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40 合成

 頭の中にある蜘蛛の情報、それから二号の情報、これらを使って合成をする、ということは、二号と蜘蛛を必然的に組み合わせることになる。


 この二匹を組み合わせる、ということが予想できた時点でアルマはどちらをベースにするかはもう決めていた。

 迷うまでもなく、当たり前に二号をベースにする。


 進化で分裂した自分の片割れ。そんな簡単に手放せるものではない。そこらのどこにでもいる蜘蛛と比べたらその価値はアルマから見て、天と地ほどの差がある。


 迷う暇もない、というかアルマには蜘蛛をベースにする、という考えが元からなかった。きっと誰かそれを聞いてくれる者が隣にいたら、目を丸くして『その発想はなかった』と、驚いているところであろう。


 そんなアルマは、蜘蛛のどこを二号にくっつけるか、どこにどう手を加えれば強くなれるかを考えていた。


 蜘蛛の特徴と言えば、目と足が八つずつあること。それから毒を持っていること。それから糸を出すこと。そのくらいである。

 強いて言うなら頭も他の魔物よりは良いだろうが、元人間であるアルマの頭脳に比べたら余裕で霞んでしまう。二号はそんなアルマの意思で動いているため、脳みそは不要だろう。


 …と考えていたのだが、アルマはふと、あることに気付く。


「脳みそ移植したらさ、脳の処理能力上がるんじゃない?」


 アルマはいいこと思いついた、とでも言うように笑顔を見せた。


 しかしながら問題は、脳をどこに移植するか、である。


 アルマは自分の片割れであり相棒である二号の見た目が気持ち悪くなることは望んでいない。もう虫の時点であんまり見ために好意的な感情は抱いていないのにこれ以上気持ち悪くなられたら困るのである。


 そこで考え付いたのが、いらないものと交換する、ということである。


 果たしていらない部位や内臓などは蚊にあるのか?


 ―――ある。


 一つ確実に要らないのは、胃である。アルマの体は不思議なことに、いくら自分の体積以上の血を吸っても、物理的にお腹が膨らむことは、蚊生の中で一度もなかった。


 そんなアルマから分裂した二号なら、同じく胃を使うことはないだろう。という予想である。


 二号のお腹の大部分は胃が占めている。この胃がなくなれば、いろんな器官を蜘蛛から移植できるだろう。


 内臓があったところにいろいろ移植するため、見た目は何も変わらない。アルマにとってうれしい限りである。



 最終的に、胃のあった部分に移植すると決めたのは、蜘蛛の脳、毒を作る器官、毒を流し込む管、糸を作る器官、それを体外に出すための同線。


 大きく分けると、脳と毒と糸の三つである。


 これをもともと胃が入っていた場所に入れる。


 そうすると、脳の処理能力が単純計算、進化前の三倍近くに上がって、毒を使って継続ダメージを与えられるようになり、糸を使って相手を拘束することも可能になる。



「……強すぎだなぁ。嬉しい。もうこの階層の魔物には負けないんじゃない?」


 そう思いながら【魔獣合成】をもう一度発動する。


 変えたい二号と蜘蛛の姿を思い浮かべると、突然、二号の腹が静かに裂けて、胃が引きずり出される。


 同様に、蜘蛛の方も頭が裂けて脳が出てきて、腹が裂けて、毒と糸に関連する器官が出てくる。


 一般人から見たら卒倒もののグロイ場面ではあるのだが、元々死体処理係だったアルマからすれば、興味の対象。


 きらきらした瞳で、内臓が入れ替わって、裂けた部分が何事もなかったかのように塞がり、きれいに元通りになる光景を眺めていた。

読んでいただき本当にありがとうございます!


次回、成長した二号の実力…お披露目!?


「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!


毎日18:30に更新中です!

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