文章力:⑥漢数字と算用数字の使い分け
小説の書き方には、一般に浸透しているルールがあります。
・段落の先頭は字下げをする
・セリフの括弧の最後に句点「。」はつけない
・「!」や「?」の後ろにスペースを入れる
・三点リーダー「…」を使う場合は偶数個並べる
などです。
これらのルールは、基本的には守った方がいいことが多いです。
創作は自由なものではありますが、こうしたルールにはそうなるに至った理由があります。元からあるルールを守るという、小説界隈へのリスペクトでもあります。
それでも、これらのルールは必ず守らなければならない、というわけでもありません。
■ 漢数字と算用数字の使い分け
その一つの例が、今回のテーマである「漢数字と算用数字の使い分け」です。
基本的に、小説においては漢数字を使用します。今までの人生で読んできた小説のほとんどがそうなので、そういうものだ、と思っている方も多いと思います。
ですが、漢数字を使用する理由は「紙の小説が縦書きだから」です。
では、Web小説の場合はどうでしょうか。
縦書きのサイトもあるのかもしれませんが、少なくともこの小説家になろうは横書きです。であれば、算用数字を使っても問題がない、と言えます。
例を挙げてみます。
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①時は一九八六年。
②時は1986年。
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どちらが読みやすいかと言ったら、圧倒的に②だと思います。
紙の小説では大抵の場合①ですが、横書きでこのような年号を書く場合、算用数字の方が明らかに視認性がいいです。
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①ついに富士山の頂上に到着した。標高三七七六メートル。
②ついに富士山の頂上に到着した。標高3776メートル。
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これも、②の方が見やすいはずです。ある程度桁数のある数字については、算用数字にしたほうがむしろいい、と考えられます。
とはいえ、何から何まで算用数字にすればいい、というものでもありません。
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①太郎はもう一度手を上げた。
②太郎はもう1度手を上げた。
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これは①が正しく、②は明らかに間違いです。ここでの「一度」は「一」+「度」ではなく、「一度」で一単語だからです。
このように、すべてのケースに当てはまるわけではありません。ですが、横書きのWeb小説においては、算用数字を積極的に使っていった方がむしろ読みやすくなることがあります。
【今回のまとめ】
・一般に言われている「小説を書くときのルール」は、原則守ったほうがよい
・その上で、ルールの中には縦書き小説を前提としているものもある
・横書き小説においては、状況によって算用数字の方が読みやすいこともある




