66 窒息
しばらく魔物への立ち向かい方を考えていたアルマは、ある結論に至った。
「この口、塞いであげるのが一番…かな」
この口を塞ぐ。それは単純に窒息ダメージを与えられる。その上で、恐らくこの魔物の一番の武器であろう口を使えなくする、という二つの意味がある。
自分で考えていいな、と思ったアルマはこの魔物の口を塞ぐべく、素早く三号へ指示を飛ばす。
指示を受けた三号は、勢いよく自身の腹の先から糸を噴射した。
勢いよく飛び出した三号の糸はどんどんと魔物の口の中に吸い込まれていく、
そうしてすぐに、魔物がむせるように大きく咳をし始めた。同時に暴れ出し、壁を大きく削りつつある。
当然だろう。三号の生み出す糸は粘着性がある。食べ物が落ちてくると思って構えていた口に食べ物じゃないものが入り込んでくる。その上、それが喉に張り付いて息が苦しくなりつつある。
そうなれば暴れるほかない。とりあえず口を閉じて、口内の問題に対処しようとする。アルマが同じ状況でもそうしただろう。
しかしながらそれは悪手。
危険を感じたアルマは三号とゴリラを引き連れて上昇を始める。三号はずっと糸を噴射したまま上昇をする。
魔物は口を閉じてしまったため、その噴射された糸は魔物の口の中へは入っていかない。しかし、その体には付着する。
魔物の体についた糸が動きを鈍らせると同時に、魔物自身が暴れた影響で崩れた岩や石が糸にくっついて重量を増していく。
今この魔物が取れる最適解は、じっとその場で落ち着いて最速でのどの糸の対処をして襲ってくるか、喉なんてなりふり構わずアルマ達を襲うかの二択である。
しかし、その選択を魔物はしていない。現在進行形でアルマ達に有利を譲っているのである。
それも短い間のことで、魔物はアルマの予想の何倍も速く喉をどうにかしてアルマ達への攻撃を始めた。
上昇を続けるアルマ達を追いかけるようにして、デカい図体で壁を破壊しながら物凄い速度で上昇してくる。
だんだんと周りが明るい高さになってきて、やっと魔物の全体像が見えてきた。
一言で表すならば、バカでかいタコである。しかし、その頭の部分は半分以上を口が占めていて、今はきれいに口をつぐんでいる。足のような触手のようなものが四本頭から生えている。
その四本の触手を器用に使って穴の壁を破壊しながらアルマ達を追いかける姿は怖いなんて言葉じゃ言い表せないほど気味の悪い光景となっている。
ゴリラだけはとっくに地上に上がっていて、糸を噴射していて速度が出ない三号と図体の大きさから三号ほどの最高速度が出せないアルマがタコと追いかけっこをしている状況である。
追い付かれそうだ、そう判断したアルマはゴリラに素早く指示を出した。
読んでいただき本当にありがとうございます!
次回、タコの実力………?
「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!
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