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異世界バンド~俺たちの熱い魂(ソウル)で異世界を救ってやるぜ!  作者: 未羊


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83曲目 情報ゲット

 俺たちはフェルマの宿屋に泊まり、翌日、改めて冒険者ギルドを訪れた。

 宿だが、冒険者ギルドから紹介してもらった場所だったので、スフォルたちも問題なく受け入れてもらえたぜ。テイマーって呼ばれる連中が使う宿だそうだ。従魔用の食事も充実していて、それは嬉しそうにしてたぜ。

 いい宿を紹介してもらったお礼も言いたいので、俺たちはさっさと中へと足を踏み入れる。

 中へと足を踏み入れると、昨日とは違ってがっつりと視線を向けられた。ミュゼスがいたのがでかかったんだな、昨日は。


「おや、もう来られたのですか」


 俺の姿を見つけた女性が走ってくる。ギルドマスターであるヴィオラだった。


「はい、少しでもお早い方がいいかと思いまして、やって来てしまいました」


「そうですか。それでは、私の部屋へと移動しましょう」


 モニーの答えに戸惑いながらも、ヴィオラは俺たちを自分の部屋へと案内していた。


 部屋へと入ると、そこにはミュゼスもいた。俺たちとは別行動になったと思ったら、こんなところにいやがったのか。

 俺たちがやってきたことを知って、ミュゼスは立ち上がって俺たちと向き合っている。


「お早いお越しですね。そちらにおかけになって下さい。今、用意をしますので」


「分かりました」


 ミュゼスがいうものだから、俺たちは応接用のテーブルを囲むように座る。

 本当ならここを取り仕切るのはヴィオラのはずだ。なのに、なぜミュゼスが取り仕切っているんだ?

 目の前の光景に、俺は首を捻っていた。


 ようやく体裁が整い、俺たちの目の前にミュゼスとヴィオラが座る。何やらいろいろと書類を持っているようだが、どうしてそんなに必要なんだろうな。

 俺とキーボが疑問に思っている中、ようやく二人から話が始まった。


「聖器のお話でしたね」


 ヴィオラがおもむろに口を開く。


「はい」


 ヴィオラの言葉を受けて、モニーが短く返事をしている。

 そうかと思えば、今度はミュゼスと顔を見合わせている。何かあったというのだろうか。


「実は、聖器かどうかは分かりませんが、妙な物を持った人物というお話は、この王都の冒険者ギルドにも届いております」


「それは、どのようなものなのでしょうか」


 ヴィオラが話をすると、モニーがすぐさま反応をしている。やはり、こういう権力者相手だと、聖女っていうのは強いな。スコア王国の中じゃそこそこいい感じだったフォルテですら静かだから、本当に頼りになるってもんだ。

 俺は状況を見守りながら、モニーのことを再評価している。

 それはそれとして、俺たちはモニーと冒険者ギルドとのやり取りを見守り続ける。

 ヴィオラが話してきた内容によれば、フェルマの北東にあるティックという田舎町で、丸い筒のような物体を持った人物がいるということらしい。

 その丸い筒っていう言い方では形状がよく分からないんだが、ドラムセットにある太鼓のことを言っているのだとするなら、まあ特徴と一致する話ではある。

 ドラムにはキック、スネアなどのドラムと、ハイハット、クラッシュとかのシンバルが備わっているからな。なんかごちゃごちゃ種類があるんだが、ギター以外は専門外でよく覚えてねえぜ。


「なるほど、ティックという街ですね?」


「ええ、そうですけれど……。もしや、自分たちだけで向かわれるおつもりですか?」


 モニーが考え込むような仕草を見せると、ヴィオラは声を出して驚いている。よく見れば、隣のミュゼスも目を開いている。声には出てないが驚いているのは間違いないな。


「はい、その通りです。私たちは四つあるという聖器をそろえ、魔王を討伐するという目的があるのですから。この子たちもいますので、私たちは大丈夫です」


「わうっ!」


 モニーが言い切ると、スフォルたちがそろって返事をするかのように鳴いている。本当に、こいつらは俺たちに懐いてしまっているな。まっ、頼もしいっちゃ頼もしいんだがな。

 だが、それが通用しないっていうのが世の中だ。

 その最大の理由が、俺たちの構成だな。メロディは十歳ちょっとって言ってたし、フォルテもほぼ同い年だ。モニーですら十代半ばを過ぎたところ。そりゃ、ミュゼスたち大人からすれば、心配になるよなぁ。

 ところが、モニーたちにはそんなことは関係ないって雰囲気だ。メロディもフォルテもやる気十分だし、リリアは見た目ゴブリン、中身は二十歳の女性だからな。


「……どうしたものかな」


「あなたの家から、誰か回せないのかしら」


「無理だろう。俺の家族は頭の固い連中ばかりだ。なら、冒険者ギルドから、誰か護衛をつけた方がまだいい」


「そう……。なら、女性の冒険者を誰かつけましょうか」


「それがいい。頼むよ、ヴィオラ」


 大人な二人は、ずいぶんと悩んでいたようだ。結果として、女性の冒険者を護衛につけることで話はまとまったみたいだ。やっぱ、子どもだけで冒険はさせられないってことのようだな。

 モニーの方も考えていたものの、物事がスムーズに進むのならと、冒険者ギルドの言い分を受け入れることにしたみたいだな。

 俺としても、面倒なトラブルはできればない方がいい。女性ばかりの集団となることは、俺たちとしちゃ困ることだが、表向きは女性だけだからしょうがねえよな。俺たちが我慢すればいいだけのことだ。


「兄さん。鼻の下伸ばしてないわよね?」


『んなわけあるか。少しは兄を信用しろ、リリア』


 リリアから小声で話し掛けられた俺は、同じように小声で言い返しておいた。メロディたちには、俺とリリアが兄妹であることはまだ教えてないからな。

 とまぁ、いろいろと問題点はあるものの、事態は前に進みそうだ。

 ドラムと思われる情報を得た俺たちは、次の目的地をティックと定めた。

 俺たちの求める聖器があるのか。期待は高まるばかりだぜ。

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