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これは責任婚のはずでしたが、初恋の騎士様の愛が重すぎます~部下の責任を取ると求婚してきた副団長が外堀を埋めて溺愛してきます  作者: 青海きのこ


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第77話 休日デート

「これはどうだ?」


レスターは女性もののピンクのベビードールを手にした。サラが以前購入したもののように肌を隠す気のない素材で、なおかつ、ずいぶん丈が短い。


「う……うん」


いいのか悪いのか曖昧な返答をしがら、サラは顔を赤らめた。

以前マチルダと訪れた店に、本当にレスターと訪問することになっていた。

店内には女性客に連れられた男性客も数人いるが、圧倒的に女性客が多い。

そして――ここでも、レスターは悪目立ちしていた。

今日のデートも、目立つのを嫌ってシンプルな平服を着用していた。

それに加えて、キャスケットをかぶり眼鏡をかけていた。

前世だったら、芸能人の変装かと突っ込みを入れたくなるような恰好だったが、レスターの纏うキラキラオーラは隠しきれていない。

店内の女性客が、チラチラとレスターを盗み見しているのが嫌という程分かった。


「サラがいいなら、これを買おうか」

「え!?」


ランジェリー選びどころではなくなっていたサラに、レスターがさらっと話を進めた。


「違うほうがいい?」

「その……あの……それは、少し足が……出過ぎているような」

「じゃあ、こっちは?」


レスターはマネキンが着用している夜着を指した。サラが以前購入したもののように長めの夜着ではあったが、胸元がずいぶん大きく開いていた。


「えっと……これは――胸が」

「開いていて、触りやすくていいかと思ったけど」


顔を赤らめるサラを揶揄うように、レスターが耳元で囁いた。


「夜着もいいけど、こういう下着もいいな」


以前店で見たときに驚いた、穴の開いた下着の体を成していないものをチラッと見た。


「ああいうものだと、着たままでできるだろう?」

「!?」


恥ずかしさに声を出せずにいると、さらにレスターが続けた。


「こういう……紐を解くだけのものもいいな。すぐ脱がせられるし。着たままも興奮するけど、やっぱり裸のサラを――」

「レスター!」


耳元で不埒なことを囁き続けるレスターに、サラはこれ以上ないほど真っ赤になって抗議した。レスターはそんなサラを見て、お腹を抱えて笑った。


「なっ……なによぉ。そんなに笑わなくても――」

「ごめん、ごめん。あんまり真っ赤になっているから、可愛くて。つい」


(揶揄われたってこと……?)


「ひどい」

「ごめんって。あんまり恥ずかしがっているから、一体サラがあの夜着をどうやって買ったのか不思議に思って。悪かったよ」

「あれは……一世一代の決意だったし……」

「一世一代?」

「――だって……なんとか、レスターに……見てもらいたかったから――」


レスターの指が、サラの腰を引き寄せた。口をとがらせたサラがそういうと、再びレスターがサラの耳元に近付いた。


「あんまり、外で可愛いこと言わないでくれ。夜まで我慢できなくなるだろう」

「……☆◇●△#★」


レスターの甘い囁きに、サラは動揺を隠しきれなかった。


◇◇◇


ノーザンドから戻ってからこの2週間は、怒涛のごとく過ぎた。

まずは、1課長、3課長、騎士団長の協力を得られ、北部研究設立チームが組まれた。チームには管理職のほか、北部へ赴いたレスター、ハンネス、サラも含まれた。王太子への提案のために、連日話し合いが持たれ、サラの案を叩き台として現実可能な路線に修正を加えられた。


「ランドンを専門職員として常駐させるということだが、私は賛成できないな」

「いくら罰を与えられたとしても、信用できる人間性ではないのは明らかだ。監視役もいない状況でのさばられてまたトラブルに発展したらどうする」

「さすがにランドンに責任者を任せるのは早計すぎる」


いずれの管理職からも強固な反対があり、結局は王都から職員を派遣する案で調整することになった。また、新薬に魔獣を活用していることは秘匿した方がよいということで、火焔狐(フレアテイル)の件は北部騎士団長のラケルおよび王宮からの派遣職員のみの秘匿情報にする方向性にまとまり、王太子への説明資料は完成した。


――そして、ようやく今日、二人そろって休日を迎えることができた。


「仕事も一段落したし、たまには街でデートでもしようか」


レスターがそう誘ってくれ、休日デートが実現した。


(レスターとのお出かけは本当に嬉しいけど――……まさか、こんな、お出かけになるとは……思っていなかったわ)


レスターは先ほどの店の袋を手に、にこにことサラの手を引いて歩いた。


(この後は、マチルダに紹介されたお店で食事をすることになっているけど……。さっきの店で買ったものが気になりすぎて、食事どころじゃない……)


ノーザンドから戻ってから、二人とも連日仕事に忙殺されゆっくりと抱き合うこともできていなかった。サラは品よく食事をするレスターの顔をチラッと盗み見た。いつもはクールな瞳のレスターが、獰猛な獣のような熱を持つ瞬間を思い出し、密かに顔を赤らめた。


(明日も休みだし……。今日は久しぶりに――)


サラは目の前の食事を楽しむよりも、夜のことで頭がいっぱいになっていた。目の前のレスターの瞳が熱を帯びていることにも気が付かないほどに。

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