表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界バンド~俺たちの熱い魂(ソウル)で異世界を救ってやるぜ!  作者: 未羊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

105/109

105曲目 変形!

 ミュゼスから依頼を受けたのはいいが、俺たちは次の目的地がよく分からねえ。


『次はどこに向かうべきだろうかな』


「それでしたら、やはり王都フェルマに戻るのが一番だと思います。国王陛下もですし、冒険者ギルドもどこよりも多くの情報を持っていますからね」


 俺が悩んでいると、モニーがその様に助言をしてくれた。


「あと、商業ギルドに声をかけたら、珍しい鉱石などの情報も手に入るでしょうし、ミクスさんがついてくる理由にもなりますよ」


「なに、珍しい鉱石だって?!」


 モニーの言葉に、面白いくらいに食いついている。わっかりやすいなぁ。

 だが、そうなると問題は移動手段だ。まあ、ウルフ連中がいるから困らないとはいえ、こいつらに頼みっぱなしってのもなぁ。

 さぁ、どうしたものか。


『リーダー、こういう時は俺様に任せてくれ』


『なんだよ、ドラム』


 何かいい案がありそうな雰囲気で、ドラムが俺に話しかけてくる。


『ミクス、ヴィークルモードって叫んでくれねえか?』


「な、なんだ、そのヴィー……なんとかって」


『なんでもいいんだよ。とりあえず叫んでくれ』


 突然のドラムの頼みに、ミクスが意味が分からないという表情を浮かべている。まあ、こっちの世界じゃヴィークル(乗り物)なんて単語ねえんだな。

 ドラムに押し切られる形で、ミクスは渋々了承しているみたいだぜ。


「ヴィークルモード!」


 ものすごく恥ずかしがりながら、なぜか右手を高く掲げて叫んでいる。なんで右手を上げたよ。

 ところが、ミクスが叫んだ瞬間、ドラムの体が光り出す。

 本体自体はキックドラムみたいなんだが、光った瞬間、スネアとタムが飛び出してきて、キックドラムと合体していく。他にもシンバル類やスティックも出てきて、なんかアニメでよくある変形シーンみたいになっているぜ。

 しばらくして光がやんだかと思えば、そこに現れたのはでっかいキャンピングカーみたいな姿になったドラムだった。

 なんだよ、このミュージシャンたちに怒られそうな姿はよ……。

 なんでかって? タイヤ部分がドラムだからだよ。


『ふふん、どうだい。俺様の乗り物形態は!』


 なぜか得意げに喋ってやがんな。

 とはいえ、ドラムがこんな姿を持っているのも、なんとなくだが納得できる。

 それというのも、俺たちのバンドで運転を担当していたのが、他でもないドラムだからだ。俺たちだって免許を持っているが、ドラムが運転しているのが一番安全だったからな。うん、お察しだよ。


『ほらほら、乗った乗った。王都ってところに行くんだろ?』


『分かったよ。まったく、うるさいやつだな』


 俺たちは渋々、メロディたちに伝えて中へと乗りこむ。

 ところが、中に入って驚いたな。


『おいおい、まるで家じゃねえかよ』


「なんですか、これ。まるでシステムキッチンじゃないですか。わぁ、水道がある。こっちにはトイレで、お風呂まで!」


 リリアが驚きすぎている。あっちの世界の単語をつぶやきまくりだぞ。


『おう。ワンコどもが乗っても大丈夫だぜ』


 ドラムがこんなことを言うものだから、スフォルたちウルフたちとアニマートも一緒に中に乗る。まったく問題がねえ。

 しかも、よくよく見てみたら、外から見える大きさと、中に入った時の大きさが釣り合ってねえぜ。これが魔法のある世界の不思議ってやつだな!


『みんな乗ったな? ミクス、運転席に来てくれ。乗り込んだ場所の左手に扉があるから、そこを開ければ運転席だ』


「あ、ああ。とりあえずいう通りにするぜ」


 ぽかんとした表情のまま、ミクスはドラムに言われるがままに扉を開けていく。


「うわぁ、なんだこりゃあっ!」


 でっかい叫び声が聞こえるので、俺はメロディに言って運転席に向かってもらう。

 扉をくぐると、うん、さっきまでの空間と違って実にこじんまりとした運転席があった。隣にはもちろん、助手席もあった。

 ミクスが何に驚いているかと思ったら、ハンドルなどの内部設備のようだ。


「すげぇ。よくは分からねえが、なんか洗練されたものを感じるぜ」


 あっ、そうか。こいつ鍛冶師の娘だもんな。デザインとかそういうのにも興味があるってことか。そうかそうか。


『なんだ、リーダーも来たのか。なら、そこの嬢ちゃんは隣の席に座ってくれ。ミクスはこっちの輪っかのある方な』


「は、はい」


「おう、分かったぜ」


 ドラムに言われるがままに、ミクスは運転席に、メロディは助手席に座り込む。


『そんじゃ、王都フェルマってところに向かうから、方向を指示しておくれ。ミクスは覚えるまで、俺様の運転技術を見て学ぶんだ』


「分かったよ。こんなワクワクしたのはなんとも久しぶりだぜ」


 表情と言葉から、気分が昂っているのがよく分かるぜ。


『おう。それじゃ、リーダー。王都までの方向を指示してくれよ。それに従って俺様が自動運転してやるからよ』


「お、おう」


 うん、やべぇ。全然方向を覚えてないぜ。


『リーダー? もしや、方向が分からねえなんてこたぁ、ねえですよね?』


 ぎくり。

 せっかく王都に戻るってことになったのに、肝心の方向が分からない。

 はてさてどうしたものか。俺はこの状況を解決するために、ぐるぐると思考を巡らせることになったのだった。

 はあ、なんとも前途多難だぜ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ