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神宿り  作者:
第1章
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14/103

13

コ…コミュ力の低い私には、この前書きとか後書きに何を書いていいかわからない…

色々書いてる作家さんたち、すごい!

「猫ちゃんにはミルクをあげましょうね。ミルク、大丈夫?」

 若いシスターが、皿にミルクを持ってきた。

「ええ。ありがとうございます」

 創樹が頷いた。


「ゆりえがやるっ!」

 優梨江が小さな手で若いシスターからミルクの皿をうけとり、二匹の猫の前に並べる。二匹の猫は、行儀よく座り、待っている。優梨江と創樹を交互に見ながら。


「お姉ちゃん、どうしてゆめと、うつつ、ミルク飲まないの?」

 優梨江が不思議そうに創樹を見上げた。ミルクを持ってきた若いシスターや、他の人間もその様子にこちらをうかがう。


「優梨江ちゃんはここでお茶をいただく時、どうする?」

「え…?」

 問い返され、優梨江は首を傾げた。


「えっと…えっと…、手を洗って、お席について、それからシスターが『どうぞ』って言うの。だから、いただきます、って…」

「じゃあ、この子たちは、何を待ってるのかな?」

「え…? ………あっ! もしかして…」

 優梨江は問われ、猫たちを見た。

「どうぞ、めしあがれ」

 それから猫たちに声をかける。

 二匹の猫は一声鳴いて、ミルクをなめ始めた。


「うわぁ、ゆめもうつつも、いい子だね。ちゃんと『いただきます』してからミルク飲むんだ」

 優梨江がにっこりと笑った。周囲の大人たちは感心している。

「お姉ちゃん、手、洗いに行こう?」

 しばらくそれをながめていた優梨江が、やがて立ち上がり、創樹の手を引っ張った。


 二人は手を洗い、戻ってくると、用意されていた席に座る。

 若いシスターが全員のカップに紅茶をそそいでいく。

 おしゃべり中心の奥様方に、お菓子を頬張る子どもたち。

 創樹は子どもたちの相手をしていた。


 口数も少なく、あまり表情も変えない創樹だったが、不思議と子どもたちは創樹になついた。

 特に優梨江は、創樹のそばを離れようとしない。


「「みゃぁ~う」」

 猫たちが、通りすがりの若いシスターに鳴き声を上げる。

「ん? あら、もう飲み終ったのね。お皿さげてもいいのかしら」

「「みゅっ」」

 二匹の猫はそろって応える。

「はい、じゃあ持って行きましょうね」

 声をかけて二枚の皿を片付けるシスターに、二匹の猫が『ごちそうさま』と言うように鳴いた。


「そーじゅねーちゃん、見て見て」

 お菓子とお茶に満足した子どもたちの興味の対象は、当然のごとく猫に移る。

 食後の毛づくろいをしようとしていた猫たちは、少々不機嫌そうな瞳を創樹に向けた。

 特に、子どもたちに笑われて、黒猫は機嫌が悪い。

 ミルクが飛んで、漆黒の毛並みに小さな水玉模様が描かれていた。白猫もミルクを飛び散らせているが、純白の毛並みにまぎれて目立たない。


 創樹は静かに席を立った。優梨江もついて立ち上がる。

 子どもたちに囲まれ、不機嫌そうな猫たちに、創樹は微笑らしきものを唇に乗せ、床にひざをつくと手をさしのべる。子どもたちの手をすり抜け、一瞬で猫たちは創樹の元へ駆け寄った。

 創樹はハンカチをとりだし、点々とつくミルクをぬぐってやる。

 二匹の猫は自分の体を舐めて毛並みを整えると、ようやく機嫌を直したようだ。

 仕方ないな、と言いたげに子どもたちの相手をする。


 白猫の方はおとなしく、じっと子どもたちの好きなように触れさせていたが、黒猫はさわられるのを嫌うように、子どもたちの肩や頭の上を飛び回っていた。だが、それも子どもたちには追い駆ける楽しみとなる。


「そうじゅねーちゃん、ゆめもうつつも変わってるね」

 男の子が白猫の目をのぞきこみながら言った。

「あたし、目の色が片方ずつ違うネコなんてはじめて見た」

 隣にいた女の子も白猫を撫でながら言った。

「きれいだね」

 初めの男の子が入った時、パタパタと動き回っていた若いシスターがやってきた。

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