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27 現状

 アルマの意識が覚醒に近づき、瞳の奥に光が届き始める。


 アルマはずいぶんと長く眠っていたような気がしていた。それは事実である。眠気をすでに感じていた中でオオトカゲと戦い、アドレナリンが出ていたものの、眠気がなくなるわけではない。加えてアルマの消耗具合もすごかった。体力が削られてないはずがないのである。長く寝ていたのは当然の結果と言えるだろう。


 アルマがしょぼしょぼする目をこすりながら辺りを見回すとオオトカゲの死体はもう残っておらず、あるのは崩れたダンジョンの破片だけであった。


「…それにしても、この階層のレベルだと【気配迷彩】もあんまり意味をなさないね。過信しすぎないようにしないといけないかな」


 オオトカゲをアルマが認識した時にはすでにオオトカゲはこちらを認識していた。【気配迷彩】はずっと発動しているのにも関わらず、である。


 オオトカゲが特殊な例の可能性もあるが、この階層の魔物全体が見破ってくると見たほうが確実だろう。


 油断は命取り。アルマは蚊になってからこの言葉の本当の意味を学んだ。

 油断しているときに限っていつもよりすごい敵、イレギュラーな仕掛け、思いがけないハプニングが起こる。世の必然である。


 そして、油断するときは大抵慣れてきた時と、極度の緊張から解放されたとき、それから安心材料が出来てしまった時である。


 今のアルマは、オオトカゲと戦うという極度の緊張から解放され、その上、【自然回復】という、小さな一つの怪我が進化をするまでの致命傷になり得ない、という安心材料を手に入れてしまっている。

 非常に危険な状態である。


 そのことをアルマも自覚しており、【ミスティック・ハミング】での索敵を注意深く行っている。


 今のアルマの状態ならしばらくは安全そうである。

 意識だけでなく、スキルレベルも上がってきていて【魅了の羽音】は現在9レベル。あと一つレベルが上がればカンスト、次の進化でスキルも進化する予定である。


「…進化。オオトカゲを倒して一つしかレベルが上がらなかったのにあと7レベルも上げないといけないだなんて……きつすぎるよ」


 虚空に向かって助けを求める。


 当然のことながら返事は何もなかった。

読んでいただき本当にありがとうございます!


次回、こそ、探索……予定


「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!


毎日18:30に更新中です!

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