47 敗走
一瞬、アルマの時が止まる。
「ぁ―――――ぅあ”」
アルマの脳がショートする。死の衝撃は今のアルマには大きすぎる。【精神保護】も効いているようだが、死の衝撃からはアルマを守り切れない。スキルレベルが低すぎるのである。
よろけながら、ふらふらと空中を漂うアルマ。しかし、その進行方向は確実に冒険者パーティと逆方向に進んでいる。
アルマの意思なのか、それともただの生存本能なのか。それは分からない。ただ、生きようという気がまだ残っているのは確かである。
冒険者たちは二号の死体に群がって観察、解体をしている様子である。
果たして、腹も貫かれて、頭も爆ぜた死体に、有効に使える部位はあるのだろうか。
とにかく、アルマの存在に気が付いている者は四人の中には誰もいない。やはり、小さい体と【気配迷彩】は相乗効果があるのだろう。でなければ、二号の存在にすぐに気が付いた四人がアルマに目もくれないのはおかしい。
「まぁ…不幸中の、幸い、かな」
アルマは息を切らして飛び続けながらボソッと呟く。その目は虚ろで、冷や汗を滝のようにかいていた。
全力逃走をしばらく続けて、アルマの【ミスティック・ハミング】の探知範囲から四人が抜けてもなおがむしゃらに飛び続けて、やっと一息ついたとき。
アルマはバタリと倒れて、気絶するように目を閉じた。
気絶するように、ではない。もはや気絶である。二号はアルマの操作で動いている。もちろん、感覚なども共有されている。
感覚を共有している相手が死んだら………。アルマ側にも死ぬ衝撃は、感覚は、感じさせられる。
死ぬ衝撃は、誰もが想像を絶するほどであろう。
頭が爆ぜる感覚、腹に何かが突き刺さって貫通する感覚、すべてアルマは味わった。
ここまで気力だけで逃げてこれたことの方が奇跡である。
読んでいただき本当にありがとうございます!
次回、二号の生死……!?
「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!
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