表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/46

16

「ふわぁー」


 馬車の中で眠い目をこすりぐっと背筋を伸ばす。

 昨日の夜はいろいろありすぎて眠れなかったから、すっごく眠たい。


 気を抜くとついうとうとと……。


「わっ!」

 

 椅子から落ちそうになるのを慌てて耐える。

 もう、学園に着いたらしい。あくびを噛み殺し、うっ〜と伸びをした。


 あの後、レイラ様が消えてから寝ないでいろいろ考えてみた。

 魔王は倒さなきゃいけないのは絶対で確定事項。けど、私はまだ浄化が使えない。

 で、レイラ様は魔法を使うには願うことが必要って言ってた。

 どっかで聞いたことあるなぁって思ったらカイルが言ってたことと同じだった。偶然なのかな? でも、二人は会ったことないだろうし偶然だよね、うん。

 願うことなんて言われてもどう願えばいいか分からない。レイラ様、アバウト過ぎない?


 と、まぁ。そんなこと考えてたらいつの間にか日も完全に昇っていて、侍女が起こしに来る時間になっていた。という訳で寝不足なんですよ。……本当に眠たい。


「クリス、おはよう」

「おはよう、ベル」


 教室に入ればベルに声をかけられた。


「どうしたの、その目の下のくまは」

「寝不足です……」


 ベルははぁ〜とため息をついた。


「いつも言ってるでしょう? 夜更かしも大概にしなさいって」


言い返せばもっと言われるのを分かってるから私は黙ります。前に一度、言い返したことあるけどそこからの返しが何十倍って……。私は学ぶ子なのです。

しばらくして、満足したのかスッキリした顔でベルが頷いた。


「そうそう。王城に呼ばれたって本当?」


うん、はやいな。だって、昨日のことだよ。しかも放課後。いつ、そんな情報仕入れたのか。


「本当だよ」

「大丈夫だったの?」

「うん。私の属性のことについて聞いただけだったから」


本当はもっと大事なこと言われたけどね。魔王とか魔王とか魔王とか。

まだ、秘密だから言えなけど。


「そう、なら良かった」

「心配してくれたの?」

「あたりまえでしょ」


ぷいっとそっぽを向くベルの顔は赤い。

ふふ、やっぱりベルは優しいねぇー。


「でも、気をつけた方がいいわよ」


急に真剣な声になったベルが言う。


「クリス、いろいろ噂になってるから」

「噂?」

「そう」


なんの噂? 私、聞いたことない。


「王太子殿下に擦り寄ってるとか。似たような噂はたくさんあるけど。まぁ、クリスがそんなことするわけないわね」


当たり前じゃないですか。

なんで、そんな面倒なこと自分からしなきゃいけなのさ。第一、私は伯爵家を継がないといけないんだよ。それに、王太子の婚約者なんて興味ないし。

誰だろうねぇ。こんな噂ながしたのは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ