39 関係
蜘蛛はアルマの言うとおりに、アルマと二号、そして蜘蛛自身を囲むように巣を張っていく。
通路を塞ぐように。本来の蜘蛛の巣は、罠としての機能が必要なので、見えずらいように薄く巣を張っているのだが、今回は太い糸が何重にもなっていて視界さえも塞いでいる。
出口すら見当たらないほど厳重に巣を張っていた。
【支配】での関係は、ただの主従の関係よりも深い位置にある。
スキルを使った魂と魂の架け橋。【支配】をはじめとした精神干渉系のスキルや、同調系のスキルでの意思疎通はは簡単な言葉で行っても、スキルがない場合より得られる上昇量に天と地ほどの差がある。
言葉の真意、相手の意図、心の中の感情までなんとなく相手に伝わるのである。
『アルマと二号を囲むように巣を張れ』
これだけの言葉で、蜘蛛がここまで正確にアルマの意図を把握して行動に移せた理由はそれである。
完全に外界との接続が遮断された状態になり、アルマはほっと息をつく。
しかし、息をついている場合ではない。新しい情報は更新されなくなったとはいえど、もともとの情報が多すぎる。その情報量は今もなおアルマの脳みそを犯し続けている。
頭が裂けるような頭痛がアルマを襲う。
数十分間苦しみながら、必死にアルマと、二号、二つの脳みそで情報の処理を進める。
最初に分かったのは、大きく二つ。
この情報が二号と蜘蛛に関する情報だということ。それから、二匹の身体構造に関わる情報だということ。
どうやら、【魔獣合成】を発動するためには、魔物の身体構造を知っている必要があるらしく、そのための情報であるらしい。
支配した魔物の身体構造の情報を使って、体を分解したり、くっつけたりして、支配下にある魔物を強化していく。
これが、【魔獣合成】の効果である。
伝承の中のキメラ合成を試みていた人たちは、この死ぬような頭痛を一つの理由としてキメラ創造を禁忌と指定したのかもしれない。
アルマの情報整理が完了した。
一度、処理が終わると、あんなにもがき苦しんでいたのが嘘のように気分と頭の中が、スッキリ晴れやかになり、精神的には疲れたが、身体的な痛み、疲れは一切ない。
このスキルで得られた情報は、身体構造の情報だけ。でも、その情報の細かさは凄まじかった。
種族から始まり、個体、器官、組織、細胞、と少しずつ解像度が高くなっていき、最終的には分子レベルにまで到達する。そして、アルマはその情報をすべて、丁寧に認識している。
つまり。これで好きなように【魔獣合成】を使う土台が整った、ということである。
あとは、実験をしてみるだけである。
読んでいただき本当にありがとうございます!
次回、ほんとのほんとにスキル発動!
「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!
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