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58 晴天

 しばらくしみじみと余韻に浸っていたアルマは、気持ちを切り替えて、目の前の光景を見る。


「…転移陣、かな」


 視界に広がるのは、淡く水色に発光している魔法陣。キメラと戦った時の魔法陣と似ているので、おそらく転移陣だろうと予測する。


 アルマは少し考える素振りをした後に、確かな足取りで転移陣の方へ進んでいく。


 その顔には迷いは一切なく、晴れやかで爽やかな雰囲気を漂わせていた。

 三号もその後をゆっくりとついてくる。再生しきっていない足を庇いながらも、上手くバランスをとって、スムーズに進んでくる。


 そして、二匹が魔法陣の中心にやってきたとき、魔法陣は眩い輝きを放った。視界が白の光で埋め尽くされていく。






 視界が開けたとき、目の前に飛び込んできたのは、水色だった。いや、薄い水色から群青色のグラデーションと言った方がいいかもしれない。



「…………」


 アルマは膝から崩れ落ちる。


 その目には涙がたまっていて、今にも零れ落ちそうな勢いであった。肩を震わせながら目の前の情景を目に焼き付ける。


「やっと……。いつぶりだろう、ね」


 そう、アルマの目の前に広がるのは、空。周りに漂うのは、澄んだ空気。地面に広がるのは、生い茂った草花。


 アルマと三号は、ダンジョンの外にぽつんと佇んでいた。


 アルマがこの光景を見るのは人間ぶり。長い、とても長いダンジョン生活だった。


 アルマが前にこの光景を見た時とは随分とサイズ感が違う。しかし、そのなんとも言えないちっぽけな感じに、世界の雄大さに、どうしようもなくアルマは感動していた。


 アルマが生きてきた中でここまで何かに心を動かされたことはあっただろうか。

 そう考えてみてもすぐには思いつかないほどに、少ない経験である。


 アルマと三号は大きく伸びをして、深呼吸をする。


 二匹は、存分にこの自然の空気感を味わった。

読んでいただき本当にありがとうございます!


次回、次のアクション…………!?


「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!


毎日18:30に更新中です!

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