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55 強敵

「格好いい、とは言ったものの、どうしよっかなぁ」


 アルマは絶賛、大蛇と鬼ごっこをしていた。アルマ、というよりは、三号が、といった方が正しいか。


 アルマは現在、天井付近から精神系スキルを発動しながら三号と大蛇の鬼ごっこを眺める、もとい、三号を操作して必死に大蛇から逃げていた。


 このまま逃げ続けられるなら余裕で勝てそうなものだが、そうもいかないのがダンジョンというものである。


 三号は急ブレーキをかけて右方向に曲がる。


 そのまま進んでいたら通っていたであろう位置を土の槍が飛んでいく。


 これが一筋縄ではいかない理由。大蛇の土魔法である。最初気づかなくてちょっと右の腕が二本ほど吹っ飛ばされている。


 【自然回復】で少しずつ再生をしているはいいものの、確実に追い付いていない。そうこう考えているうちにもどんどんとかすり傷が増えていく。


「厳しいね。空中戦、あんまり慣れてないんだよね。」


 いつかのキメラと空中戦をしたとき、あれはたまたま上手くいっただけである。その上、今は三号を操作していて、慣れない体の大きさ。いつもの感覚でいるとすぐ体に風穴があいてしまう。


 アルマは神経を尖らせていた。

 大蛇自体の動き。地面、壁から飛んでくる土魔法、その流れ弾にアルマ本体が直撃しないかなど、気にすることは意外と多い。


 大蛇の胴に乗って、一時的に休憩をしていると、急に足が熱を感じた。


「ぇっ?」


 素早く三号はその場を離れるが、足の裏がひりひりする。


 見ると、大蛇の体の周りが若干揺れている。恐らくこれは蜃気楼か陽炎であろう。大蛇の体の表面が熱くなっている。そのために引き起こされた光の屈折。


 つまり、大蛇に触れることがこちらのダメージになる、ということである。


 もう休憩も、体が掠るのも、有効な攻撃手段とされてしまった。


 三号は必死に逃げ回る。


 しかし、追い打ちをかけるように大蛇の喉元が内側から光っていく。


「ぁ、これ、やばい奴だ」


 三号が必死にヘイトを稼ぐ。その間にアルマはその口先の延長線上から素早く離脱した。




―――辺りが一面真っ白に染まった―――


 それは大蛇が口を開いた、その直後のことである。


 口からビーム。そんな手札を隠し持っていた大蛇の策はアルマ達にとって、本当に戦いを苦しくさせるものだった。


 その太さは絶大。光が収まったころには壁がぼっこりとへこんでいて、その太さと威力の高さを物語っている。


 アルマと三号は、そんな様子を見ながら冷や汗をかいていた。


 これに当たったら致命傷どころの話じゃない。一撃必殺。塵にも残らないだろう。


 だが、隠している手札があるのは大蛇だけの話ではなかった。

読んでいただき本当にありがとうございます!


次回、大蛇との闘いの行方……!!


「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!


毎日18:30に更新中です!

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