45 襲来
それからしばらくして、休憩の後、アルマは狩りを再開していた。
現在は巣の中にいる蜘蛛に向かって、【一点集中】で精神攻撃をしている最中である。
精神系スキルをかけ終わり、血を吸い始める。その速度は最初に蚊として血を吸った頃とは比べ物にならない。今となってはもう懐かしいような思い出である。
素早く血を吸いきって、【一点集中】を解除する。
「………嫌な気配がする」
アルマが捉えた気配は、恐らく人間。
前までのアルマだったらきっと喜んでいただろう。なにせ人間は情報と血の源。張り付いているだけでいろいろなものが手に入る、まさに楽園。
しかし、今はもう状況が変わっている。
その一番の変化は、二号の存在である。
二号はとにかくデカい。【気配迷彩】ではカバーしきれないほどの存在感。流石に【気配迷彩】があるとはいえど、視界を塞ぐほどの大きさだったらバレることは他の魔物で立証済み。
魔物が気づくものに人間が気づかないはずはないだろう。
気付かれたら最後、二号は確実に討伐対象。見た目は禍々しい蚊の魔物である。
剣を向けられない訳がない。そんなことがあったら逆に頭が大丈夫か疑いたくなるほどである。
正面から戦ったら勝てないかもしれない…。そんな考えがアルマの頭によぎる。
相手の数は4人。輪郭から見るに、全身鎧を着た戦士が一人、軽鎧を付けた近接戦闘をしそうな人が二人、軽装の後衛が一人。
アルマ達も二匹とはいえ、流石に分が悪い。
近接戦闘ができるのは二号の一匹だけ。三対一の構図。後衛が攻撃をしてくるタイプだったら四対一。アルマは即効性のない精神系スキルばかりで、四対二の構図にするにはしばらく時間がかかる。
アルマ達の唯一の勝機は精神系スキルを決めることだけなのだが、それの時間を稼がせてくれるとは考えづらい。真っ先に二号が死んで終わりだろう。
逃げるか、戦うか。それを選択できる段階はとうに過ぎている。
人間たちのパーティーはもうすぐそこの角の先にまで迫ってきていた。
読んでいただき本当にありがとうございます!
次回、正面衝突……!?
「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!
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