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うーん…どこで次のページに行くか悩む…
キリがいいところって難しい。
「あの教会も、何か変だったね…」
どこかの屋上だろうか。
床に座りこみ、足を投げだしている創樹。
傍らの虎は、創樹を守るように寝そべっていた。
白猫が創樹を見上げた。創樹は小さく頷く。
「…確かに、あのシスターじゃない」
黒猫が創樹のひざに飛び乗り、見上げた。
「……彼もやっぱり違うのか…」
創樹のつぶやきを肯定するように、白猫が鳴いた。黒猫はチラッと白猫を見やったあと、再び創樹を見上げる。
「記憶…? ……でも、それと何の関係が…」
考え込みそうになる創樹の手に、虎が軽く鼻先を押し付け、見つめた。
「砕牙…」
虎を見つめ返し、創樹がつぶやいた。
「今は、情報を増やすしかないね…。現、何か、彼のを見て気付いたこと、ある? あ、その前に、彼の名前は…?」
虎から黒猫に視線を移し、創樹は尋ねた。黒猫が創樹を見つめる。
「久保田遼介、か…」
呟いた創樹を意味ありげに見上げ、黒猫が鳴いた。
「ホント!?」
確認する創樹に、黒猫が不満げな瞳になる。
「ごめん、現。現のことは信じてるよ」
創樹は黒猫を抱き上げる。
「でも、あの地域に何が…?」
創樹の呟きは、風にさらわれた…。
* * *
一人の男が、一軒の家を見ていた。
「……面白い…。思わぬ副産物だ…」
暗く、冷たい声で男は独語した。
「これならば予定より早く…」
ここは夕刻、創樹の立っていた場所だ。
「そろそろ、次の展開を期待しよう」
空気を凍てつかせる笑い声は、夜の闇に消えた…。
* * *
教会の門のそばで、ほうきを片手に遼介はため息をついた。
くすくすと笑いながら子ども連れのお母さんが二組そばを通過して、教会の中に消えた。
「何で日曜にまでこんなコトしなきゃなんねんだぁ?」
ぼやく遼介の頭を、哲哉がパシッと軽くはたく。
「それは俺の台詞だ。巻き添えにしやがって…」
憮然とした表情。
哲哉に借りた教科書を返却しに来た遼介が、その教科書を投げ返したとき、通りかかった生徒にぶつかって狙いがそれ、見事に窓ガラスを突き破ったのだ。それが一昨日のこと。連帯責任で哲哉までもありがたい『奉仕作業』をする羽目になった。
泰善高校はカトリック系のミッションスクールである。
「ハハハ…、ほ、ほら! イチレンタクショーっていうじゃん」
「こういう時にだけ都合のいいこと言うな。おかげで優等生だった俺の評判台無し」
「悪かった、って。それに、優等生の仮面なんてとっとと脱いじまえ。猫かぶってたって疲れるだけだろ? なっ!」
「お前…ポジティブっつーか、無責任っつーか…。よくそこまでほざけるよなァ」
半ば呆れたように哲哉は言った。
「まぁ、いいや。とにかくさっさと終わらせようぜ」
「あっ!」
うながす哲哉の言葉に、遼介の声が重なった。
「別にかぶってるわけじゃない猫が来た」
「?」
ほうきを地面に放りだし、門に駆け寄る遼介の言葉に首を傾げつつ、哲哉は行く先を見やる。
「よう。昨日は学生証拾ってくれてありがとな。え~っと…ゆめ、じゃなくて…もういっこの、う~? …何とかって名前の…」
「現だ。世話になったんだから名前くらい覚えとけ」
同じくそばに来た哲哉がつっこむ。
その通り、とばかりに、とがめるような瞳で遼介を見上げていた黒猫が鳴いた。
黒猫のそばに、白猫が駆け寄ってくる。
遼介と哲哉が顔を上げると、創樹が門のところに現れた。
創樹の瞳が二人の姿をとらえる。二人は息をのんだ。
数秒の間、二人を無言で見つめていた創樹が、軽く会釈した。
同時に二人は息をはきだす。
「う…あ…、どうも、神代さん」
立ち上がりつつ、遼介が言った。
「あ…、そういや、俺たち名乗ってなかったよな。俺は谷村哲哉」
同じく立ち上がりつつ、とりつくろうように哲哉が名乗った。
「あ、俺、久保田遼介」
あわてて遼介も名乗る。
知らないうちにポイントってやつが入ってた!
まだここのシステムわからないけど、何だかすっごい嬉しい!




