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25 熱望

 アルマは今までにないほど全力でスキルの発動を意識した。


「自分の意思でスキルの強さが変わるかは分からないけど……」


 やらないよりマシ、ということである。ほとんど動けないアルマに勝てる可能性はは気合と根性と切望と情熱くらいしか残っていない。

 アルマが現在意識しているのは【一点集中】と【ミスティック・ハミング】、【魅了の羽音】に【幻】である。



 一方、オオトカゲは再びにアルマの存在が認知できなくなっていた。【幻】の効果を完全に振り切るのは不可能だったようだった。

 獲物を認知できなくなったオオトカゲがどういう行動に出るか、それはもうさっきの通りである。


 後ろ足で立ち、頭を上に向け、舌を出し、少しずつ回転し始める。またダンジョンをえぐり取って飛ばす気である。


 しかし、足元はさっきより不安定で、舌の回し方にも覇気が感じられない。そうとう【魅了の羽音】と【幻】が効いているようである。


 いくら状態異常にかかっていようとオオトカゲはオオトカゲ、その力はいまだに脅威。着実に勢いを増し続けてもう壁が削れ初めて、砂埃が辺りに舞っている。


 次第に回転数も増え、さっきの竜巻のような形に近い姿になってきた。さすがにさっきのようにとはいかなさそうではあるが、弱ったアルマを殺すには十分すぎる力である。


 石が飛ぶ。壁が削れる。砂が舞う。土が飛び散る。

 それの射程はどんどんとアルマに近づいてきていて、もうさっき目の前に石が落ちたばかりである。


 こうなってはアルマにはもう祈ることしかできない。はやく魅了にかかれと、幻に惑わされろ、と。


 ぎゅっと目を閉じて、スキルだけに集中する。


 音が聞こえる。舌が空を切る音。壁にたたきつけられる音。天井を削り取る音。石が近くに落ちる音。土が飛び散って、そこら辺に広がる音。そしてなにより、俺の荒い呼吸の音。



 しばらく耐えていた途端、アルマは目を見開いてオオトカゲの方を見る。



 そこにいたのは、回転の力がほとんどなくなって、今まさに仰向けに倒れていくオオトカゲの姿だった。

読んでいただき本当にありがとうございます!


次回、オオトカゲの血…です。


「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!


毎日18:30に更新中です!

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