第58話 好き過ぎて……
前半部分は、R15シーンです。
苦手な方は読み飛ばしてください。
レスターがサラの身体に伸し掛かった。
この前の突然の拘束とは、全然違った。
サラの頬を撫でるレスターの手は優しく、髪の先から、首筋、肩、腕、指先まで、丁寧に甘い口づけを落とした。
「サラ、脱がしてもいい?」
服から見えている範囲に隈なく口づけをした後、レスターがサラに訊ねた。
サラが頷くと、レスターの指が器用にサラの服をはぎ取った。
サラの下着にレスターの手がかかったとき、サラの身体がビクッと震えた。
レスターはその震えに反応すると、手を止めた。
「……怖い?」
レスターはサラの様子を観察するように言った。
サラは下着を手で隠しながら、顔を赤らめて首を振った。
「そっ……そうじゃ……ないんだけど、明るいし……」
秘め事に耽るには、まだ日が高かった。
「私だけ……脱ぐのが――」
サラは身体の前を隠すように身を縮めた。
そんなサラを見て、レスターは部屋のカーテンを閉め、自分の服を脱ぎ捨てた。
シャツを脱いだレスターの身体は、鍛え抜かれた筋肉が盛り上がり想像以上に逞しかった。
サラは初めて見るレスターの裸体に、鼓動が激しく鳴った。
(レスターにも脱ぐように催促したみたいで……)
上半身裸になったレスターが、下着を身体の前で隠すサラに「これで、いい?」と訊ねた。
薄暗くなった部屋で、サラは自分の下着を脱いだ。
(レスターの視線が……)
「レ……レスター……ちょっと目を閉じていて……」
そういうと、レスターはそっと瞳を閉じた。
レスターが目を閉じている間に、サラはパッと下着を脱いだ。
全てを見せるのはまだ恥ずかしいサラは、胸を腕で隠しながら「レスター……もう、いいよ」と声をかけた。
レスターの碧の瞳が、サラの裸体を映していた。
「そ……そんなに見られると……恥ずかしい」
「ごめん。思った以上に……きれいで――」
レスターは顔を赤らめながら、そっとサラに近付いた。
レスターの素肌とサラの素肌が、初めて直接触れ合った。
(……あったかい)
レスターの大きな手に胸が包まれると、先ほどと同様に丁寧に甘い口づけを落とした。
レスターの唇は、本当にサラの身体の全てに口づけをしようとしていた。
レスターの唇が、サラの胸の頂に触れた瞬間、サラの身体が我慢できないようにピクッと跳ねた。
(もうダメ……)
「んっ……」
「――サラ、嫌?」
サラは火照った頬でかぶりを振った。
「嫌……じゃ、ないけど……なんか――変な感じが……してっ……あっ」
サラはレスターの唇の動きに反応して、レスターにしがみついた。
レスターはしがみつくサラを安心させるように抱きしめた。
「怖くなったら言うんだよ。ちゃんと、やめるから」
「やっ……怖くない。だから……やめないで」
「……あんまり、かわいいこと、言われると口づけでやめられなくなるから……」
「レスター……好き」
「だから――……」
レスターは、その後もサラの身体の隅々まで甘い口づけを落としていった。
◇◇◇
(すごく……気持ちよかった)
「サラ? 聞いている? サラー?」
ぼんやりしているサラの眼前のマチルダの顔がにゅっと現れた。
「わぁっ!」
「何度、呼んでもぼんやりしているから……」
「え!」
ハッとして周りを見ると、みんながサラを見ていた。
(しまった……――。仕事中なのに……あんなこと、考えているなんて)
「あ……ごめんなさい。えっと――……万能薬の種類を増やすって話ですよね」
「そう。どう思う?」
今日は新薬開発のための会議だった。
この前の研修に続きマチルダの発案で、回復薬のバリエーションを増やすために3課内で数名が集まって議論していた。
「私は良いと思います。いまの回復薬はどちらかと言えば万能薬ですけど、傷口の再生とか、自己治癒力の活性化とか、毒や呪術の浄化とか、そういうものに特化したものの開発をするのも良いかなって」
「いいね。魔力の乱れを調律するようなものがあっても良いかも」
サラの言葉に乗って、他の職員もアイデアを出した。
「今までは薬草がメインでしたけど、鉱物だとか動物だとかももっと積極的に活用したらどう?」と、マチルダが重ねた。
(なるほど。この世界だとそういうものは少ないけど、漢方でも活用されているし面白そう。というか、この世界でやるなら――)
「魔獣は?」
サラがポツッと言った言葉に、皆が反応した。
「魔獣!?」
「魔獣はそもそも魔力があるし……その死骸にも効力があるかも……」
「……確かに――」
「あと、込める魔力の質を高めるとか……。1課の協力が得られれば」
サラの言葉にマチルダは手を打った。
「それはすぐにできそうね! 課長、1課に話してもらうことってできますか?」
「ああ、もう少し開発薬について詰めてから、他課へ依頼を求めるのは可能だよ。さっきの魔獣の件も、騎士団に要請を出せば検討してもらえるんじゃないか?」
“騎士団”という言葉に、サラの胸がドキッとした。
サラはレスターに関する言葉は、全て胸がときめいてしまっていた。
(まっ……また、仕事中なのに……)
言い出しっぺのサラは、またレスターのことで頭がいっぱいになってしまっていた。
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