38 頭痛
「合成!!」
しかし、周りに何も変化は起こらない。
「あれ?なんかやり方が間違ってるのかな」
「…………あっ。スキル名言ってないから?」
そう、アルマは『合成』と叫んだだけで、スキル名は一切口にしていない。これまでアルマは、スキルを発動するとき、常時発動タイプの物は何も言ってないが、意識的に発動するものは全て、スキル名を言って発動をしていたはずである。
当然決め台詞だけでスキルが発動するはずもない。
「……ん”ん”っ!…よし。【魔獣合成】」
わざとらしく、仕切り直しの咳払いをした後、やっとスキル名を言う。
すると、アルマの中に、途轍もない量の情報が流れ込んできた。
「あ”っ!」
アルマを物凄い頭痛が襲う。こんな酷い痛みは蚊になって初めてである。
頭の内側で何かが急速に膨らんで爆発しそうな、そんなレベルの不快感と、激痛。生物、本当に辛いときは、声も出せなくなるものである。
アルマは地面に這いつくばって、肩で息をしている。
二号も、また、痛みで這いつくばっていた。つまり、二号の脳にも負荷がかかっている、ということである。
二匹分の脳みそに分けて、この負担、進化で分裂をしていなかったら今頃どうなっていたことか。
意識を失いたいほどの強烈な苦痛。だが、それさえも頭痛が許してはくれない。常に痛みを与え続ける。休んでいる暇はない。
十分ほど悶え続けていると、もう新しい情報は来なくなった。あとは、整理するだけである。
しかし、それはあまりにも程遠い。十分間もの間、激痛を与え続けた情報量の多さは伊達じゃない。
そんな、やろうと思ってすぐできるものではない。この階層の、低い魔物達との遭遇率をもってしても、何回魔物と戦わなきゃいけないのか……。
「蜘蛛、僕たちを囲むように、巣を張ってくれる?」
アルマが選択したのは、情報の処理を優先する、という選択肢。非常に賢明な判断である。
読んでいただき本当にありがとうございます!
次回、遂に、スキルの発動に至る………!?
「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!
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