52 思い出
完全に目が覚めたアルマは、改めて三号を探す。
しかし、巣の中では見つからない。慌てて外に出てみるともう既に見上げるほどに大きくなっている三号がいた。
まだ前の二号の最大サイズには遠く及ばない。50センチほどの大きさである。それほど大きい訳でもないにも関わらず、三号は謎の威圧感を放っていた。
アルマは『おぉ』と変な声を思わず出してしまう。あまりにも成長速度が速すぎてまだ脳が理解に追い付いていない。
それか、それだけ長い時間を寝て過ごしていたのか、である。
まぁ、その線はないと断言していいだろう。
アルマの脳に残っている三号の記憶ではそんなに時間は経っていない。なんなら、リアルタイムでぐんぐんと大きくなって、目線の位置が上がっていく記憶が鮮明に残っている。
アルマはふと思いついたように【支配】を発動する。
その瞬間、三号の体の構造がアルマの脳内に流れ込んでくる。
しかし、前のようなひどい衝撃はない。もう既に、一度解析が終わった二号の体と全く同じつくり。
蜘蛛と【魔獣合成】で入れ替えた器官まで一緒である。
これにはアルマも少し驚いた。細胞の記憶、というやつだろうか。それともただのスキルとか種族としての特性か。
アルマは個人的に細胞の記憶だったらいいな、と考える。二号の記憶を継いで生まれてくる、そんな妄想をして胸がキュッと引き締まる。
「二号のためにも、頑張らなくちゃね」
そう自分を鼓舞して目の前に広がる坂を見据える。
次の階層へと続いていそうな坂。先は見えない。そのことがより一層次の階層への期待を膨らませる。
次はどんな魔物がいるだろう。どこまで自分は強くなれるのだろう。そんな期待を胸に膨らませながら、アルマは三号と共に、坂を下っていく。
読んでいただき本当にありがとうございます!
次回、次層の魔物……!!
「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!
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