文章力:⑦横書き小説と改行、空行
前回に続いて、横書きのWeb小説における読みやすい書き方、というのを考えてみます。
■ 改行、空行の使い方
Web小説で特徴的だと思うのは、改行と空行の使い方です。
一般的な縦書き小説においては、段落はいくつかの文をまとめた塊です。そして、段落と段落の間は改行のみで、空行は基本的に挟みません。
これは、「縦書きだから」と「紙の本だから」という理由が大きいです。
紙の本の特徴を考えてみると、
・一行が縦に長いため、段落が行の途中で終わる確率が高く余白ができやすい
・ページの上下左右、見開きの空間など、余白が用意されている
・「読者がページをめくる」という行為が必要であり、読者の認知上の区切りがある
こういった「文字が存在しないスペース」が多数存在するため、自然と読者が文字の圧を感じにくい、疲れにくい形式になっています。
■ 横書き小説で「文字が多くてつらい」となる理由
一方、横書きのWeb小説においてはまったく逆のことが言えます。
・一行が短いため、普通の一文が何行にも渡り、余白が少ない
・(とくにスマホで読む場合)画面が小さく、その分文字が画面を占める割合が大きい
・下にスクロールするだけで次から次へと続きが読めてしまう
これらの理由から、縦書きの感覚で書いていくと、「文字が多い」「圧を感じる」という印象を与える可能性があります。
実際、私は紙の本もWeb小説も読みますが、紙の本では普通に読めるのにWeb小説だと文字が多くてつらい、と感じることも多々あります。
■ Web小説は改行が多い
Web小説でよく目にするのは、とにかく改行が多く、段落と段落の間に空行を入れる手法です。
これは、もう強引に余白を作り出すやり方です。画面上に表示される文字数が単純に減るので、読者に優しい表現方法です。
とはいえ、一文ごと、セリフとセリフの間にも空行を入れるのはやりすぎです。最後まで読むために、とんでもない量のスクロールが要求されることになってしまいます。
目安としては、
・段落を短く切る(一つの段落に文は1~3個まで)
・段落と段落の間には空行を入れる
・地の文とセリフの間には空行を入れる
これくらいが多すぎず少なすぎずで、ここから好みによって調整していくのがいいのではないでしょうか。
【今回のまとめ】
・縦書き小説の感覚で横書き小説を書くと、余白が少なすぎる
・空行を効果的に入れることで、読者の負担を軽減する
・空行は入れすぎ注意、ちょうどいいバランスを見つける




