53 門前
下へと続いていく緩やかな坂、それは、あまりにも長かった。もう既に十分以上進んでいるのにまだ先は見えてこない。こんなに長い坂は初めてである。
これまでの坂は全て一分もかからないほどの長さだった。緩やかとは言えども、もう既に相当な距離を進んでいる。アルマは結構深い位置にまで移動をしてきていた。
ここは階層間の連絡通路である。そのため、魔物は一切出てこない。しかし、逆にそれが今は不気味だった。
前を見ても後ろを見ても果てしなく続く一本道。そのど真ん中にぽつんとアルマと三号が寄り添って歩いている。
そんなこんなでもうしばらく道を進み、やっとたどり着いたのは、大きな大きな門の前。
何メートルあるのだろうか。移動中に二号の大きさぐらいまで成長しきった三号が前に並んでみても、一見普通のサイズの蚊なのか、と疑ってしまうほど、門が大きい。何十メートルもある。
「ボス部屋、かな?これだけ立派なんだし、多分、そうだよね」
目の前にたたずむ門は、ただの平平凡凡な門ではない。その模様はだれが見ても細かすぎるほど凝られていて、大きな魔物のような絵が中央にドン、と描かれている。
その恐ろしさと言ったら、このダンジョンのボスである、と言われないと納得ができないほどである。
その絵の魔物は、蛇のような竜のような細長いナニカである。その目つきは鋭く、絵であってもこちらをその場に縫いとめる迫力がある。
「多分、この魔物が奥にいるんだよね……。正攻法じゃ勝てなさそうかな。」
正攻法、それは真正面から戦う、ということである。
正攻法じゃ勝てない、それは半ば予想していたことである。アルマがこれまで正攻法で勝ててきた相手は一体どれほどいただろう。
少なくとも、初見の敵は全員ハメ殺しだった記憶がアルマにはあった。正攻法で勝てたのは、二号が生まれてからである。
その時からそこまで強くなっているわけでもないアルマが、ダンジョンのボスに正攻法で勝てそうか?
答えは否、である。
そのことが分かっているアルマは、最初から【一点集中】を使うつもりで、発動できるスキルを全部発動する。
そうして、扉にそっと触れた。
名前:アルマ 種族:ミスティック・メア
Lv.2
スキル:
喰血 Lv.8 気配迷彩 Lv.9 神経毒 Lv.6 ミスティック・ハミング Lv.9
魅惑の羽音 Lv.3 魔獣合成 Lv.1 一点集中 Lv.10 幻惑 Lv.2 自然回復 Lv.7
毒耐性 Lv.6 支配 Lv.1 錯乱 Lv.3 精神保護 Lv.6 毒 Lv.3 糸 Lv.3
読んでいただき本当にありがとうございます!
次回、門の先の景色……。
「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!
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