15 戦利品
目の前に狼の顔が迫る。口は裂けるように開かれていて、唾液が糸を引いている。
それを間一髪で避け、耳の辺りに止まる。キメラは地面に突っ込んでぶつかることはなく、急上昇を始めた。
ミミズの尾が俺を振り払うように狼の頭を撫でるが、効果はない。俺はすでに耳の奥の方へと入り込んでいた。
俺は、反撃の可能性が低いとみて、一気に血を吸い始めた。
「んぅっっ!?」
体に電流が走ったような衝撃を受ける。最近は慣れてきたと思っていたのだが、キメラへの吸血で得られる快楽は他の比にもならない。三人組の冒険者の数倍である。あまりおいしくも快楽も感じない獣の血ばかり吸っていたからすっかり忘れていた。不意打ちは卑怯なものだ。
血を吸い始めたとき、突然、キメラが動きを鈍らせた。羽ばたくのを緩め、地上の方へ向かっている。
急にどうしたのだろうか。麻酔を使っているため、血を吸ったことが原因とは考えにくい。魅了の効果だろうか。
「兎にも角にも、今が好機。」
気合を入れなおして血を吸う。もうキメラは体をわさわさと揺らすだけで、抵抗はほとんどなくなっていた。
一時間後。やっとほとんどの血を吸い終わって、キメラが絶命した。
『レベルが上がりました。』
名前:アルマ 種族:イノセント・バス
Lv.9
スキル:
吸血 Lv.10 気配遮断 Lv.10 麻酔 Lv.9 モスキートーン Lv.10 魅了の羽音Lv.5
お互いが万全な状態で、最初から近接戦闘も織り交ぜて戦われていたら俺はとっくに死んでいただろう。たかが蚊だと舐めてくれて助かった。
「レベルは9、5レベルも急に上がったのか。流石強敵。けがは無かったけど死にかけたし、これぐらい勝利のご褒美としては相応しいよね。
スキルも【吸血】と【気配遮断】が10になったし、順調だな。」
『戦利品を獲得できます。選択してください。』
1.【キメラのダガー】 タイプ:武器
この武器で相手を切りつけると、傷から浸食が始まり、完全に浸食が終わると、心を壊すことができる。
2.【魔獣合成】 タイプ:スキル
【支配】状態にある生物同士を合成し、合成魔獣、キメラを生み出す。強さは元となった生物の強さに由来する。
読んでいただき本当にありがとうございます!
次回、戦利品選択です!
「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。
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