46 格差
人間たちのパーティーが角から顔を見せる。
全身鎧で大盾をもった戦士。軽鎧を着て片手剣を持った剣士が一人、何も持っていないのが一人、軽装で杖を持っているのが一人である。
四人はこちらをみてしばらく怪訝そうに眉を寄せてこちらを凝視した後、何かに気づいたように目を見開いた。
二号の存在に気づいたのだろう。【気配迷彩】でも二号の存在感を完全に消すことはできない。
一般人程度なら騙せるかもしれないが、冒険者にこの違和感は見逃してもらえないだろう。今のようにすぐにバレて終わりである。
こちらに気づいた後衛の杖を持った人から魔法が飛んでくる。火の魔法である。
完全に不利。攻撃型の魔法使いの時点で結構詰んでいる上に、属性は火。とことん運がないと言える。
水か風、土だったらまだ勝機はあった。しかし、火と風、雷は一撃で死にかねないアルマが警戒する属性である。
全身鎧の男が一歩前に出た瞬間、アルマの脳が逃走に切り替わる。
多分、今の二号の口では、全身鎧を貫通して肉体を直接攻撃できるだけの攻撃能力はない。
【糸】で拘束をしようと思ってもすぐに火の魔法で焼き切られるだろう。意味は薄い。
そう瞬時に判断したアルマはすぐに【幻惑】を発動する。
「なんとかして逃げる隙を作るしかないね。もうほぼ勝てな…………っ!」
アルマは目を見開く。その目は捉えてしまった。軽鎧の手ぶらの人間が剣の形をした炎を呼び出すところを。
―――魔法剣士。剣を使いながら魔法で攻撃する人、または魔法の剣で戦う人を指す。
この人の場合は後者である。
アルマは二号に指示を出す。二号はその指示を受けて、冒険者たちに向けて【糸】を勢いよく噴射する。
全身鎧が一歩前に前進して糸をすべて受け止める。魔法剣士と魔法使いが一斉に火を使って糸を焼き切りにかかる。
その間にアルマは【幻惑】を発動して、二号と共に全力で逃げる。
背を向けて逃げている二匹。全身鎧の男は去っていった二匹には目もくれずに、通路の右の辺りをにらんでいる。
アルマの【幻惑】の効果である。
しかし、他の三名には効いている様子がない。【精神保護】のレベルが高いのだろうか。
そんなことをアルマが思っていた時、突然、二号の体が弾けた。
正確に言うと、後ろから飛んできた剣に腹を貫かれて、飛んできた魔法が脳天を直撃、はじけ飛んだだけである。
読んでいただき本当にありがとうございます!
次回、二号、死す?
「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!
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