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06 死闘

 逃げながら【モスキート―ン】で倒れている個体を見つけ出す。殺した個体の位置は把握してるから、恐らく吹き飛ばされた死にかけは残り7匹。そのうち3匹を早急に処理する。……ショック死。死にかけのネズミ達が麻酔なしの吸血、それもほんの数秒で死ぬ理由。死にかけで体も心も弱ってる、その状態で首に突然針が刺さる。耐えられるわけがない。まして低ランクのモンスター。考えてみれば可能性は高い。


 残り4匹。その4匹は魔法ネズミの方に吹き飛ばされていてなかなか手が出しにくい。今、無策であれに突っ込んでいけばまず間違いなく死んでしまう。でも、奴らの経験値は必ず必要になる。


「どうしたもんかね……、っう”、危ねぇ”よ」


 正面から口を全開にして飛び掛かってくるネズミを避けて飛ぶ。自分の状態を常に忘れないのは戦い以前の問題。そんなことを怠った俺はバランスを崩して逆さに落ちていた。横からチャンスとばかりにネズミが飛び掛かる。それを避けるためにまた横に飛び、前を向く。正面には大きな口、咄嗟に周りを見渡すと前にも、右にも、左にも、後ろにも、上にも、下にも、隙間なんてないほどに四方八方からネズミ達が飛び掛かってきていた。


 もう、終わりか?まあ、頑張った方じゃないか。死体処理係として底辺として生きて、よくわからないまま蚊として、短かったけど必死に生きた。もう………、


 そう思い目を閉じる。そのすぐ後に経験したことのないとてつもない衝撃が、押し出されるような衝撃が俺を襲った。



 しばらくたっても一向に意識がなくならない。死後の世界にでも来たのか?そんなことをおもってゆっくり目を開ける。視界に広がったのは灰色の毛。


「ネ、ズミ??」


 そう、ネズミだ。四方八方をネズミに囲まれている。それはさっきと変わらない。でもさっきとはまるで状況が違う。押し込まれてる。俺を含めた無数のネズミが。とっさに【モスキート―ン】を意識すると衝撃の情報が俺の脳内に流れ込んでくる。

 魔法ネズミ、その5匹を除いたほぼすべてのネズミが壁際に押し込まれている。その中心部に俺はいるようだ。


「察するに、風魔法か、でも威力があまりにも強すぎる。あいつらがこの威力を出せるとは到底思えない。」


 でも、もし、全員が同じタイミングでそれぞれの最大火力を放ったとしたら?あり得ない話ではない、と、思う。

 まあ、なんにせよ、俺が今やらないといけないことは一つだけ。

 そう俺は口を勢いよく前に見える肉に突き刺した。



 そうすること数十分。どうやら転がってるネズミ達は全員、最初に吹き飛ばされた9匹、それと同じように瀕死の状態にあるらしい。何十匹も死んでいるがそれでも途方もない数の個体が生きている。

 俺が殺したのは20匹ほど、意外と埋まっていると移動にも時間がかかる。それも生き残りを見極めつつとなるとさらに、である。


『レベルが上がりました。進化が可能です。』


 そんなときだった。この声が頭に響いたのは。


 進化?

 急いでステータスを確認するとレベルが10に上がっていた。


名前:アルマ 種族:イノセント・モスキート


Lv.10


スキル:

吸血 Lv.5 気配遮断 Lv.7 麻酔 Lv.3 モスキート―ン Lv.8


進化:可能


進化先候補:

【マリス・モスキート】 【イノセント・バズ】


読んでいただき本当にありがとうございます!


次回、アルマの選択とは、どういった道を歩むのか、進化道の第一歩です!


「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。


毎日投稿してます!毎日18:30に更新中です。応援してくださると励みになります!

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