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13 登場

 進む。進む。どんどんと進む。もうどれくらい飛んだだろうか。わからない。ただ、心身ともに疲れてきたのは事実である。


 先に光を見つけた。飛行速度を上げる。

 光の先にあったのは。


「ひっろ。てか、また?」


 とても大きな空間だった。下を見下ろすと階段の先に広間が広がっており、その床には、巨大な魔法陣が浮かんでいた。


 もうどうにでもなれというように魔法陣を踏もうと飛び立つ。が、そうはならなかった。俺が近づくと、突然魔法陣が発光を始めた。


 神々しい光とともに、ずるり、ずるりと不気味な音を立てながら、黒いナニカが這い上がってくる。べちょべちょとした黒い泥のようなナニカ。

 数十秒かけて完全に這い上がったナニカは、大きな咆哮をあげた。すると、全身の黒いもやが散乱し始める。顔が見えた。


「あれは、、獣?」


 そう言い切れるかは怪しい姿をしている。

 頭は狼、体は熊、しっぽの位置にはミミズが生えていて、カマキリの腕が二本追加で生えている。背中からはコウモリの羽が生え、胸の位置にはゴーレムの石が埋め込まれていた。


「オオオオオオオォォォォォオオオォォォオオ!!!」


「……キメラ。」


 後ろを見る。入ってきた入口はもう塞がれ、どこから入ってきたのかもよくわからなくなっている。階段も幻のように消え去り、目の前のキメラと俺以外にこの部屋にはなにもない。


 キメラ、昔、ある国が軍事力向上のための遺伝子実験と称し、生み出したとされる歴史上最低のバケモノ。研究の末、キメラは脳が壊れているため使役ができないと結論付けられ処分されそうになったとき、抵抗として、たった数匹で国を半壊させたといわれる戦闘力のバケモノ。


 当時の勇者に討伐されたと聞いたが、ダンジョンにいるとは……。


「人間が生み出したものが人間の干渉できないダンジョン内にいるなんて、歴史も信用しすぎないほうがいいな。」


 のんきにそんなことを言っている俺の元に、こぶしが振り下ろされる。

読んでいただき本当にありがとうございます!


次回、アルマはキメラとどう戦うのか……!


「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。


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