表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/30

3人で水族館へ



夕方過ぎとなり俺たちはそろそろ帰ろうとなって、駅に向かいホームで電車を待っていた。


「侑汰君、明日の休みはどうする?」

「別に何でもいいよ。何処か行きたいところとかある?」


朱莉が聞いてきたのでそう答えると、


「明日も3人で何処かお出かけしたいな」

沙奈江がそう言ってきた。


「それじゃ、海辺にある水族館にでも行こうか」


7月になりもう夏なので外は暑い。なので涼しい水族館で優雅に魚でも眺めようと思った。


「それがいい、じゃ 水族館で決定だね」


朱莉がそれで決まりという感じで話をまとめて明日の行き先は決まった。

二人とも明日の約束が楽しみなのかとても穏やかな表情をして微笑んでいたように見えた… 俺はそう感じていた。


やがて皆と別れて俺は自宅に戻った。家に戻るとすでに姉さんは帰っていた。


「ただいま」


「お帰り、侑ちゃん。今日はお出かけしてたの?」


「テスト明けなんで、あの二人とショッピングモールに行ってた」


「仲良くやれてるの?」


「皆で仲良くやってるよ。今日も楽しかったし…」


「そう、ならよかったね」


鈴姉はそう言って夕食の準備に戻っていった。

俺と鈴姉の間にも変化はある。あの二人と付き合いなさいと言ってから姉さんは俺に触れなくなった。

以前は学校から帰ってきたら必ず抱きしめに来たのに最近それはない。多分鈴姉も俺が彼女たちと付き合うのに気を使っているんだろうな… でもそのおかげで俺は彼女たちに集中できている…



侑汰と別れた朱莉と沙奈江も自宅に戻り二人とも部屋に籠っていた。二人とも今日あったことを振り返り物思いに耽っていた。



朱莉の部屋


朱莉は侑汰からもらったトンボ玉のストラップを手に持ってぼんやり眺めていた。


侑汰君、どうしてこの色が好きだって判ったんだろ… 私の名前の朱は赤より少し深みがある。私はこの色が好きだ… 何かに挑戦するときこの色を見ると勇気が出てくる。私に力を与えてくれるこの朱が小さい時から好きだった…


まさかこのタイミングで侑汰君から貰えるなんて思いもしなかった… そう言えば沙奈江の好きな色は青だったっけ…


侑汰君はそういうとこにやっぱり気付くんだね。だから私達は侑汰君を好きになっちゃうのかな…

3人でお揃いのストラップか… どんな結果になってもこれは大切にしたい…


3人でいた今迄は本当に楽しかった。沙奈江と協力して侑汰君を私達に振り向かせようと頑張って… 本来なら恋敵のはずの沙奈江と協力してたおかげで沙奈江とも本当に仲良くなれた。今ではかけがえのない親友だね。


もし一緒に侑汰君のことを好きにならなかったら、こうはなってなかったよね… でも結局は親友になった沙奈江と勝負だもんね。紗奈江の事は好きだけど、それとこれとは話が別… 最後に侑汰君の傍にいるのは私でありたい…


勝負するからには勝ちに行くよ。侑汰君に本気の朱莉ちゃんを見せてこっちに振り向かせちゃおう。




沙奈江の部屋


沙奈江は机の上に侑汰から貰ったストラップを置いてそれをぼんやり眺めながらこれからのことを考えていた。


最近ずっと3人一緒に居て… 色んな事やって… 何だかそれが当たり前のような気がしてたな。何となくこのままでもいいかな… そんな事も思ったけど、どうせ何時かは侑汰を自分だけのものにしたいって思うようになるだろうし…


今が丁度いいタイミングかな… 朱莉は大切な友達だけど、こればっかりは譲れないもんね。こうなることは初めから分かってたことだから今更だね… 


侑汰がくれたライトブルーのトンボ玉、この澄んだ青を見てると心が落ち着く。何か悩んだ時はいつもこの色を見て気持ちを整理してた… 侑汰にこの色を渡された時は本当に嬉しかった。私の一番好きな色を知っていてくれてる…


一度もそんな事侑汰に言ったことないのにね。それに今一番見たかったのがこの色だ… これからのことを考えるのに…


やっぱり侑汰を誰にも渡したくはない… たとえそれが朱莉であっても… 



朱莉と沙奈江は自分の気持ちを整理して、これからの勝負に向かう決意を固めた。ただ、二人とも以前とは違いお互いの事を思いやる気持ちは持っている。二人は同じものを見て同じことを考えていた。


今日撮った3人での写真、3人で一緒に居たほんのひと時がどれほど楽しいひと時であったかということを…


ただ、二人には理解できていない部分もある。以前、怜治を奪い合った時は結局二人ともフラれてしまったが、プライドが傷ついただけでそれ程大きな痛手も感じなかった。それは二人と怜治との繋がりが殆んど無かったからである。

しかし、侑汰と彼女たちは日を追うごとにその繋がりが強くなってきている。この状況で選ばれなかった場合、どれほど心が傷つくか彼女達も経験したことがない。それ故に彼女たちはその事についてあまりにも単純に考えてしまっていた。


駄目だったらきれいさっぱり諦めればいい… 実際には簡単にそんなことが出来る人なんて誰もいない。



次の日、約束した集合場所に皆で集まった。俺は家を出るのが遅れてギリギリ集合時間に間に到着すると既に二人はそこで待っていた。最初はすぐに見つけられるか心配だったが、実際に到着してみるとやたらと目立つ二人の美少女がいて雰囲気がそこだけ違っていたので直ぐに見つけられた。


しかし、… 何故そこまで気合を入れると言った感じだった。

朱莉はフリルのついた可愛いワンピースで胸元がやや… 結構あいている。朱莉の可愛い感じがより引き立つ。沙奈江はショートパンツにタンクトップ、その上に薄手のシャツといった格好で身長があり細身でスタイルの良い沙奈江に見事に合っている。パンツから出ている白くて細く長い脚は思わず見惚れてしまう。その上にバッチリ化粧で仕上がっている。二人の普段着を見るのは初めてだったが… 想像をはるかに超えていた。


「遅くなってごめんね」


「侑汰遅刻ギリギリだよ」


「侑汰君、こんな可愛い子達を待たせていいと思ってるの…」


会った瞬間二人は悪態を垂れて膨れっ面をしていたが、直ぐに笑顔に変わり


「それじゃ 行こうか」


そう言ってみんなで電車に乗り込んだ。


水族館のある駅までは40分ほどかかる。長椅子の座席にちょうど二人分の空きがあったので、朱莉と沙奈江を座らせ俺はその前で立っていた。二人の鞄を見ると昨日俺があげたストラップを付けてくれていたのを見つけ、少し嬉しい気分になっていた。


「昨日あげたやつ、二人とも付けてくれてるんだ」


俺が彼女たちに尋ねると、


「凄く気に入ったよ」


「私たちの好きな色を選んでくれたんだ」


そう言って彼女たちは可愛い笑顔で答えてくれた。何となく思い付きで買ったんだけど気に入って貰えて何より…


普段着を着てお洒落した彼女たちはいつもより数倍可愛くなり、そんな二人が仲良さそうに目の前で楽しそうにお喋りしている… そんな光景を見てると自然と俺の表情も緩んでくる。やっぱり今は3人でいる時が一番楽しい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ