと。きれいな猫ちゃんたちね」
そばを通過しながら親子が言葉を交わす。
「あ~…っと、もう、結構人集まってるぜ。神代さんも、早く中に入るといい」
哲哉の言葉に創樹が頷きかけた時、先ほどの親子と入れ違いに教会から出てきた女の子が「あっ」っと、声を上げた。
三人と二匹は女の子を見る。
創樹は誰が声を上げたのか確認すると、素早く猫たちと視線を交わした。
女の子の目が、猫を見ている。それからゆっくりと創樹に視線を移し、今度は目を丸くして息をのむ。
遼介と哲哉が思わず顔を見合わせたとき、女の子は駆けだしていた。
その勢いのまま、創樹に抱きつく。
「…………………」
創樹はとりあえず女の子をうけとめた。遼介と哲哉はその様子を見、再び顔を見合わせて首を傾げた。
「優梨江っ!?」
教会から母親らしき、まだ若い女性がでて来る。
「ゆりえちゃん…? あら。創樹さん」
女性のあとからでてきたシスターが、創樹の姿に軽く目を瞠った。昨日会った、野々村というシスターだ。
優梨江は半ば創樹に身を隠す。
「ごめんなさいね。…優梨江、みんなのところに行きましょう?」
女性は創樹に声をかけてから優梨江に言った。
「いや」
優梨江は首を横に振ると、創樹を見上げた。
「この猫ちゃんたち、お姉ちゃんのお友達…?」
首を傾げる女の子に、創樹は頷く。
「あのね、あのね、ゆりえ。おかざきゆりえ。お姉ちゃんは?」
「…神代創樹」
「じゃあ、猫ちゃんは?」
「幻に、現」
創樹は白猫と黒猫をそれぞれ示しながら言った。
「さあ、優梨江。中に入りましょう?」
近付いて来た母親が、優梨江に言った。
「お友達も待ってますよ?」
シスターも優しく言う。
優梨江は母親を見、シスターを見、それから創樹にしがみつくと、かたくなに首を横に振る。
「どうしたのかしら…。今日に限って…」
「いつもなら喜んでお友達と遊んでいるんですけどねぇ…」
母親とシスターは顔を見合わせ、困惑していた。
そんな二人の様子を見ながら、優梨江は創樹にしがみついたまま、じりじりとあとずさる。当然、創樹もしがみついた優梨江に引っ張られる。
行動を起こしたのは、創樹だった。
地面にひざをつき、優梨江と視線の高さを合わせる。それからポンッと優しく優梨江の頭に手を置いた。
「大丈夫。怖くない」
温かく、穏やかな声。
優梨江は目を丸くする。
いや、見ていた皆も…。
「ほんと…?」
恐る恐る確認する優梨江に、創樹が頷く。
「…ママ、お姉ちゃんと一緒だったら、中に入る」
創樹の服をしっかり握って、優梨江は言った。
母親とシスターは顔を見合わせ、不思議そうに優梨江と創樹を交互に見た。
「いいでしょ? お姉ちゃん」
すがるような瞳で不安げな優梨江に、創樹は頷く。優梨江はホッとした笑みを浮かべた。
「じゃあ、ゆりえちゃん、創樹さん、中に入りましょ? そろそろお茶の時間ですよ」
シスターもホッとした笑みを浮かべる。
「もちろん猫ちゃんたちもね。それから哲哉くんと遼介くんも、ほうきを置いて、一緒にお茶にしましょうね」
シスターに声をかけられ、ひたすら傍観者に徹していた二人は、ハッと我に返った。
優梨江が創樹の手を引っ張り、ドアのほうへ。
猫がその足元をじゃれるようについてゆく。
「ありがとう」
隣に並んで歩きながら、優梨江の母親が創樹に言った。「気にしなくていい」というように、創樹は首を振る。
六人と二匹は、教会の中に入った。
猫を見付けた子どもたちが、たちまち群がる。
黒猫も白猫も、その勢いに圧されるように、創樹の肩の上に避難した。
シスター野々村が、パンパンッと二回手を叩く。
「猫ちゃんが驚いていますよ。猫ちゃんと遊ぶのは、お茶のあとにしましょうね」
静かになった子どもたちに、シスターは告げる。
「さぁ、みんな手を洗ってらっしゃい。お茶の時間ですよ」
「は~い」
にこやかに言うシスターに、子どもたちは素直に返事をして、手を洗いに行く。




