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第二話 『また一緒のクラス!』



「四年二組、っと……」


新しいクラス表を見ながら、

私は小さく呟いた。


春。


始業式。


校庭の桜は、

まだ少しだけ残っている。


周りでは、


「同じクラスだー!」

「最悪ー!」


なんて声が飛び交っていた。


私はそんな中、

じーっとクラス表を見つめる。


そして。


「あ」


見つけた。


その瞬間。


口元が、

にやっと緩む。



教室へ入る。


新しい席。


新しい担任。


少しだけ騒がしい空気。


でも。


私の視線は、

ずっと一人を探していた。


そして。


窓側の後ろ。


見慣れた顔を見つける。


「悠真くーん」


「うわっ」


急に声をかけられた悠真くんが、

びくっと肩を跳ねさせた。


私は、

その反応を見て満足する。


「やっぱりいた」


「そりゃいるだろ、同じクラスなんだから」


「また一緒だねー」


「……その顔やめろ」


「どの顔?」


「絶対なんか考えてる顔」


失礼だなあ。


でも。


半分くらい当たってる。


私は机へ頬杖をつきながら、

にやっと笑った。


「また一緒に実験しようね!」


「やっぱりかー!」


教室の何人かが、

何事かとこちらを見る。


悠真くんは、

頭を抱えていた。



私――愛衣は、

人の反応を見るのが好きだ。


別に、

いじめたいわけじゃない。


困らせたいわけでもない。


ただ。


「なんでそうなるの?」


が、

気になって仕方ないのだ。


例えば。


急に名前を呼ばれると、

人はびっくりする。


でも。


仲良い人だと、

怒るより先に返事する。


逆に、

先生に呼ばれると、

ちょっと警戒する。


そういう、

小さい反応。


それを見るのが、

すごく面白い。


そして。


悠真くんは、

特に反応がわかりやすい。


「今日は何する気だ……」


「まだ何もしてないよ?」


「その“まだ”が怖い」


「ふふ」


やっぱり面白い。



ホームルーム中。


担任の先生が自己紹介をしている。


その間。


私は、

前の席の子を観察していた。


新しいクラスだと、

みんな少し緊張している。


姿勢が固い。


声が小さい。


でも。


仲良しの子と話す時だけ、

急に笑顔になる。


“安心してる相手”

だと、

人ってすぐ変わる。


その変化が、

なんだか好きだった。


「愛衣ー」


小声で呼ばれる。


横を見ると、

悠真くんがこっちを見ていた。


「今また、

人のこと観察してただろ」


「してないよー?」


「目が完全にしてた」


鋭い。


私は少しだけ笑う。


「ねえ悠真くん」


「ん?」


「人って、

面白いと思わない?」


「急だな……」


悠真くんは、

少し考える。


その間にも、

表情がころころ変わる。


私はそれを見ながら、

わくわくしていた。


すると。


悠真くんは、

困ったように笑った。


「……愛衣見てると、

そうかもって思う」


その答えに。


私は、

少しだけ嬉しくなった。


「でしょ!」


やっぱり。


今年も、

楽しい一年になりそうだった。


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